友人が「JR西日本」の株主優待券で、「新大阪から博多まで半額になった」と聞きうらやましい! 実際どれだけ“お得”なの? 必要な投資額や注意点を解説

配信日: 2025.07.06 更新日: 2025.07.07
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友人が「JR西日本」の株主優待券で、「新大阪から博多まで半額になった」と聞きうらやましい! 実際どれだけ“お得”なの? 必要な投資額や注意点を解説
新大阪駅から博多駅まで新幹線を使うと、乗車券と特急料金合わせて自由席を使っても1万5000円近く、のぞみの指定席なら1万5000円以上かかります。そのため、「JR西日本の株主優待で大阪から博多まで半額で旅行に行った」などと友人から聞くと、株主優待制度に興味を持つこともあるでしょう。
 
とはいえ、優待をもらうにはいくらの投資が必要なのか、どれほどの節約効果があるのか気になるところではないでしょうか。本記事では、JR西日本の株主優待制度の内容と、そのお得度、投資額の目安について解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

JR西日本の株主優待ってどんな制度?

JR西日本では、毎年3月末時点で100株以上を保有している株主に対して、株主優待を進呈します。内容は、「京都鉄道博物館入館割引券」や「JR西日本レンタカーが20%割引になる優待券」などさまざまです。
 
中でも注目されるのが「株主優待鉄道割引券」で、これを使えばJR西日本線の片道分の運賃と特急料金が50%割引となります。
 
株主優待鉄道割引券がもらえるのは、100株以上を保有する株主です。100株なら年1枚、400株なら年2枚、600株なら年3枚といった具合に、持っている株式の数量に応じてもらえる枚数が増えていきます。
 
また、100株以上を3年以上継続保有かつ直近の3月31日時点で200株以上を保有している株主には、WESTERポイントが1000ポイント付与されることも、JR西日本株主優待の特徴です。
 

実際どれくらいお得? 新大阪~博多で検証してみた

株主優待券の50%割引を使えば、片道1万円以上の節約になるケースもあります。新大阪駅から博多駅までの新幹線「のぞみ号」を通常期に利用した場合、普通車指定席の通常料金は1万6020円、グリーン車は2万2090円です。
 
この区間で株主優待券を利用すると、普通車指定席は1万6020円から8020円引かれて8000円、グリーン車は2万2090円から1万1050円引かれて1万1040円で乗車できます。
 
特に注目すべきは、グリーン車も半額になるという点です。通常、普通車指定席からグリーン車にアップグレードするには6070円が必要ですが、優待を使えばその差額は3040円に抑えられます。少ない追加費用で快適な座席に乗れるのは、実用面でも魅力が大きいでしょう。
 
株主優待鉄道割引券は、時期を問わず利用できます。お盆や年末年始といった繁忙期でも使えるため、帰省などの決まったタイミングで新幹線に乗る機会がある人にとっては、非常に使いやすい制度といえるでしょう。
 

優待をもらうにはいくら必要? 投資額と注意点

株主優待鉄道割引券を受け取る条件は、JR西日本の株式を100株以上保有していることです。2024年7月1日時点での株価は1株3295円となっており、100株保有するにはおよそ33万円の投資が必要となります。
 
新大阪~博多までのグリーン車を片道利用し、1万1000円分の節約ができた場合、この優待の利回りは単純計算で約3%です。円預金の金利が0.2%程度であることを考えると、33万円を預金するよりも、株を保有して優待を活用したほうがお得と感じる人もいるかもしれません。
 
とはいえ、株価は日々大きく変動することに注意が必要です。2025年の年初から6月までの約半年間だけでも、株価は2660円~3318円の範囲で推移しています。100株あたり26万6000円~33万1800円の間で変動していたことになり、購入時期によっては、株主優待で得た利益よりも株価下落による損失のほうが大きくなってしまうこともあるのです。
 
優待目的での購入を検討する場合でも、株価の値動きによるリスクを理解したうえで、慎重に判断しなければなりません。
 

まとめ

JR西日本の株主優待では、片道分の運賃と特急料金が半額になる株主優待鉄道割引券が、100株保有で受け取れます。新大阪~博多間で使えば、1回の利用で8000円から1万1000円以上の節約が可能です。
 
優待を受け取るには、2024年6月末時点で約33万円の投資が必要ですが、単純計算では優待券の利回りが3%前後になるケースもあります。ただし、株価は経済状況や業績に左右されて大きく変動するため、元本割れのリスクは考えなければなりません。
 
鉄道をよく利用する人にとっては魅力的な優待制度ですが、それだけを理由に購入を決めることには慎重であるべきです。株式投資に伴うリスクや、自身の資産状況を十分に把握したうえで、購入を考えると良いでしょう。
 

出典

西日本旅客鉄道株式会社 株主優待
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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