年金に期待したくはありません。20代の私が、40年後に「年金に頼らない」ためには、どうしたらよいでしょうか?
配信日: 2025.01.21
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
将来の必要資金を明確にする
まずは、老後にどれくらいのお金が必要になるかを把握し、自分の目標を明確にしましょう。
生命保険文化センターが行った調査によると、一般的に、夫婦2人で最低限度の老後の生活を送るには、月々23万円程度が必要とされています。なお、令和6年度の平均的な夫婦の年金支給額は、月23万円程度とされており、年金収入だけではギリギリの生活となりそうです。
また、老後の生活スタイルや目標によって、必要な資金は変わります。例えば、旅行や趣味にお金をかけたい場合、さらに上積みが必要です。もし、そのようなゆとりのある老後の生活を送るならば、必要な額は約38万円となり、平均的な支給額の年金では15万円ほど不足します。
なお、物価のインフレも考慮する必要があります。40年後の物価が、現在とは大きく異なる可能性がある点には、注意が必要です。
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資産運用を今すぐ始める
20代から老後に備えることの最大のメリットは、時間を味方にできることです。少額でも資産運用を始めることで、複利の力を活かして、資産を大きく増やすことが可能です。貯金をしていても利子がわずかにつきますが、現在の金利では誤差の範囲に近しいものであり、それには期待できません。
むしろ、将来的なインフレも加味すると、貯金だけでは資産が目減りしていったり、現在の予想額よりも老後に必要な資産額が増えたりする可能性もあります。そう言った事態を防ぐために、資産運用を行うのです。
例えばNISAを使って、毎月2万円を年利3%で40年間運用すると、元本960万円に対して運用益は892万円と、元利合計で同額の貯金の約2倍にすることができます。また、60歳まで拠出したお金を取り崩すことができませんが、iDeCoを使ってNISAのように資産運用をするのもよいでしょう。
なお、NISAやiDeCoを使わずに資産運用することもできますが、仮に投資信託で資産運用すると、運用益には約20%の利益がかかる点に注意してください。
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収入と支出のバランスを取る
資産形成には、生活費の見直しや収入アップも重要な要素です。できるだけ多くのお金を投資に回すためには、節約と収入増加の両方に取り組む必要があるからです。
例えば、通信費や保険料、サブスクリプションなどの固定費を見直すといいでしょう。これらは毎月継続して発生する支出であるため、見直しによる恩恵が大きくなりやすいものです。
加えて、副業やスキルアップを通じて収入を増やすことも、老後資金を準備する方法の一つです。特に「どうしても本業だけでは投資を始めるのが難しい」という状況では、副業を始めてその収入を投資に回す方法が有効です。
まとめ
年金に期待せずに老後を生きようと思ったら、若いころから投資による資産形成を中心に、収支のバランスを取ることが必要です。
夫婦2人で老後に必要なお金は月23万円から37万円程度となりますが、若いころから準備をすることで、年金に頼らず老後の生活を送ることも不可能ではありません。
「年金に頼らない老後を」と考えるのであれば、まずはNISAやiDeCoを活用し、資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
執筆者:柘植輝
行政書士