SNSで「キルフェボンの株主優待が神すぎる」いう投稿を見ましたが、同社は「非上場」で株の購入は不可ですよね? 他の会社が“株主優待”とするのは問題ないのでしょうか?
ところがその後、コミュニティノートなどで「キルフェボンは非上場。この株主優待はソフィアホールディングスという会社のもの」と、実際の優待元はまったく別の企業であることが判明しました。
本記事では、自社と関係のない商品を株主優待にすることは可能なのか、キルフェボンの株主優待目当てで購入するのはアリなのかなどについて解説していきます。
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SNSで話題の「キルフェボン株主優待」とは?
話題の投稿では、フルーツタルトで有名な「キルフェボン」のギフトカードが株主優待としてもらえるという内容が紹介されていました。100株を保有するだけで、半年ごとに3000円分のギフトカードが届くという好条件に、多くの人が「いいね」で反応しました。
しかし、投稿後に、コミュニティノートなどで「キルフェボンは非上場。この株主優待はソフィアホールディングスという会社のもの」と情報の訂正が行われました。
実際にこの優待を提供しているのは、医療・インターネット・通信事業などを手がける「株式会社ソフィアホールディングス」です。
株式会社ソフィアホールディングスは、株主優待制度の導入の目的にて「キルフェボン株式会社様、その他協力企業様のお力添えをいただけることとなり、上記目的に資する株主優待制度を導入することを決定いたしました」と発表しています。
つまり、あくまでソフィアホールディングスの株主優待の中身としてキルフェボンのギフトカードが採用されただけであり、キルフェボンそのものの株ではないのです。
他社の商品を株主優待にすることは可能?
株式会社ソフィアホールディングスは、なぜキルフェボン株主会社の商品を優待として提供できるのでしょうか。
基本的に株主優待は、自社製品や自社サービスを優待とすることが主流ですが、企業の株主優待制度には法的な制限はほとんどなく、企業は自社製品に限らず、外部と提携して他社商品を優待に組み込むことができます。
今回のように、人気ブランドのギフトカードを用いることで、投資家の注目を集める効果も期待できるため、企業の戦略として行われることもあります。
実際にキルフェボンの優待目当てで株を買うのはアリなの?
実際に株式会社ソフィアホールディングスの株を、「キルフェボン」の優待目的で購入するのは良い選択なのでしょうか。株式会社ソフィアホールディングスの株主優待内容は、100株以上の保有で3000円分のキルフェボンギフトカードを受け取れるというものです。
まず注意すべきは、ソフィアホールディングスの本業は医療・インターネット関連事業であり、飲食業とは無関係という点です。そのため、ギフトカードの提供は恒久的なものではなく、将来的に廃止・変更される可能性もあります。
さらに、株主優待はあくまで企業の裁量によって実施される制度であり、業績や経営方針の変化によって簡単に見直しが行われることもあります。
そのため、「優待内容が魅力的だから」という理由だけで投資を判断すると、思わぬリスクを抱えることもあるため、慎重に判断しましょう。
企業の株主優待は仕組みを理解して賢く活用を
株主優待は企業からのお礼であり、株主との良好な関係構築や投資家層の拡大を目的に設けられる制度です。
優待だけで判断するのではなく、企業の事業内容や成長性など、根本的な価値を見極めて、投資の判断を行いましょう。
出典
株式会社ソフィアホールディングス 株主優待制度
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
