ママ友にビックカメラの優待券で「Switch2を4000円割引で買えた」と聞きました。「年2回もらえてお得」とのことですが、いくらで株主になれますか? 初心者でも始めやすいでしょうか?
とはいえ、「いくらくらいの資金が必要なのだろうか」「株を買って損したりしないのか」と考えてしまうものです。本記事では、ビックカメラの株主優待をもらうために必要な投資額や注意点を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
【PR】NTTデータグループ運営!HOME4U
目次
ビックカメラの株主になると年に2回商品券が届く
ビックカメラでは、100株以上を保有する株主に対して、年に2回「お買物優待券」が配布されます。所有株式数に応じて受け取れる金額が変わり、その内容をまとめたのが図表1です。
図表1
ビックカメラ株主・投資家情報サイト 株主優待制度より筆者作成
例えば100株を保有している場合、初年度は年間3000円分の優待券(2月に2000円、8月に1000円)が届きます。
さらに「保有期間に応じた株主優待制度」により、1年以上保有すると+1000円、2年以上の保有でさらに+1000円(合計2000円)が加算され、最大で年間5000円分の優待券を受け取れるのです。
これらの買い物券は、全国のビックカメラ・ソフマップ・コジマなどの実店舗だけでなく、ビックカメラの公式通販サイト「ビックカメラ.com」など一部のオンラインショップでも使えます。近くに店舗がない人でも使いやすいのが嬉しいポイントです。
優待券の有効期限は約半年ですが、2月基準分(5月発送)の期限が11月末、8月基準分(11月発送)の期限が翌年5月末と設定されているため、期限切れの前に次の優待券が届くスケジュールとなっています。
上手に使えば、2回分の優待券を同時に使った買い物も可能です。
ビックカメラの優待券を得るために必要な投資額は?
ビックカメラの株主優待を受け取るには、最低でも100株の保有が必要です。2025年7月上旬時点での株価はおよそ1700円前後のため、100株を購入するには約17万円の資金が必要となります。
100株を保有した初年度にもらえる優待券は年間3000円分(2月に2000円、8月に1000円)で、優待利回りは約1.76%です。
さらに、2年以上継続して保有すれば、追加で年間2000円分の優待(長期保有特典)も加わり、年間5000円分の優待券がもらえるようになります。この場合の優待利回りは約2.94%です。日常で使える買い物券としては、十分に実用的な水準といえるでしょう。
なお、もらえる優待券を増やしたいと思って100株を買い増し、200株を1人で持ってももらえる優待券の枚数は増えません(100株以上~500株未満は同一区分のため)。
しかし、同じ200株でも夫婦でそれぞれ100株ずつ保有すれば、優待は2人分届いてお得です。年間最大で1万円分の優待券を受け取ることができ、ゲーム機本体やゲームソフトの購入、そのほか家電や日用品の購入に大いに役立ちます。
夫婦それぞれの名義で証券口座を開設する必要はありますが、優待額を倍にする方法としては有効です。
【PR】NTTデータグループ運営!HOME4U
株主優待目的で投資することの注意点
ビックカメラのように実用性の高い株主優待は魅力的ですが、「優待があるから安心」とは言い切れません。株式投資には元本保証がないため、株価の変動リスクが伴うからです。
実際、ビックカメラの株価は2025年だけを見ても大きく動いています。1354円で取引された日(2025年4月7日)もあり、2025年7月上旬の1700円前後と比較すると、わずか数ヶ月で株価が3万5000円近く(100株あたり)変動しているのです。
100株を購入して年間3000円分の優待を受け取れたとしても、その間に株価が大きく下落していれば、トータルで見れば損してしまいます。
逆に値上がりすることもあるため一概には言えませんが、あくまで株主優待は“おまけ”であり、価格変動リスクの存在を忘れてはいけません。
さらに注意したいのが、株主優待制度そのものが将来的に廃止・改悪される可能性があるという点です。ここ数年だけを見ても優待制度の見直しを行う上場企業が多くあり、「ずっとこの条件で優待がもらえる」とは限りません。
株主優待を目的に株を購入する場合も、「価格が下がる可能性がある」「優待内容が変わる可能性がある」という前提のもとで、無理のない範囲で投資することが大切です。
ビックカメラの優待は家計の味方、でもリスクも忘れずに
ビックカメラの株主優待は、100株17万円前後の投資でも年間最大5000円分のお買い物券が受け取れる、比較的初心者にも始めやすい制度です。夫婦でそれぞれ100株を保有すれば優待を2倍にすることもでき、家計にとっては大きなメリットとなるでしょう。
ただし、株式投資には価格変動のリスクがあり、優待だけを目的に投資すると損失を被る可能性もあります。また、将来的に制度が変更・廃止される可能性もゼロではありません。優待の魅力とリスクの両方を理解したうえで投資を考えることが大切です。
出典
ビックカメラ株主・投資家情報サイト 株主優待制度
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

