55歳で「貯蓄1000万円」の会社員です。株価が“最高値更新”と聞き資産運用したいのですが、妻は「貯金が安心」と言います。実際どちらが“正解”ですか?

配信日: 2025.09.22
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55歳で「貯蓄1000万円」の会社員です。株価が“最高値更新”と聞き資産運用したいのですが、妻は「貯金が安心」と言います。実際どちらが“正解”ですか?
50代半ばを迎えると、老後資金づくりは目前の課題になります。
 
特に2025年9月、日経平均株価が史上最高値を更新するというニュースに触れると、「今こそ資産運用を始めて増やすべきでは」と考える一方で、「大切な貯蓄を減らしたくない」と慎重になる気持ちを抱く人もいることでしょう。貯蓄1000万円を運用すべきか守るべきか、どちらが正解なのでしょうか。
 
本記事では、運用と貯蓄それぞれのメリット・リスクを試算しながら、老後に向けた資産の持ち方を解説します。
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株価最高値で運用すべき? メリットとリスク

2025年9月12日に日経平均株価は終値で4万4768円と3日連続で史上最高値を更新、連休明けの9月16日には終値で4万4902円とさらに最高値を更新しました。ニュースを見て「この波に乗りたい」と考える人も多いでしょう。
 
仮に1000万円を年利3%で運用した場合、複利計算では10年後に約1344万円になります。これは、インフレによる最近の物価上昇率を上回り、資産を実質的に守ることができる水準です。ただし、投資には値下がりリスクがつきものであり、特に最高値圏で投資を始めると「高値づかみ」になる懸念もあります。
 

貯蓄で守る安心感とその落とし穴

預金のメリットは、元本が保証されている点です。銀行や信用金庫に預けたお金は、万一の破綻時にも預金保険制度(ペイオフ制度)により、1金融機関あたり元本1000万円とその利息まで保護されます。このため、大切な老後資金を「減らしたくない」人にとって、預金は安心できる資産の置き場所といえるでしょう。
 

インフレによる実質的な目減りリスク

一方、低金利が続く日本で利息収入はほとんど期待できません。仮に年2%のインフレが10年続くと、1000万円の価値は実質的に約820万円に目減りします。
 
つまり、額面は減っていなくても、実際に買える物の量は少なくなるという状況です。特に医療費や食料品など生活必需品が値上がりすると、老後の生活水準に大きな影響を与えかねません。
 

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投資か貯蓄かではなく、両立でリスクを抑える

老後資金の管理は「投資するか、貯蓄するか」という二者択一ではありません。両方を組み合わせることでリスクを抑えつつ、資産を守り育てることができます。投資で増やす部分と、貯蓄で守る部分を明確にして、リスクを分散しましょう。
 

資産の3層構造で考える

金融資産は大きく「生活資金」「安定資産」「成長資産」の3層に分けて考えるのがおすすめです。

生活資金:当面の生活費。普通預金など流動性の高い資産に置く。
安定資産:定期預金、個人向け国債、社債など。大きな変動リスクを避けつつ資産を守る。
成長資産:株式や投資信託など。長期的にインフレに負けないリターンを狙う。

例えば、1000万円を「生活資金300万円」「安定資産400万円」「成長資産300万円」と分ければ、安心と成長の両立が可能です。
 

少額からでも投資を取り入れる

まとまった金額を投資に回すのは不安という場合でも、少額から始められます。例えば、NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、毎月1〜3万円程度の積立でも非課税で長期運用が可能です。時間を分散することで価格変動リスクを抑える「ドルコスト平均法」が働き、相場の高低に左右されにくくなります。
 

夫婦で意見が分かれるときの解決法

夫婦で「投資したい」「貯蓄したい」と意見が分かれるのは自然なことです。その場合は、資産を分けてそれぞれの方針で管理する方法もおすすめです。例えば、1000万円のうち夫が300万円を投資に回し、妻が700万円を安全資産で運用するといった具合です。こうすれば互いの価値観を尊重しつつ、家庭全体としてのバランスを取ることができます。
 

大切なのは「投資か貯蓄か」ではなくバランス

「運用か貯蓄か、どちらが正解か」という問いには、唯一の答えはありません。大切なのは、夫婦の価値観や老後までの期間を踏まえて、資産を守りながら増やしていくことです。生活費の確保、安全資産での防御、そして成長資産での攻めをバランスよく組み合わせることで、不安を減らし、老後資金を準備しましょう。
 

出典

総務省 2020年基準 消費者物価指数 東京都区部2025年(令和7年)8月分(中旬速報値)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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