株価、日経平均が2万円を挟んだ動きになるのは?

配信日: 2017.09.26 更新日: 2019.01.08

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株価、日経平均が2万円を挟んだ動きになるのは?

お客様からよく受けるご質問の1つに「日経平均が2万円を大きく突破しないのはどうしてか?」「2万円に近づくと利益確定売りにおされる」というものがあります。今回はこの点について検証したいと思います。
柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

 

指標からみると2万円は居心地のいい水準

 
株が上昇しすぎているのか、まだ上昇余地があるのかを判断する指標としてPER(株価収益率:利益の何倍まで買われているか)を使います。過去10年間の平均でだいたい13~16倍の水準で日本株は推移していますが、2017年9月19日現在で14~16倍となっています。

この数値からだけで判断すると、2万円の壁が厚いのは理論的にも納得できる、つまり2万円がいいところ、といえるでしょう。その水準を超えての上昇が見込まれるためには、株価=利益×PERという式の構造から考えても、利益水準そのものが上昇しなければなりません。

 

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どうしても日本株は為替頼り

 
利益伸張の源泉ですが、現状の日本株では為替(円安)という範疇から抜けられないのが現状です。

あえて言うならば、コスト削減(特に人件費の圧縮)というのがあげられるかもしれませんが、増収はそれほど期待できない中、コストカットにより増収以上の増益率が「企業単位では」実現できたとしても、その企業の従業員の給与は増加しないので消費にお金を振り向けようという動きが出ない。消費が盛り上がらない、すなわち売上伸張が期待できない。という堂々巡りに陥っているのです。
 

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「増益」ではなく「増収増益」が株価の持続的上昇の原動力

 
このような状況から、日本株が2万円という厚い雲をぶち破ってさらに上昇することが期待しにくいのではないでしょうか。消費が盛り上がる、消費者がお金を使う、企業はコストカットではなく、増収増益によって収益を伸ばすという将来図が見えない以上、日本株の2万円天井説は崩れないと思います。

よく外国人投資家の買いが入らないという「需給面での現象」だけを取り上げて日本株の上昇力の弱さを説明しようとしますが、外国人投資家がなぜ買いという行動に出ないのか、という根本的な原因と向き合うべきです。

人口減少というトレンドが反転することがあり得ない中、生産年齢人口=消費者数減少のマイナス面をカバーして増収につながるしくみに真っ向から取り組んで、「為替」という外的要因および日銀による買い支えという需給要因に左右される相場から卒業することを期待している投資家も多いと思います。

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