4月は日経平均が「3万円台前半」まで暴落! 貯金800万円で老後資金「2000万円」を目指したいけど、株式は怖いと感じました。堅実かつ効率よく運用する方法はあるのでしょうか?
株式よりもリスクが低い金融商品として、適用利率が上昇傾向にある「個人向け国債」が注目を集めています。本記事では、個人向け国債の特徴と800万円を運用した場合のシミュレーションを紹介します。
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目次
個人向け国債は低リスクで運用できる金融商品
個人向け国債は日本国政府が発行する債券で、個人でも購入できる金融商品です。信用性が高く、満期がくると投資したお金が利息とともに償還されるため低リスクで資産運用できます。
個人向け国債の適用利率はここ1年来、上昇基調になっており、注目を集めています。図表1は、変動金利型10年満期個人向け国債の適用利率の推移です。
図表1
| 募集月 | 適用利率(募集時・税引前) |
|---|---|
| 2024年5月 | 0.57% |
| 2024年6月 | 0.69% |
| 2024年7月 | 0.72% |
| 2024年8月 | 0.61% |
| 2024年9月 | 0.61% |
| 2024年10月 | 0.57% |
| 2024年11月 | 0.65% |
| 2024年12月 | 0.71% |
| 2025年1月 | 0.75% |
| 2025年2月 | 0.83% |
| 2025年3月 | 0.92% |
| 2025年4月 | 0.93% |
財務省 変動10年の発行条件より筆者作成
2024年5月に0.57%だった適用利率は、1年後の2025年4月募集分では0.93%と大きく上昇しています。
変動10年型の個人向け国債は半年に一度、適用利率が見直されるため、購入時に利率が低くても後に上がる可能性があります。例えば、2024年10月募集の国債の利率は0.57%でしたが、現在は0.93%に見直されています。
なお、国債の利息には20.315%の税金がかかります。また、国債の利息計算は単利で計算され、資産効率は複利で運用する場合に比べると悪くなるので注意してください。
個人向け国債で800万円を運用するといくらになる?
個人向け国債で800万円を運用するといくらになるでしょうか?
図表2は、適用利率0.9%の変動10年型個人向け国債を、35歳から65歳まで10年毎に再投資しながら投資した場合のシミュレーション結果です。
図表2
| 税引前利息額 | 税引後利息額 | 元利合計額 | |
|---|---|---|---|
| 45歳時 | 72万円 | 57万3732円 | 857万3732円 |
| 55歳時 | 77万1636円 | 61万4878円 | 918万8610円 |
| 65歳時 | 82万6975円 | 65万8975円 | 984万7585円 |
筆者作成
利率0.9%で運用した場合、65歳時の元利合計額は「984万7585円」となります。およそ1000万円です。
このシミュレーションでは適用利率を0.9%に固定していますが、実際には半年ごとに変動します。もし今後も個人向け国債の利率が上がり続けるとすれば、元利合計で1000万円以上に増やすことも可能でしょう。ただし、適用利率が下がる可能性もあることには注意が必要です。
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2000万円に足りない分は積立定期預金などで貯めよう
800万円を個人向け国債で運用する場合、2000万円までおよそ1000万円ほど足りない計算です。そのため、ほかの手段でも資産運用する必要があるでしょう。
例えば、積立定期預金は元本が保証されている低リスクな資産運用方法です。マイナス金利が解除されて以来定期預金の金利も上昇傾向にあり、以前に比べると効率よく資産を増やせます。
積立定期預金を利用して毎月3万円を積立、年利0.5%で積み立てる場合、30年後の元利合計金額は「1165万円」になります(税引前)。個人向け国債の運用益と合わせれば2000万円を達成できるでしょう。
もちろん、個人向け国債を毎月買い増したり、少額をリスクの高い株式投資に回したりしてもよいでしょう。自分に合った運用方法で2000万円を目指してください。
低リスクの運用方法で堅実に資産を増やそう
個人向け国債は株式に比べてリスクが低く、堅実に資産運用ができる金融商品です。2025年5月現在、個人向け国債の適用利率は上昇傾向にあり、今後もこの傾向が続けば堅実かつ効率的に資産を増やせるでしょう。
ただし、個人向け国債への投資だけでは800万円を2000万円まで増やすことは難しいです。そのため、リスクの低い積立定期預金などを並行して行いながら2000万円を目指すとよいでしょう。
出典
財務省 個人向け国債窓口トップページ
財務省 ご存知ですか? 国債
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
