50代になってから「月10万円」NISAで投資するといくらになる?65歳まで積み立てれば老後の資金には足りる?

配信日: 2025.07.28
この記事は約 4 分で読めます。
50代になってから「月10万円」NISAで投資するといくらになる?65歳まで積み立てれば老後の資金には足りる?
子育ても落ち着いたタイミングで、老後に向けてNISAを始めたいと考える人もいるでしょう。NISAはうまく活用すれば、50代からでも定年後に向けた資金作りが可能です。ただし、NISAの特徴を理解し、無理のない範囲で投資をすることも必要でしょう。
 
今回は、NISA制度の概要や積立金額の例、老後の生活費に足りるかなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

NISA制度とは

NISA(少額投資非課税制度)は、18歳から利用でき、一定の条件のもとNISA口座で投資した金融商品から得られる運用益が非課税になります。通常、投資によって運用益には20.315%の税金がかかります。
 
しかし、NISA制度を活用することでこの課税分が引かれなくなるため、運用による手取りはさらに多くなる点がメリットです。
 
例えば、もし通常の投資で10万円の運用益が出ると、2万315円の税金がかかるため、実際の手取りの収益は7万9685円になります。しかし、NISAを利用すると税金が引かれず、10万円をそのまま収益とできます。
 
金融庁の「NISA特設ウェブサイト NISAを知る」によると、NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があり、それぞれの特徴は表1の通りです。
 
表1

つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有限度額(総枠) 成長投資枠と合わせて1800万円 1200万円(内数)
投資対象商品 金融庁が定める基準に該当する一定の投資信託のみ 上場株式や投資信託など


出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト NISAを知る」を基に筆者作成
 
投資に慣れていない人は、金融庁の基準をクリアした投資信託のみが対象となるつみたて投資枠を利用するとよいでしょう。一方で、より幅広い種類から選びたいときは、成長投資枠が向いています。
 

50代で毎月10万円投資するといくらになる?

今回は、年率3%、5%、7%の利回りで投資をした場合に、それぞれいくら積み立てられるかの目安を比較しましょう。なお、50歳から月10万円でNISAを利用し始め、65歳まで積み立てることとします。
 
条件を基にした場合、15年後の各利回りにおける積み立てた金額の目安は以下の通りです。

●3%:2270万円(うち収益470万円)
●5%:2673万円(うち収益873万円)
●7%:3170万円(うち収益1370万円)

3%の利回りで投資をしても、2000万円以上の積み立てはできるという試算です。ただし、実際の投資は状況によって元本が減るリスクもあります。特に利回りが高いほど元本割れのリスクも高くなるとされているので、投資をするときはそうしたリスクも踏まえたうえで投資する商品を決めるようにしましょう。
 

老後の生活費には足りる?

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上かつ単身世帯で無職の人の場合、1ヶ月の平均実収入は13万4116円でした。対して、1ヶ月の平均消費支出は14万9286円、非消費支出は1万2647円のため、支出に対して収入は月に2万7817円足りない計算です。
 
不足分は貯金などの積み立ててきたお金から補うことになるでしょう。もし平均額通りの家計収支であるとすると、1年間で必要な貯金は33万3804円です。もし2000万円あったとすると、約59年は持つ計算です。そのため、月10万円の投資であれば50歳からでも十分老後に向けた貯金はできるといえるでしょう。
 
ただし、50代で無理をして投資に給料を回すと、定年になる前に生活が苦しくなる可能性もあります。老後の資金作りも大切ですが、自分の生活に影響が出ない範囲で行うことも重要です。
 

月10万円の投資なら50代からでも2000万円積み立てられる可能性がある

NISA(少額投資非課税制度)は、一定の条件のもと運用益を非課税のまま保有できる制度です。年間投資枠はつみたて投資枠の場合で最大120万円なので、月10万円まで投資できます。
 
もし月10万円を15年間利回り3%で積み立てると、2270万円を積み立てられる試算です。老後に必要な金額を考えると、50代からでも十分な老後資金は作れると考えられます。
 
ただし、投資なので実際の収益は変動する可能性があります。また、投資のために無理をして資金を捻出すると、自身の生活に影響が出る場合もあるので、無理のない範囲でNISAを活用するとよいでしょう。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問