20年前に「Amazon株を100万円」持っていたら、今頃「億り人」になれていた!? 当時は「1株45.4ドル・1ドル110円」の時代…いくらになっているのか検証
しかし、今から20年前、Amazonという名前を知っている人はそれほど多くなかったのではないでしょうか。当時はほとんどなじみのなかった企業が、今や世界を代表する巨大企業になっています。
もし、仮に20年前にAmazonの未来を予想し、Amazonに投資していたら資産はどうなっていたのでしょうか? 本記事では、20年前に100万円分のAmazon株を買っていたら今いくらになっているのかをシミュレーションします。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
20年前の投資で「億り人」になれた?
2005年9月末のAmazon(AMZN)の株価は、1株45.4ドルでした。当時の為替レートは1ドル=約111円だったので、100万円で198.4株買えた計算です。
ただし、Amazonは2022年6月に1株を20株にする「株式分割」を行っています。当時の198.4株は現在の3968株になっているのです。
その後、Amazonの株価は20年で上昇を続け、2025年9月末の株価は219.57ドルとなりました。株式分割を考慮すると20年前の株価は1株あたり2.27ドルだったことになるので、ドルベースでも96.7倍と大きく成長したのです。
さらに、2025年10月1日時点で1ドル=約148円と、近年は当時より円安が進んでいます。20年前に買った3968株(株式分割後)は87万1254ドルとなっており、これは1ドル=約148円のレートで円換算すると約1億2894万円まで膨れ上がった計算となるのです。
20年前にAmazonに目をつけ100万円分の投資をしていたら、今頃「億り人」になれていた……この事実に驚く人も多いでしょう。
Amazonが驚異的に成長した要因とは?
20年で株価がドルベースで100倍近く、円換算すると120倍以上になったのは、Amazonが「これまで全くなかったサービス」を生み出し、既存の市場を塗り替えてきたためです。その中でも特に大きいのは次の3つでしょう。
・小売市場の革新:Amazonは単なる「オンライン書店」から始まり、強力な物流網とオンラインマーケットプレイスを構築し、世界中の「モノの買い方」そのものを変革しました。今は「ネット通販が買い物の中心」となっている人も多いでしょう。
・サブスクリプション:「Amazonプライム」(送料無料特典)というサブスクリプションで顧客を強力に囲い込み、さらに「プライム・ビデオ」や「Kindle Unlimited」などのデジタルコンテンツを追加することで、Amazonなしでは生活できないほどの強力な経済圏を構築しました。ここ数年で、「サブスク」という言葉とサービスは日常に浸透しています。
・AWS:自社のインフラ(サーバー)を、他社に貸し出す「AWS(クラウドサービス)」という、全く新しいビジネスモデルを創出しました。これは、今や世界中の企業インフラを支える、非常に利益率の高い中核事業となっています。
このように、世界中の買い物や娯楽の常識を変え、多くの人にとって「日常生活でなくてはならないサービス」を提供する企業になったことで、大きな成長を遂げたのです。
あなたも「未来のAmazon」を探してみては?
20年前に100万円投資していれば、約1億2900万円になっていたことになります。もちろん、これは過去の実績であり、巨大企業となったAmazonが今後20年で同じ成長を遂げる可能性は低いかもしれません。
しかし、これからもAmazonのように世界の「常識」を変える企業が、20年後に100倍の成長を遂げている可能性はあります。そういった企業を見抜くことが、未来の大きな資産形成につながるでしょう。
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
