2024年からの新NISA、やるとやらないとでは「30年後」どれくらいの差がつく?
配信日: 2024.11.25
そこで、NISAを活用することで、30年後の資産形成にどのような差が生じるのかを解説し、活用方法について説明します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
制度の概要
「NISA」とは少額投資非課税制度のことであり、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年間投資金額360万円までは、運用益が非課税となる制度です。この仕組みを利用し、株式や投資信託など金融庁が指定する一定商品への投資を通じて、資産形成を促すものです。
基本的に、金融商品への投資を通じて得た利益には、約20%の税が課せられます。それが非課税となるNISA制度の意義は、大変大きなものであることが分かります。
加えて前述のとおり、投資できる金融商品の範囲は国によって指定されています。そのためギャンブル性の高い商品など、投資知識に明るくない人が長期間安定して資産形成を図るのに不向きとされる商品が排除されている点も魅力です。
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NISAを30年続けると、そうでない場合と比べて、どの程度の差になる?
では、実際にNISAを30年続けていったらどうなるのか、そして利用しない場合と比べてどう差がつくのか、簡易的にシミュレーションしてみましょう。
例えば、貯金だけを単に毎月3万円、30年間積み立てていた場合は、単純計算で総額1080万円となります。それに対して下記条件の下、NISAにて30年間運用を続けたらどうなるでしょうか。
・金融庁「つみたてシミュレーター」を利用
・想定利回り(年率)5%で計算
・月額3万円を投資
すると、運用益は1417万円となり、元利合計は2497万円になります。貯金をしていた場合と比較すると、最終的な資産額は2倍以上になっています。額にすると、1400万円を超える差です。
このように、毎月3万円と現実的な額であっても、30年もNISAを続けることができれば、大きな差を生むのです。
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NISAの注意事項
ここまでの記載を見ると、「NISAを利用しない手はない」と考える方もいることでしょう。しかし、NISAには知っておいた方がよいデメリットもあります。それは「元本割れ」のリスクです。
NISAは投資信託や株式などへの投資を通じて、資産形成を図るものです。これらは社会情勢などの変化に応じて価格が上下します。ある地点を見れば資産が1000万円増加していたとしても、ある地点を見ると元本割れしていることもあります。
そのため、貯金を全くせずに、資産の全額をNISAで運用していると、いざお金が必要となるときに、そのお金が用意できないこともあり得ます。
まとめ
NISAを通じて、例えば毎月3万円ずつ運用を行い、加えて30年と長期にわたって資産形成を行うことで、元利合計で資産総額が2497万円ほどとなる可能性があります。この場合、資産額は元本の2倍以上の額になります。
NISAの利用は元本割れのリスクがあるものの、無理のない範囲で行うことで、堅実に資産を形成していくことが可能な制度でもあります。NISA制度が気になっている方は、3万円ではなくても、5000円や1万円など、少額から始めてみてはいかがでしょうか。
出典
金融庁 つみたてシミュレーター
執筆者:柘植輝
行政書士