インド株(NIFTY)が今わかりやすい? 投資初心者でも判断しやすいチャートの読み方とは

配信日: 2025.05.21 更新日: 2025.06.26
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インド株(NIFTY)が今わかりやすい? 投資初心者でも判断しやすいチャートの読み方とは
トレードにおける最大の課題は、「どこで入って、どこで降りるか」を判断することです。今回はインドの株価指数であるNIFTY(ニフティー)を題材に見ていきましょう。
重定賢治

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

チャート環境の確認

まず、チャート環境の確認です。
 
図表1 NIFTY(日足)

図表1

出典:TradingView Inc. TradingView(解説を目的に使用しております)
 

(1)水平線(上値抵抗線と下値支持線)を引く

目先の上値のめどを測るために、水平線を引きます。
 
現時点で見ると、23800水準に強めの抵抗線があることが分かります。そこを抜けると、次に意識される水準は24100水準ですので、ここにも水平線を引きます。これらが上値抵抗線になります。
 
一方、高値圏で推移しているため、下落の可能性も見る必要があります。この場合は23300水準と22800水準が下値のめどに当たるため、これらの水準には下値支持線として水平線を引きます。
 

(2)上値と下値のトレンドラインを引く

トレンドラインについては、中長期的なトレンドラインはもちろん引く必要がありますが、短期的には上昇波形であるため、このような場合、3月4日を起点に下値のトレンドライン(青の細い線)を引きます。
 

(3)移動平均線の位置を確認する

移動平均線は、紫色が50日移動平均線、紺色が200日移動平均線です。3月20日にローソク足は50日移動平均線を上抜けし、現時点では200日移動平均線の下にあることが確認できます。
 

(4)フィボナッチ・リトレースメントを描く

短期的には上昇波動を描いているため、このような場合、昨年の9月27日から3月4日までの下落幅に対する戻り水準を探るために、フィボナッチ・リトレースメントを描写します。
 
現時点の位置はちょうど0.382の水準にありますが、その上の0.5水準が上値抵抗として意識されていることが分かります。
 

(5)インジケーターを確認する

インジケーターは、RSIを表示しています。RSIは、株価が割高か割安かを見るためのものです。現時点では、RSIが割高なゾーンに入ってきたため、短期的な天井が近いことを確認します。
 

総合評価

現在のNIFTYは、テクニカル的には「短期的な天井が近い」と判断することができます。
 
このような場合はどこまで上がるかが焦点になります。直近では、23600水準、23800水準、24200水準が可能性の高い上値候補として意識されるでしょう。
 
ただし、天井が近いということは、反落も近いことを意味するため、現時点でどこまで下がるかのめどを想定しておく必要があります。この場合は可能性の高い水準として、23300水準、23000水準、22800水準が意識されるでしょう。
 
このように、今のところNIFTYは、短期的な天井が意識される位置にあるため、反落する可能性を見ておきます。中期的には上昇トレンドのなかにあることから「短期的な反落が終わると、再び上昇波動を描いていくだろう」という見立てをメインシナリオにします。
 
しかし、可能性は低いですが、中期的にもう一段下落する可能性が否定できないことから、念のため、これをサブシナリオとして考えておきます。
 

どこで入って、どこで降りる?

ここでは、テクニカル分析手法「カップ・ウィズ・ハンドル」を使います。
 
NIFTYは、「カップ」を形成している最中です。画面では黄色で示したお椀型の描写がカップに当たる部分で、カップが完成した後は調整(下落)する可能性が高いと捉えます。このときの調整波動を「ハンドル(取っ手)」といいますが、オレンジ色のお椀部分がハンドルに当たります。
 
カップ・ウィズ・ハンドルでは、通常として直近の前回高値が天井になりやすく、現時点のNIFTYではここからのエントリーを避ける必要があります。可能性として、目先の上値候補である23800水準を上回ることは考えられますが、この場合は200日移動平均線とローソク足がぶつかる地点が次の上値候補になるため、注意が必要です。
 
このようなことから、短期的には「下落するのを待ってエントリーする」という判断をしていきます。一方で降りる場合、今の水準で利確(利益確定の売り)するのは妥当なトレード判断といえるでしょう。また、売りから入る場合は、「もう少し上昇してから売る」という判断が有効と考えていきます。
 

まとめ

今回見たチャートは、どちらかというと、投資初心者でも見極めやすい初歩的な形を示しています。なぜならば、「カップ・ウィズ・ハンドル」の「カップ」部分が形成される途中にあるからです。
 
このような波形が出てきた場合、いったん利確を意識し、下がった後に買い戻します。トレードでは、相場が上がるか下がるかがなるべく分かるところでエントリーをし、損失を出さないことを心掛ける必要があります。
 
今のようなインド株(NIFTY)は明らかに天井が近いため、投資家にとって分かりやすいトレードができるのではないでしょうか。
 

出典

TradingView Inc. TradingView
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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