旅慣れしている友人はいつも金券ショップで「株主優待券」を買って新幹線に乗っているそうです。「東海道新幹線」に“約1割”安く乗れるって本当?
では、そのような鉄道会社の株主優待券は、どの程度の割引が期待できるのでしょうか。実際にどのくらい安くなるのかを解説します。
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目次
「株主優待券」を使えば「東海道新幹線」に“約1割”安く乗れる可能性も
東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は、毎年3月31日の株主名簿に記録された株主に対し、年に1度「株主優待割引券」を発行しています。
同社のWebサイトによると、優待券の発行数は500株ごとに1枚で、5000株を超えた際には10枚と超過1000株ごとに1枚が発行される仕組みのようです。割引額は1枚の優待券につき1割となっており、優待券は同時に2枚まで使用することが可能です。
この優待券は町の金券ショップ等に流通している場合があります。2025年10月現在、ある金券ショップを参照したところ、2026年まで使用可能な「JR東海株主優待券」は1枚900円程度で販売されていました。
実際にどの程度の金額が割り引かれるのかというと、東京新大阪間の東海道新幹線の普通車・自由席の片道の運賃をもとに算出した結果を例として紹介します。
通常期のおとな一人分の片道乗車券の金額は1万4920円で、株主優待割引券を2枚使用すると2割引で1万1936円となります。金券ショップで1800円を支払って購入したことを加味すると合計1万3736円となるため、条件次第では約1割引程度の金額で東海道新幹線に安く乗れるという結果になりました。
JR各社の「株主優待」とは? 「新幹線」に“最大半額”で乗れる!?
なお、東海旅客鉄道株式会社の他にも、条件は異なるもののJR各社で同様の株主優待割引券の発行がなされています。
例えば、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)では300株以上の保有で「株主優待割引券」が発行され、グループ施設等で利用可能となる「株主サービス券」が同時に発行されるとの記載があります。
なお、JR東日本の株主優待割引券は割引率が4割で、2枚以上の同時利用は不可という条件になっており、JRグループ各社によって条件が大きく異なることがわかります。
さらに割引率が高い条件なのは西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)で、「株主優待鉄道割引券」の割引率はなんと5割で、保有株式は100株からとなっています。
ただし! 株主になってJR東海の「株主優待」を受けるには“150万円近く”も必要
前述のとおり、JR東海の株主優待割引券の発行には、最低でも500株の保有が必要という条件になっています。
この500株を金額に直すと、株主としての権利が確定する直近の終値である2025年3月31日のデータで計算したところ、1株が2963.5円となっていました。つまり最低でも、500株である148万1750円のコストがかかるという計算になります。
ちなみに、同じ条件でJR東日本とJR西日本の株価を計算したところ、JR東日本は300株の保有で92万5800円から、JR西日本は100株の保有で29万6350円から株主優待割引券の発行がなされる株式を保有できることがわかりました。
いずれにせよ、決して安いコストではありませんが、ひんぱんに鉄道交通を利用するなどのメリットが大きい方にとっては、株主になるというのも一つの方法でしょう。
また、株価は日々変動しているので、優待制度の内容も変更される可能性があります。制度の詳細は各社の公式サイトで確認し、優待券の有効期限や利用条件をしっかり確認しておくことが大切です。
まとめ
各鉄道会社によって、株主優待券を利用できるための条件は大きく異なります。金券ショップでも購入できる場合がありますが、出張などでよく鉄道の交通機関を利用する方は、各鉄道会社の株主になるというのもメリットが大きいかもしれませんね。
出典
東海旅客鉄道株式会社 株主優待のご案内
東海旅客鉄道株式会社 アクセス検索
東日本旅客鉄道株式会社 株主優待のご案内
東日本旅客鉄道株式会社 株主優待割引券
西日本旅客鉄道株式会社 株式情報
日本経済新聞社 日経会社情報DIGITAL JR東海
日本経済新聞社 日経会社情報DIGITAL JR東日本
日本経済新聞社 日経会社情報DIGITAL JR西日本
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
