52歳で「今からNISAなんて…」という会社員。「月4万円・年率3%」で運用すると、定年時にはいくらになる? 65歳までの“運用益”を試算

配信日: 2025.09.18
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52歳で「今からNISAなんて…」という会社員。「月4万円・年率3%」で運用すると、定年時にはいくらになる? 65歳までの“運用益”を試算
2024年から新制度が始まり、NISA制度が話題となることが多いですが、子育てを終えた世代の人の中には「NISAに興味はあるが今からでは遅いのかな?」と考える人もいるのではないでしょうか。
 
しかし、老後資金づくりは思い立ったときが始めどきです。では、52歳から定年の65歳まで、月4万円を年率3%で運用した場合、どれくらいの資産が作れるのでしょうか。投資のリスクも含めて本記事で解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

52歳からでも遅くない! 月4万円×13年でいくらになる?

52歳から65歳までの13年間に、月4万円をコツコツ積み立てた場合、元本は合計624万円となります。普通預金や定期預金でも利息がつくものの、貯金の場合は624万円からあまり変わらないと考えて良いでしょう。
 
一方、NISAを使って年率3%で運用すると利益は138万円となり、最終的には約762万円まで増えます。通常は運用益の約20%に税金がかかりますが、NISAを使えば非課税です。
 
この138万円の増加は「投資をしたことによるリターン」であり、13年という比較的短期間でも積み立ての効果がはっきりと表れます。
 

3%の根拠とリスク

では、3%というリターンは、どのように実現できるのでしょうか。参考になるのが、年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の考え方です。
 
GPIFは「過去30年投影ケース」の期待利回りを、国内債券は0.5%、外国債券は2.2%、国内株式は4.8%、外国株式は5.4%としています。これらを均等に組み合わせた場合の期待リターンは約3.2%です。
 
つまり、この4資産に均等に投資することで、3%前後のリターンが期待できます。とはいえ、「これまで投資をしてきていない人には難しいのでは?」と思うかもしれません。
 
こういったときに有効なのが投資信託を使った投資で、各証券会社は「4資産均等型」の商品を販売しています。これを購入することで、誰でも平均的に3%前後のリターンを狙えるのです。
 
ただし、「元本割れのリスク」には注意が必要です。仮にリーマンショックのような世界的な金融危機が起これば、一時的に資産が減少することがあります。特に、投資する資産が「65歳になったら必ず使う予定のお金」であれば、必要なときに相場の暴落に直撃するリスクがあるため慎重な判断が必要です。
 
一方、「65歳以降にいつか使う」というスタンスであれば、事情は異なります。仮に定年のタイミングで大きく下がったとしても、その後の回復を待てるからです。
 
なお、65歳時点で762万円になっていた資産をそのまま年3%で運用すると、70歳には883万円、80歳には1187万円まで増やせます。このように20年後、30年後を見据えるのであれば、50代からのNISA投資はより有効になるのです。
 
安心して投資をしたいのであれば、始める前に退職後のライフプランを考え、「使う予定が決まっているお金」と「何かあったときのための余剰資金」を確保しましょう。その上で「長期的に使う予定がない資金」を投資に回すことで、リターンとリスクのバランスが取れた運用ができるのです。
 

まとめ

52歳からでも月4万円を積み立てれば、定年の65歳に約138万円のプラス効果を期待できます。3%のリターンは現実的な数字であり、投資信託を使えば知識がなくても実現可能です。
 
ただし、暴落リスクや元本割れの可能性はあるため、「いつ使うお金か」を明確にして計画を立てることが重要になってきます。老後資金を増やす方法として、52歳からでもNISAを始める価値は十分にあるといえるでしょう。
 

出典

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて~詳細~
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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