子どものためにNISAで「月2万円」積み立てたい! 利回り「3%・5%」で20年後の資産はいくらになりますか? 子どもに渡すと“税金”がかかるでしょうか?
2024年からスタートした新しいNISA制度においては、「つみたて投資枠」を使って、コツコツと非課税で投資信託などに投資することが可能です。一方で、そうして積み上げた資産を将来子どもに渡す場合、贈与税がかかる場合もあるのをご存じでしょうか。
本記事では、月2万円ずつNISAで積み立てるとしたら、20年後にはどのくらいの金額になっているのか、その資産を将来子どもに渡す際には贈与税がかかるのかについて、解説します。
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目次
新NISA制度とは?「つみたて投資枠」のポイント
2024年から始まった新しいNISA制度では、以前の「つみたてNISA」「一般NISA」が「新NISA」として一本化され、その中に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の枠が作られました。
新しいNISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠で合計1800万円までが非課税保有限度額となり、さらに、非課税保有期間が無制限、年間投資枠の拡大など、より使いやすい制度となっています。
月2万円を20年間積み立てたらいくらになる? 利回り別でシミュレーション
例として、毎月2万円を20年間積み立てたケースについて考えてみます。損失も利息もゼロであれば480万円が貯まっていることになります(2万円×12ヶ月×20年)。
一方、NISAの「つみたて投資枠」でうまく利回りを活用できれば、資産を増やせる可能性があります。年平均利回りが3%と5%のそれぞれの場合で、20年後にはいくらくらいの資産になっているか試算した結果、以下のようになります。
●年平均利回り3%:約655万円(対投資額+175万円)
●年平均利回り5%:約815万円(対投資額+335万円)
なお、これらはあくまでもシミュレーションにすぎません。NISAには元本割れのリスクもありますので、その点は認識しておく必要があります。
とは言え、長期・分散投資を継続することで、資産を安定的に増やせる可能性は十分にあります。
子どもにその資産を渡すと、贈与税がかかる?
NISAでは、売却益や分配金にかかる税金が全て非課税になるため、税金がかからないお得な制度として広く知られています。
ただし、非課税なのはあくまで「自分で得た利益」であり、そのお金を「子どもに渡す」際には贈与税の課税対象となる場合があります。
贈与税の税率は贈与金額によって変わりますが、課税対象となる場合、例えば800万円を18歳以上の子に贈与するケースでは約117万円の贈与税を子が支払わなければなりません。
贈与税を回避・軽減する3つの方法
このように、親子間であっても場合によっては贈与税の対象となりますが、渡し方を工夫することで、贈与税の課税を避けたり、軽減したりすることが可能です。子どもに贈与をする際に、贈与税を回避・軽減するために検討したい3つの方法を見ていきましょう。
年間110万円以内で計画的に渡す
贈与税には年間で110万円の基礎控除が設けられています。そのため、この範囲内で数年に分けて子どもに渡せば、基本的には贈与税の課税対象にはなりません。ただし、定期贈与と見なされないように注意は必要です。
扶養中の子どもの生活費や学費として活用する
親の扶養下にある子どもへの生活費や学費のための贈与については、社会通念上妥当とされる範囲なら非課税です。
なお、贈与したお金は確実に生活費や学費に使う必要がありますので、子どもが他の目的に使用することがないよう、注意しておきましょう。
教育資金の一括贈与非課税制度を活用する
「教育資金の一括贈与非課税制度」を使えば、最大1500万円まで非課税で贈与が可能です。利用には金融機関での専用の手続きが必要ですが、大学入学や留学などのタイミングに適しているでしょう。
まとめ
新しいNISA制度を活用すれば、月2万円の積み立てでも、20年後には数百万円規模の資産を築くことも不可能ではありません。NISAで得た運用益は非課税で手に入りますが、「子どもに渡すとき」に贈与税がかかるリスクがあることも知っておきたいポイントです。
計画的に積み立て、賢く引き継ぐ工夫をすることで、子どもに税金の負担をかけず、しっかりと将来を支援することができるでしょう。
出典
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
