更新日: 2024.08.15 NISA

NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」はどう使い分ければいいですか? どちらがもうかるのでしょうか?

NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」はどう使い分ければいいですか? どちらがもうかるのでしょうか?
2024年から新NISA制度が導入されたことで、「貯蓄から投資へ」という流れが加速し、家計の資産形成の支援が強化されました。この新NISA制度には、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」2つの枠があり、その枠を使い分けることは重要です。
 
そこで本記事では、NISAの基本を確認し、この2つの枠をどのように使い分けたらよいかを解説します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

NISAの基本

1.NISAとは?

NISA(ニーサ)とは、2014年1月にスタートした少額からの投資を行うことができて、運用で得られる配当や分配金が非課税になる「少額投資非課税制度」をいいます。
 
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ:Nippon Individual Savings Account)という愛称で呼ばれています。
 
NISAは2014年1月に制度開始となり、それ以降はジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)が2016年4月、つみたてNISAが2018年1月にスタートしました。そして、さらに制度を拡大・充実した新NISAが2024年1月から開始しました。今回は、この新NISA制度に関して解説します。
 

2.新NISA制度とは?

新NISA制度にある「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠について詳しく見ていきます。
 
(1)つみたて投資枠とは?
つみたて投資枠とは、年間投資上限額が120万円、成長投資枠と併用が可能で、両方の枠を合わせて最大利用可能額が1800万円となっています。また、旧NISAとは異なり非課税保有期間が無期限で、保有期間に関係なく非課税での運用が可能となりました。
 
投資対象商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託です。
 
(2)成長投資枠とは?
成長投資枠とは、年間投資上限額が240万円で、つみたて投資枠と併用が可能で、前述のとおり両方の枠を合わせて最大利用可能額が1800万円となっています。また、つみたてNISA同様、非課税保有期間は無期限です。
 
投資対象商品は、上場株式や投資信託などとなっています。
 

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「つみたて投資枠」と「成長投資枠」はどう使い分けるか?

つみたて投資枠と成長投資枠を使い分けるポイントは、下記のとおりです。
 

1.1800万円の最大利用可能額をフル活用する

成長投資枠だけを使って、上場株や投資信託に投資しただけでは、最大で1200万円の非課税枠しか活用することができず、最大利用可能額である1800万円の非課税枠を使い切ることができません。
 
したがって、非課税枠のメリットを最大限享受するためには、つみたて投資枠との併用が必須となります。
 

2.2つの枠の投資対象商品のリスクを知って併用する

つみたて投資枠に投資できる商品は、金融庁の基準を満たした投資信託で、長期の積立・分散投資に適した商品に限定されています。一方、成長投資枠は、つみたて投資枠の商品に加えて、上場株式や不動産に投資するリート(REIT)などのように大きな利益を狙える(価格変動が大きい)商品に投資ができます。
 
したがって、投資する場合には、これらの商品の特性を鑑み、投資リスクやご自身の投資スタイルや投資の経験を考慮したうえで、慎重に行う必要があります。また、NISA枠以外にご自身が保有している資産全体のバランスも配慮する必要があります。
 

3.無理のない範囲で投資を行う

新NISAの枠は「使い切らなければいけない」ものではありませんので、無理のない範囲で投資をすることも重要です。特に、新NISAの非課税保有期間は無限ですので、時間をかけてコツコツ増やしていくことも必要でしょう。
 
新NISAの活用には、つみたて投資枠と成長投資枠の違いや特徴、使い分けのポイントを把握することが大切です。自分に合った方法で、上手に資産運用していきましょう。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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