更新日: 2024.12.08 株・株式・FX投資
株も分割購入して積立できる? 株式の積立購入ってなに?
元来、貯蓄を始める際は、給与からの天引き預金というものが行われてきました。現在では、投資信託などが積立投資の中心になっていますが、給与天引きや銀行口座振替によるものが一般的です。今回は、積立投資信託と同じようにできる「株式の積立購入」について見てみましょう。
ファイナンシャルプランナー CFP
家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。
株式投資と投資信託の比較
最初に、株式投資と投資信託の違いを、必要資金、運用方法、対象資産、手数料、リターン、取扱金融機関について比較してみましょう。
図表1
筆者作成
図表2
筆者作成
株式投資と投資信託はそれぞれに違いがあり、一概にどちらがよいというものでもありません。
次に、株式投資と投資信託に投資する際の判断基準となる安全性、収益性と流動性について見てみましょう。
図表3
筆者作成
これらの比較では、安全性では投資信託が、流動性では株式投資が優位ですが、収益性では株式投資が優位ということになります。
ここからは、収益性で優位になることが多い株式投資について、投資信託と同じように少額から積立で購入できる「株式の積立購入」について見てみましょう。
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株式の積立購入
株式の積立購入には、これまでの大手証券会社が扱うものと新興のネット証券が扱うものがあります。
株式積立・るいとう
株式の積立購入は、扱う証券会社(野村証券、大和証券、SMBC日興証券など)によって、「株式積立」や「るいとう(株式累積投資)」などの名称の商品があり、いつでも証券会社から購入することができます。
「株式積立」や「るいとう」は、毎月1万円以上、1000円単位で指定した銘柄の株式を積立購入することが可能です。その具体的な特徴は、以下の通りです。
・少額から自動引き落としで手間がかからない。
・さまざまな銘柄を選ぶことができる。
・複数銘柄の継続購入をした場合はリスク分散ができる。
・時間分散(年単位等の継続購入)によりリスク分散ができる。
・配当金がもらえる(自動再投資になる)。
・売却はいつでも可能。
・単元株に達すると自分名義となり、通常の株主権限(議決権・株主優待)が与えられる。
日本株の定期買付サービス
また、ネット証券等では、さらに少額からの投資が可能な日本株を対象とする定期買付サービスがあります。SBI証券や楽天証券等が提供している、日本株の定期買付サービスは以下のような内容です。
・買付日は、毎月や複数の指定日などの選択ができる。
・買付単位は1000円以上または1株単位以上(1株で購入できるのはミニ株のみ)。
・さまざまな企業グループが付与するポイント(Vポイント、楽天ポイント、Pontaポイントなど)を使用して買付できる。
・配当は受け取ることができ、自動再投資になる。
・買付額は、「株式積立」や「るいとう」のような1000円単位の固定額でなく、設定金額の範囲内で端数のある買付額になる。
このほかにも、少額の株式投資を検討する場合は、単元未満株取引やミニ株取引という方法もあります。
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株式の積立購入とNISA
株式の積立購入(株式積立、るいとう、日本株の定期買付サービス)は、つみたてNISA枠には該当しませんが、成長枠投資に該当します。
したがって、配当受取時や売却時の値上がり益は非課税になります。「管理銘柄」や「整理銘柄」に指定された株式はNISA(成長枠投資)の対象外ですが、その他の上場株式はNISA枠で購入・保有することができます。
終わりに
老後資金などのため、長期間にわたって積立・保有する金融資産には、値上がり益と共に安定配当が受け取れることも期待したいものです。株式の場合は、積立から単元株に達すると配当金を直接受け取ることができます。
そろそろ投資を始めたいけどハードルが高いと思っている人は、投資信託の積立や株式積立から始めて、安定株を保有する資金運用の形を作るのはいかがでしょうか。
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP