NISAは「月5000円」でも“貯蓄よりお得”ですか? 少額だと“意味がない”と聞きますが「20年・年利5%」でいくらになるでしょうか? 運用益をシミュレーション
実際に、月5000円といった無理のない金額でも、20年後には資産が大きく増える可能性があります。
本記事では、「月5000円を20年間積み立てた場合にどれくらい増えるのか」、さらに「貯金の場合とどの程度差がつくのか」をシミュレーションします。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
NISAとは?
NISA(ニーサ)は、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Savings Account)」の愛称で、投資で得た利益に対して税金がかからない仕組みです。通常、株式や投資信託などで得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば利益が出ても非課税になります。
2024年からは「新NISA」として制度が拡充され、年間の投資枠が大幅に増加しました。現在では、つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)を組み合わせ、最大1800万円まで非課税で運用できます。
月5000円を20年間、年利5%で運用したら?
それでは、毎月5000円を20年間、年利5%で運用した場合にいくらの利益が出るのかを見ていきましょう。
まず、毎月5000円を20年間運用した場合、元本は総額で120万円です。そして、この条件でシミュレーションすると、最終的な資産額は約204万円になります。つまり、積み立てた元本に対し、約84万円もの運用益がプラスされます。これがまさに時間と複利の力です。
同じ金額を貯蓄した場合は?
続いて、同じように月5000円を20年間、銀行に預けた場合を見ていきましょう。例えば、みずほ銀行や三井住友銀行などの普通預金金利は、年0.2%(2025年12月時点)です。
この条件で計算すると、20年後の金額は約122万円にしかなりません。つまり、元本120万円に対し、利息はわずか約2万円ほどです。NISAを使って年5%で運用した場合と比べると、約82万円の差が生まれるのです。
このように、「貯金」と「投資」の差は、毎月5000円という小さな積み立てでも、20年という時間をかけることで大きな差になることもあります。
投資にはリスクもある
もちろん、投資にはリスクもあります。株式や投資信託の価格は常に変動しており、元本割れ(損失)が発生する可能性もゼロではありません。景気の悪化や金利上昇など、外部要因によって短期間で評価額が下がることもあります。
特に、短期的な値動きに一喜一憂してしまうと、損をしたまま売却してしまうリスクもあります。「投資をすれば必ず資産が増える」わけではない点は理解しておきましょう。
NISAのつみたて投資枠ではリスクを抑えながら長期で資産を増やせるかも
投資にリスクはつきものですが、NISAのつみたて投資枠は「長期・分散・積立」という3つの原則で、リスクを抑えながら運用できる仕組みです。
毎月一定額をコツコツ投資することで、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入できる「ドルコスト平均法」が働き、購入単価を平均化してリスクを抑える効果があります。
また、NISAのつみたて投資枠で選べる商品は、金融庁が長期・分散投資に適していると認めた投資信託に限定されており、極端な値動きをする商品は除外されています。
長期間続けることで、短期的な上下動を慌てずに乗り越え、リスクを分散しながら資産を着実に育てていくことが可能です。とはいえ、もちろん元本割れのリスクはゼロではありません。
まとめ
「投資はたった月5000円では意味がない」と思うかもしれませんが、20年後には貯蓄の場合よりも数十万円以上資産が増えている可能性があります。
NISAは非課税で運用できるうえ、途中で売却や積立額の変更も自由です。生活に負担をかけずに資産形成を始めるには、かなり有効な制度といえるでしょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
