「日経平均株価」の買い時はいつ?レンジ相場の今、投資家が注視すべきポイント
配信日: 2025.03.07

テクニカル分析をもとに、今後の株価の行方を探ります。今は「買い時」なのか、それとも様子見が賢明なのか? 投資家が注視すべきポイントを解説します。今回も日経平均株価を題材に学んでいきましょう。

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
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チャート環境の確認
まず、チャート環境の確認です。
図表1 日経平均株価(日足)
※TradingView提供(解説を目的に使用しております)
(1)水平線(上値抵抗線と下値支持線)を引く
上:4万200円近辺に上値抵抗線を引き、下:3万7700円近辺に下値支持線を引きます。日経平均株価は、昨年来、このレンジ内で動いています。その真ん中の3万8900円近辺にも、中央値として水平線を引きます。
(2)上値と下値のトレンドラインを引く
チャート画面にあるように、上値と下値のトレンドラインを引きます。日経平均株価のトレンドについては、斜め右方向に上がる軌跡をイメージします。
(3)移動平均線の位置を確認する
現在の移動平均線の軌跡を確認します。直近では50日移動平均線、200日移動平均線ともにほぼ横ばいで推移しており、現在のローソク足は200日移動平均線がサポート(下値支持線)、50日移動平均線が抵抗(上値抵抗線)になっていることが分かります。
(4)インジケーターを確認する
チャート下段には、スロー・ストキャスティクスというインジケーターを表示しています。現在の位置は、割安水準から脱しようとしている動きです。これは、割安であるため「買い」が入っていることを示しています。
(5)総合評価
2025年1月20日の前場での日経平均株価は、寄り付き後、急騰していることが分かります。チャートでは依然としてレンジ内での動きが続いていますが、株価はちょうど中央ラインにまで値を戻してきました。
・ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)分析
この原因は、先週末の米株式市場が急騰したことによりますが、この背景には、第二次トランプ政権が始動することへの期待があります。
しかしながら、日本の株式市場においては日銀の追加利上げ観測への警戒感が強く、政権の不安定さも懸念としてあります。そのため現時点では力強く上昇するというよりも、レンジを抜けられるかどうかが焦点になります。
・テクニカル分析
テクニカル上はレンジ相場の域を出ていませんが、下値のトレンドラインを大きく割り込んでいないため、「目線は上を示している」と判断します。しかし「中央線のライン上で上昇が抑えられている」「50日移動平均線が抵抗になっている」という2点から、上昇の勢いはそれほど強くないと見ます。
つまり、「4万200円付近の上値抵抗線を抜けるまでは、レンジ相場が続く可能性が高い」と判断します。
どこで入って、どこで降りる?
現状レンジ相場から抜けられていないため、エントリーの判断としては「入らずにまだ待つ」と考えます。
現在の日経平均株価のエントリーポイントは、日経平均株価が4万200円近辺の上値抵抗線を抜けてからです。しかし急いで入ってしまうと、利益確定の売りにより押し戻される可能性があるため、慎重に様子を見る必要があるでしょう。
反対に降りるタイミングは、現状がレンジ相場であるため、レンジ下限である3万7700円近辺を下回ってからとなります。
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まとめ
テクニカル分析を行う際は、ファンダメンタルズ分析も加味し、相場を見通していく必要があります。2025年1月のように米政権が入れ替わるタイミングは、期待が先行しやすいため、急騰後の急落に警戒をする必要があります。
これはあくまでも短期的な視点ですが、長い目で見ればトランプ政権への警戒感が薄れているわけではありません。そのため長期投資をする場合、しっかりと情報を見定めながら運用することが求められます。
出典
TradingView Inc. TradingView
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)