「NISAとiDeCo」は何が「違う」の? 50代から始めるなら「おすすめ」はどっち?
そこで本記事では、NISAとiDeCoの違いや基本のしくみ、50代からスタートする際に気を付けたいポイントなどについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
NISAとiDeCoはどこが違う?基本のしくみを分かりやすく解説
NISAは運用益が非課税で、2024年から非課税保有期間が無期限になりました。
年間投資枠はつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で合計360万円、生涯の非課税保有限度額は1800万円です。売却した商品の簿価分は翌年以降に枠を再利用できます。50代は長期で持ちながらも柔軟にリバランスしたい場面が多く、この「無期限」と「簿価ベースでの枠再利用」が使いやすさにつながります。
iDeCoは掛け金が全額所得控除になるため、その年の所得税と翌年の住民税が軽くなります。運用益も非課税で、受け取りは一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象です。原則60〜75歳で受け取るルールのため、50代では「受給開始までの年数」と「退職金との重なり」を同時に考える必要があります。
50代からスタートするなら気をつけたいポイントとは
50代からの資産運用は、時間が限られる分、リスク管理と現実的な目標設定がとても大切です。
例えば、30年運用と比べて期間が短いと複利の力が弱くなるため、運用による増加は控えめになります。50代からの10年運用では、元本360万円に対して約419万円という例もあります。このように、早めにスタートしてもしっかり増やせるわけではないため、堅実な運用と投資商品を選ぶ重要性が増すといえるでしょう。
また、iDeCoは老後資金準備に向く制度ですが、原則として60歳まで引き出しできず、掛け金停止も制限があるため柔軟性は低い点には注意が必要です。
NISAとiDeCo、どう使い分ければよい? 50代に合った選び方
50代にとって制度を効果的に活用するには、以下の観点で考えるとよいでしょう。
(1)流動性を重視するならNISA
将来の住宅資金や子どもへの教育費、急な出費に備えたい場合は、いつでも引き出せるNISAのほうが柔軟に対応できます。
(2)節税と老後資金を両立したいならiDeCo
掛け金が全額所得控除されるiDeCoは、税金が高い人ほど節税効果が大きいです。加えて老後まで積み立てが続くため、強制的に資産形成ができるメリットもあります。
(3)併用でバランスをとる
余裕があれば、NISAで流動性を確保しつつ、iDeCoで節税と老後の備えを確立するのが理想的です。具体的には、まずNISAを使って運用経験や資産形成に慣れてから、余裕資金でiDeCoを始めるとよいでしょう。
まとめ
NISAは自由に引き出せる安心感があり、資産運用の経験を積むのに向いています。一方で、iDeCoは節税効果が大きく、老後資金を計画的に準備したい人に適しています。どちらも特長が異なるため、将来の生活設計や資金の使い道に合わせて選ぶことが大切です。
50代からでも、無理のない範囲で始めれば十分に効果を得られる可能性があります。まずはNISAで運用を試しつつ、余裕があればiDeCoも活用するなど、自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
