もし「iPhone発売前」に、Apple株を“100万円分”持っていたら…今いくらになっていた? 20年前の株価と比べてみた
ところが、20年前にはiPhoneもiPadも存在していません。今やスマホやタブレットが当たり前に使われるきっかけを作ったこの20年間で、Appleの株価はどれほど値上がりしたのでしょうか。
本記事では、2005年に100万円を投資した場合と、2007年にiPhone発表をきっかけに投資した場合の2つのシナリオを検証してみます。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
20年間でAppleの株価は約180倍に成長!
2005年9月時点(始値)でAppleの株価は1株1.68ドルで、後記しますが当時から現在までに28分割しているので、現在の価値にすると47.04ドルです。当時の為替は1ドル=110円程度だったので、100万円をドルに換算すると約9091ドルで、約193株を購入できた計算です。
その後、Appleは2度の株式分割(2014年に7分割、2020年に4分割)を行っており、当時の193株は分割後に5404株へと増加しています。2025年8月の株価(終値)は232.14ドルなので、評価額は約125万4485ドル─約138倍になったのです。
さらに、最近は円安・ドル高が進んでいます。現在の為替を1ドル=148円とすると、約125万4485ドルは現在のレートで約1億8566万円です。20年間で約186倍になるという大きな成長をしていることが分かります。
2007年iPhone発表時に100万円投資していたら?
では、初代iPhoneが発表された2007年1月9日のタイミングで投資していたらどうでしょうか。この日の株価(終値)は現在の価値にすると92.68ドル、為替は1ドル=119円でした。100万円をドルに換算すると約8403ドルで、約90.7株を購入できたことになります。
その後、同様に分割を考慮すると、90.7株は2540株に増加─2025年8月の株価232.14ドルで計算すると、評価額は約59万ドル、円換算では約8726万円にまで成長しています。
つまり「iPhoneが世界を変えるはず」と思ってAppleに投資できた人は、大きな資産を手にできたことになるのです。
もっとも、Apple株の歩みは順風満帆だったわけではありません。2008年のリーマンショックなどでは、一時的に大きく値を下げています。さらに、新型iPhoneの発表が市場の期待を下回ったと受け止められ、短期的に株価が下落する場面もありました。
それでも長期的に見れば、iPhoneやサービス事業の拡大が株価を押し上げ続けています。短期的な下落に動揺せず、「Appleの可能性は続く」と信じて持ち続けた投資家が、最終的に大きな果実を手にしたのです。
“未来を信じる投資”が大きな成果を生む
Appleの驚異的な成長は、iPhoneという世界を変えるイノベーションを信じて投資した人に、大きなリターンをもたらしました。
ただし、こうした成功企業を事前に見極めるのは容易ではありません。多くの新製品や企業は途中で伸び悩み、Appleのように世界を制するケースはごく一部に限られます。
そこで現実的な方法として、アメリカを代表する500社にまとめて投資できるS&P500のような投資商品は有効です。これは、専門家が選んだ企業群で構成されており、1社ごとのリスクを分散しながら、アメリカ経済全体の成長に乗ることができます。
まとめ
Appleはこの20年間で、ドル建てで150倍近くに成長しており、Appleの可能性を信じた投資家に大きな利益をもたらしています。20年後に世界がどう変わるかを予想することで、次の20年間同じように成長する会社を見つけられるかもしれません。
個別株を自分で選ぶにしても、投資信託でプロに任せるにしても、共通するのは未来を信じる姿勢です。短期的な下落に揺さぶられながらも、信じて投資を続けることが、大きな成果をつかむ第一歩となるのです。
出典
Apple Newsroom アップル、iPhoneで携帯電話を再定義
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
