祖母にもらった「金の指輪」。2025年と10年前で“価値”はどれだけ変わった? たった「5グラム」が“倍以上”になった背景とは
では、10年前と現在を比べると価値はどのくらい変化しているのでしょうか。本記事では、金の指輪を例に価格の推移を確認しながら、その資産性を考えていきます。
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家族から受け継いだ金のアクセサリーに資産価値はあるのか
金は、古くから世界的に「安全資産」として扱われてきました。株式や不動産のように景気に左右されやすい資産と異なり、通貨や国の信用に直接依存しないため、世界中で広く価値が認められています。
日本では、結婚指輪や装飾品として身につける文化があり、冠婚葬祭など人生の節目で金が用いられることも少なくありません。そうした背景から、祖父母や両親が所有していたアクセサリーを、子や孫へと譲り渡す習慣も見られます。
金の指輪やネックレスは、思い出だけでなく「財産」としての意味を持ち、保有することで心の安心にもつながります。
また、金のアクセサリーを持ち続けるメリットは、価値が大きく目減りしにくい点にあります。相場は変動しますが、長期的に見れば価格は上昇してきた実績があり、保有するだけで資産形成に役立つ可能性があるのです。
5グラムの金の指輪、10年前と今でいくら変わる?
金価格の違いを5グラムの指輪で比較すると、変化が一目でわかります。
図表1
| 年 | 金小売価格 (税込、1グラムあたり) |
5グラムの指輪の価格 |
|---|---|---|
| 2015年 | 4518円~5383円 | 2万2590円~2万6915円 |
| 2025年(1月~7月) | 1万4766円~1万7858円 | 7万3830円~8万9290円 |
筆者作成
2015年に2万2590円~2万6915円だった5グラムの指輪の価格は、2025年には7万3830円~8万9290円にまで値上がりしています。倍率にすると約2.7倍~4.0倍、差額は4万6915円~6万6700円です。
祖母から譲り受けた指輪をそのまま持っていた場合、当時より数倍の価格で評価されることになります。金は利息や配当を生まない資産ですが、保有しているだけでこれほどの差が出るのは大きな特徴です。ただし、相場によっては購入時より下がることもある点には注意が必要です。
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金価格が上昇している背景
金が長期的に価格を伸ばしている、おもな要因は以下の5つです。
・世界的なインフレで通貨の価値が下がり、金への需要が高まっている
・国際情勢の不安定さから、リスク資産から金へ資金が移動している
・供給量が限られ、需要増で価格が上昇しやすい
・低金利が続き、利息を生まない金の魅力が相対的に高まっている
・「いざという時に強い資産」としての安心感から、投資家に選ばれている
このように、経済環境や金融政策、さらに投資家心理までが複合的に作用し、金の需要を押し上げています。その結果、価格は長期的に上昇基調を維持しているのです。
金のアクセサリーは資産価値を見直すきっかけになる
祖母から受け継いだ指輪を見直すことは、思い出を振り返るだけでなく、自分や家族の資産を考える機会にもなります。「古いから価値がない」と思われがちなアクセサリーでも、金という素材は時代を超えて価値を高めています。
2015年と2025年を比較すれば、わずか5グラムで4万円以上の差が生まれていることからも、その資産性は明らかです。
売却して現金化すれば生活の助けになり、保有を続ければ将来さらに価値が高まる可能性もあります。装飾品として楽しみながら資産としての安心感も得られる点は、ほかの金融商品にはない特長といえるでしょう。
金のアクセサリーは「思い出の品」であると同時に、資産を見直すきっかけにもなります。
出典
田中貴金属工業株式会社 金価格推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
