もし10年前に「任天堂株」を100万円買っていたら、今いくらになっている? 過去10年の“値上がり要因”もあわせ、「配当+株価」でシミュレーション

配信日: 2025.08.21
この記事は約 3 分で読めます。
もし10年前に「任天堂株」を100万円買っていたら、今いくらになっている? 過去10年の“値上がり要因”もあわせ、「配当+株価」でシミュレーション
「株で何百万円もうかった」という話を聞いても、自分には関係ないと思う人は多いかもしれません。任天堂の株は、Nintendo Switchのヒットや円安効果でここ10年間で劇的に成長しました。もし2015年に100万円投資していたら、今どれくらいになっていたのでしょうか?
 
本記事では株価と配当の観点から、初心者向けに丁寧にシミュレーションします。
古澤綾

FP2級

10年前の投資でどれくらいになった?

任天堂の株価は、2015年3月に1万7675円だった終値を、2022年に実施された「1株→10株の株式分割」で割り戻すと、調整後の株価は約1770円となります。この数値を基点にシミュレーションを行っていきます。
 
当時は100万円で約565株購入できた計算です。2025年8月6日の終値で、株価は1株あたり1万3480円です。したがって当時100万円で購入できた565株は、株価だけで約761万円に膨らんでいます。その後の株式分割により株数が増えていた場合、評価額はさらに大きくなる可能性があります。
 
なお、株式分割とは、1株を複数株に分割することで投資家が保有する株数を増やし、売買しやすくするための企業施策です。任天堂は、2022年に1株を10株に分割しました。この場合、株価は理論的に10分の1になりますが、株主の持つ総資産価値は変わらず、取引単位が細かくなることで投資しやすくなります。
 

配当金込みのトータルリターンは?

任天堂は業績に応じた配当を実施しており、2025年3月期の年間配当は1株あたり120円(中間35円+期末85円)、2026年3月期の予想年間配当は129円とされています 。配当利回りはおよそ1.0%です。
 
過去10年間、平均して年120円前後と仮定すると、565株で年間約6万7800円前後の配当収入を得られた計算です。10年合計で約68万円の配当収入が得られた可能性があります。株価と配当を合わせると、初期投資100万円が約829万円に成長した計算です。
 
配当金は企業の業績によって変動しますが、任天堂はNintendo Switchの大ヒット以降、利益に応じて安定した配当を続けてきました。投資でリターンを得るには、株価の上昇と配当の両方を意識することが大切です。
 
なお、先ほどの試算には売却益や配当金にかかる税金、売買手数料などは含まれていません。また、配当額は年度ごとに変動し、株式分割や為替変動の影響も考慮していないため、あくまで過去実績に基づいた概算です。将来も同様のリターンが得られるとは限らない点には、注意が必要です。
 

任天堂株の値動き要因とは?

株価は企業の業績や成長性、投資家の期待に大きく左右されます。任天堂株の過去10年の値上がりには、いくつかの要因があります。
 

・新ハードの成功:2017年発売の「Nintendo Nintendo Switch」が世界的に大ヒットし、業績が急拡大しました
 
・円安の追い風:為替が円安になると、海外で稼いだ利益が円換算で増えるため株価にプラス要因となります
 
・配当や自社株買い:利益還元策としての安定した配当が投資家から評価されました

 
一方、ゲーム業界はトレンドの変化が激しく、次世代ハードの販売動向や競合の影響を受けやすい面もあります。株価は日々のニュースや市場心理にも敏感に反応するため、投資時には中長期的な視点を持つことが大切です。
 

まとめ

任天堂株を10年前に100万円分購入していれば、2025年8月時点で株価と配当を含めて約800万円以上になった可能性があります。ただし、これは過去のリターンに基づく計算であり、今後の伸びを保証するものではありません。
 
投資を検討する際には、業績、配当方針、為替、手数料などを総合的に判断し、中長期視点で冷静に構えることが大切です。
 

出典

任天堂株式会社 IR情報 株式情報 配当
 
執筆者 : 古澤綾
FP2級

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問