昼休みに「一風堂のラーメン」を株主優待券で食べる同僚。半年に“4杯分も無料”になるそうですが、株主になるためにはいくら必要ですか? 合計利回りは驚異の「約6.3%」!

配信日: 2025.10.04
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昼休みに「一風堂のラーメン」を株主優待券で食べる同僚。半年に“4杯分も無料”になるそうですが、株主になるためにはいくら必要ですか? 合計利回りは驚異の「約6.3%」!
昼休みに食べる一風堂のラーメンが、株主優待券で無料になるかもしれないとしたら、興味が湧く人も多いでしょう。同僚が優待券を使っているのを見て、「自分も株主になれるのかな?」と気になる人もいるかもしれません。
 
実際、一風堂のラーメンを株主優待券で食べるために必要な費用はどれくらいなのでしょうか? 本記事では、「一風堂」を運営する力の源ホールディングスの株主優待を手に入れるためにいくら必要なのか、どんなリターンがあり、どのような点に注意すべきかを解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

半年に4000円分の優待! 株主になるための必要金額は?

一風堂を運営するのは、株式会社力の源ホールディングスです。株主優待券を受け取るためには、最低100株を保有する必要があります。
 
2025年9月18日時点の株価は1株1548円です。株価は常に変動しますが、株主優待をもらうための最低投資額はおおむね15万5000円前後となります。
 
株主優待をもらえるのは、毎年3月末と9月末時点で100株以上を保有している株主です。優待券は一風堂のほか、IPPUDO RAMEN EXPRESS、一風堂 KAY、名島亭、因幡うどんといった同社が運営する飲食店で使えます。ラーメン以外にも選択肢があるのも魅力です。
 
株主優待券は毎年3月末日時点での株主には7月、毎年9月末日時点での株主には翌年1月と年2回贈られます。1年以上保有するともらえる優待券の額が増えるのが特徴で、例えば100株保有の場合は次の通りです。
 

・保有期間1年未満:お食事ご優待券2枚(2000円分)
・保有期間1年以上:お食事ご優待券4枚(4000円分)

 
一度手放してしまうと保有期間がリセットされてしまうことに注意が必要です。
 
1年以上保有した場合、年間で合計8000円分の優待が受け取れる計算で、投資額に対する年間の優待利回りは約5.2%となります。銀行の定期預金の利息が0.2%程度であることを考えると、大きな数字といえるでしょう。
 

配当金も! 合計利回りは驚異の約6.3%

力の源ホールディングスは、株主優待に加えて配当金も出しています。2025年3月期の年間配当実績は、1株あたり18円です。そのため、最低単元の100株を保有している場合、年間で1800円の配当金が受け取れた計算になります。
 
100株を1年以上継続して保有した場合の株主優待は年間8000円分なので、配当金と合わせると、株主が受け取れるリターンは合計で年間9800円相当です。投資額約15万5000円に対する総合利回りは約6.3%となり、これは個人投資家にとって非常に魅力的な水準と言えるでしょう。
 
ただし、この配当金が将来も必ず支払われるとは限りません。というのも、同社は「配当性向20%以上」という方針を掲げています。
 
これは、利益の20%を目安に配当を出すということを意味しており、業績が好調なときは配当も期待できますが、逆に業績が悪化すれば配当が減るのです。
 
実際に2021年3月期と2022年3月期には、配当が0円だった実績もあります。配当金は企業の業績次第で変動する可能性がある点は理解しておきましょう。
 

「高利回り」の裏に潜む注意すべきリスク

約6.3%という高い総合利回りは非常に魅力的ですが、その裏には株主優待を目的とした投資特有のリスクも知っておかなければなりません。
 
まず株主優待の制度が将来変更されたり、廃止されたりするリスクがあります。株主優待は法律で定められたものではなく、あくまで企業が任意で実施している株主還元策の1つです。そのため、業績の悪化や経営方針の転換などを理由に、優待の内容が縮小されたり、制度自体がなくなったりする可能性もゼロではありません。
 
さらに投資である以上、元本が保証されていない点は理解しておく必要があります。仮に15万5000円で買った100株の株価が20%下落した場合、損失額は3万1000円となり、1年分の優待と配当(9800円)を合わせた額を大きく上回ってしまうのです。
 
また、優待券には有効期限が定められていますし、そもそも生活圏内に対象店舗がなければ使えません。投資する前に、自分のライフスタイルに合っているかを確認しておくと良いでしょう。
 

まとめ

一風堂の株主優待券をもらうためには、力の源ホールディングスの株式100株が必要で、2025年9月18日時点での取得費用はおおむね15万5000円です。1年以上継続保有した場合、優待と配当を合わせた年間のリターンは9800円、総合利回りは約6.3%という数字は魅力的に映るでしょう。
 
しかし、優待制度の変更や株価下落といったリスクを知っておかねばいけません。特典だけでなく、投資としてのリスクもしっかりと理解した上で、自分にとって価値があるか慎重に判断することが大切です。
 

出典

力の源ホールディングス 株主優待
力の源ホールディングス 株式情報
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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