「財形貯蓄」を始めて5年、同僚から「NISAに乗り換え」を勧められました。損をする可能性もありますが「NISA」の方が本当にお得でしょうか?
今から始めるなら、「財形貯蓄」と「NISA」ではどちらがおすすめなのか気になる方もいるでしょう。本記事では、財形貯蓄とNISAの違いを詳しく解説します。
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「財形貯蓄」とは?
「財形貯蓄」とは、給与から一定の金額が天引きされ、会社が提携している金融機関にお金を預けて貯めていく仕組みのことです。財形貯蓄制度には、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3種類があります。
利子に対する非課税措置や財形持家融資を利用できるなどのメリットがあります。以下では、厚生労働省「財形貯蓄制度」を基に、財形貯蓄制度の3種類の詳細をご紹介します。
1.一般財形貯蓄(勤労者財産形成貯蓄)
勤労者が金融機関などと契約を結び、3年以上にわたって、定期的に賃金からの控除により、事業主を通じて積み立てていく目的を問わない使途自由な貯蓄のことを指します。契約時の年齢制限は特になく、複数契約もできます。
2.財形年金貯蓄(勤労者財産形成年金貯蓄)
55歳未満の勤労者が金融機関などと契約(一人1契約)を結び、5年以上にわたって、定期的に賃金からの控除により、事業主を通じて積み立てていきます。その後、60歳以降の契約所定の時期から5年以上にわたって、年金として支払いを受けることを目的とした貯蓄になります。
3.財形住宅貯蓄(勤労者財産形成住宅貯蓄)
55歳未満の勤労者が金融機関などと契約(一人1契約)を結び、5年以上にわたって、定期的に賃金からの控除により、事業主を通じて積み立てていく持家取得または持家の増改築を目的とした貯蓄のことを指します。
※利子に対する非課税措置について
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄あわせて、元利合計550万円(財形年金貯蓄のみの場合で、生命保険または損害保険の保険料、生命共済の共済掛金、簡易保険の掛金などについては払込ベースで385万円)から発生する利子などが非課税になります。
「NISA」とは?
一方、「NISA」(ニーサ)とは、少額からの投資を行う方のために2014年1月にスタートした、「少額投資非課税制度」です。
NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は、非課税になる点が大きな特徴です。つみたて投資枠と成長投資枠の2種類があり、併用することも可能です。具体的な制度内容は、以下の表1のとおりです。
表1
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 非課税保有期間 | 無制限 | 無制限 |
| 制度(口座開設期間) | 恒久化 | 恒久化 |
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 1800万円(※成長投資枠を含む) | 1800万円(※内数1200万円) |
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 (金融庁の基準を満たした投資信託限定) |
上場株式・投資信託など |
| 対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
出典:金融庁「NISAを知る NISA(小額投資非課税制度)について学びましょう。」を基に筆者作成
いまからはじめるなら「NISA」も一つの選択
2023年までのNISAは一時的な制度でしたが、2024年からのNISAは恒久的な制度へと変化したため、より長期投資がしやすくなりました。
財形貯蓄は、住宅ローンの頭金を軽減できるなどのメリットがある一方で、超低金利の国内情勢によって、利子分の非課税の恩恵を受けづらいのがデメリットといえます。
したがって、自分で効率よく資産運用したい場合には「NISAに乗り換え」するほうが適していると感じる方もいるでしょう。
まとめ
「財形貯蓄」「NISA」にはどちらともメリットとデメリットがあります。まずは、自身のライフプランや勤め先の制度をよく検討して適したものを選び、資産を形成していくのが良いでしょう。
出典
厚生労働省 財形貯蓄制度
金融庁 NISAを知る NISA(小額投資非課税制度)について学びましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
