おいしい金融商品はないことを認識すべき
配信日: 2017.09.25 更新日: 2019.01.08
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
考えてみよう。増益を続ける企業VS財布が潤わない私たち
そもそもどうしてこんなに超低金利なのでしょうか。それは意図的に国が超低金利に誘導しているからですが、ではどうして?皆さんは臨時収入が入ったときに、さぁ買い物といってお金を使うでしょうか?
以前に比べてその行動に出ない人のほうが圧倒的に増えていると思います。また価格比較サイトが人気であることからも、会社は値上げがしにくい状況になっています。モノの値段があげえられない時代です。
企業は本来人により多くの自社のモノやサービスを買ってもらって収益を出す。そしてその収益を従業員に給与や賞与として還元し、収入が増えた消費者がお金を使うという循環で国の経済は成長していきます。この循環が今は形成されず、企業はコスト削減で収益を出し、それは従業員の給与・賞与を非正規社員の採用によって削減した効果なので、企業収益は増加するけれど、一般消費者は潤わないというアンバランスが生じています。
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リスクフリーでほどほどもうかる商品はもう現れない
このアンバランス(一般消費者に豊かになったという実感がない)を是正するために、国は超低金利を続けています。金利を下げれば、「住宅を購入しようか」とか「借金して何かを買おうか」という気なるかということです。
しかし、国のその思惑は現実に結び付いていません。消費が盛り上がらないのです。それはどうしてでしょうか。将来不安があるからだと思います。「今借金して住宅を購入したら老後の生活が立ち行かなくなるかも」「年金受給額はもっと減額するという話だし」となれば、財布のひもは自ずと締まります。そう考えれば、ほとんど半永久的に低金利を解除することができないということになります。
超低金利が解除できないとなると、昔のような「リスクがほとんどなくてちょっとだけ儲かる」かつての国債のような金融商品が現れることはないということになります。