NISAを始めるなら「早い方がいい」と聞いて慌てて始めたのですが、年収300万円では毎月「5000円」の積立が限界です…こんなに少ない額で、意味はあるんでしょうか?

配信日: 2025.10.31
この記事は約 4 分で読めます。
NISAを始めるなら「早い方がいい」と聞いて慌てて始めたのですが、年収300万円では毎月「5000円」の積立が限界です…こんなに少ない額で、意味はあるんでしょうか?
「NISAは早く始めた方がいい」とよく耳にするけれど、実際に自分の年収や生活に余裕があるわけではない……そんな中、「年収300万円で月5000円がやっと」という状況でNISAを始めたものの、本当にこれで意味があるのかと不安に思っている方もいるかもしれません。
 
この記事では、実際に毎月5000円を積み立てた場合のシミュレーションや複利の仕組みをもとに、少額投資でも無理なく資産を育てるヒントをお伝えします。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

月5000円でも積立効果は十分。「時間」と「複利」が最大の味方

NISAは、一定の制限のもと、投資した金融商品から得られる利益に対して税金がかからない税制優遇制度です。一般的な投資では、売却益や配当金に約20%の税金がかかりますが、NISAを使えばそれが非課税になります。
 
つまり、決められた上限金額までであれば、投資によって得られる利益をすべて自分のものとして受け取れるのが大きなメリットです。
 
しかし、今回の事例のように「月5000円」の積立では「増えても微々たるものではないか」と思ってしまう方もいるかもしれません。ここで注目したいのが「時間」と「複利」です。
 
複利とは、投資で得られた利益を元本にプラスして再投資し、その利益にもさらに利益がつく仕組みのことです。元本だけでなく利益も運用に回ることで、時間が経つほど資産の増加ペースが加速していきます。
 
例えば、金融庁の「つみたてシミュレーター」を使って、月5000円を年利5%で20年間運用した場合の結果を見てみましょう。
 

・積立元本:120万円(5000円×12ヶ月×20年)
・運用収益:83万円
・合計:203万円

 
つまり、投資した額が約1.7倍になるという結果です。年数を30年に延ばせば、合計金額は408万円に増えます。これは、「少額でも長く続ける」ことがいかに重要かを示しています。
 
NISAには「つみたて投資枠」が用意されており、月5000円からでもコツコツと長期・分散・積立の投資スタイルを実践できます。投資対象となる商品は金融庁の基準を満たした投資信託に限定されているため、初心者にも安心です。
 

「少額だから意味がない」は誤解。将来への第一歩になる

確かに、月5000円で老後資金のすべてをまかなえるわけではないかもしれません。けれども、NISAの積立は「将来に向けた資産形成の習慣づくり」として、大きな意味を持ちます。
 
例えば、月5000円の積立を習慣にすることで、「使わなくても困らないお金」を運用に回すという金銭感覚が身につきます。
 
これは将来的に収入が増えたとき、自然と積立額を増やす土台にもなります。最初から月3万円積み立てるのは難しくても、月5000円を継続できれば、数年後には1万円、1万5000円と、無理のない範囲で増やすことも可能でしょう。
 
また、相場の動きに慣れることも大切です。少額でも毎月積み立てていれば、価格の上下に一喜一憂せず、長期視点で投資を続ける力が身につきます。実際、NISAで運用される投資信託は、長期・分散を前提に設計されているため、一時的な損益にとらわれずに済むのが特徴です。
 
さらに、「NISAを始めた」という経験は、将来的に他の資産形成手段を活用するうえでもプラスになります。資産形成の第一歩としての月5000円が、金融リテラシーを高め、より良いお金の使い方へとつながっていくのです。
 

まとめ:月5000円でも「意味はある」。焦らず、自分のペースで続けよう

NISAを始めるのに「月々たった5000円では意味がない」と思ってしまいそうになる気持ちは自然なことです。しかし、若いうちから始めれば、それだけ長く複利の効果を味方につけることができ、少額でもしっかり資産を育てることが可能となるでしょう。
 
月5000円は決して少なくありません。実際にそれを長く続けられる人は限られており、むしろ「無理なく続ける」という姿勢こそが、投資を成功させる鍵となります。年収300万円という制約の中で、生活費や急な出費とバランスを取りながら、未来の自分のためにお金を働かせるという行動自体に、大きな価値があります。
 
今の金額に不安があるなら、まずは「今の自分にできる範囲」で続けることを第一に考え、収入が増えたとき、出費が減ったときに、少しずつ積立額を増やしていけばよいのです。
 
NISAは長い目で資産を育てる制度です。焦らず、自分のペースで進めていきましょう。
 

出典

金融庁 つみたてシミュレーター
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問