「来夏の家族旅行を株主優待で安くしたい!」という妻。ANA株とJAL株を“100株ずつ買った場合”、年間どれだけお得? 必要資金・割引額を徹底比較!
本記事では、ANA株とJAL株をそれぞれ100株ずつ保有した場合を想定し、必要な資金や年間で期待できる割引額を整理しながら、家族旅行で本当にお得かを考えていきます。
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目次
株主優待で航空券はいくら安くなる? 基本の仕組み
航空会社の株主優待は、保有株数に応じて「株主割引券」が付与され、これを使うことでJALやANAなどの国内線フレックス運賃が50%(小児は75%)割引になります。基本的には、1枚で1人・片道1区間が対象です。
この点は、家族旅行を想定するうえで非常に重要です。例えば4人家族で往復する場合、単純計算で8区間分の優待が必要になります。株主優待は万能ではなく、「旅行の一部に使う割引制度」と考えるとよいでしょう。
JAL株・ANA株、各100株保有時の優待内容と投資上の留意点
株主優待による節約効果を考えるには、割引率だけでなく「実際に何枚使えるのか」と「そのためにいくら必要か」を整理することが欠かせません。そこで本章では、ANA株とJAL株をそれぞれ100株ずつ保有した場合を前提に、優待の枚数と必要資金を確認します。
まず、もらえる優待の枚数です。ANA株を100株保有すると、年2回の基準日(3月末・9月末)ごとに1枚ずつ、年間で合計2枚の優待が付与されます。一方、JAL株を100株保有した場合、年間でもらえる優待は1枚です。
つまり、ANAとJALを100株ずつ保有しても、年間で使えるのは合計3枚、原則として片道3人分にかぎられます。したがって、4人家族全員の往復分を株主優待だけでまかなうことはできない点に注意が必要です。
次に、株式投資として必要資金です。株価は日々変動するため、必要な金額は「ANAの株価×100株分」と「JALの株価×100株分」を合算したものになります。ただし、株式は預金とは異なり、価格変動によって評価額が上下するリスクがあります。
そのため、株主優待だけに目を向けるのではなく、最新の株価水準を確認したうえで、家計に無理のない範囲で検討することが重要です。
夏休み旅行での割引額をシミュレーション
では、実際にどの程度お得になるのでしょうか。今回は夏休みの代表的な高額路線として、東京―沖縄(羽田-那覇)の普通席を想定します。
ANAの場合、株主優待を使うことで、繁忙期の片道普通運賃から1人あたり2万円以上安くなるケースがあります。100株保有で年2枚使えれば、年間で4万円台後半の割引が期待できます。
JALの場合も、普通運賃が50%割引になる仕組みです。同じ路線・時期で考えると、1枚あたり3万円前後の割引になる可能性があります。
この条件を単純に合算すると、ANAとJALを100株ずつ保有し、優待をすべて使い切れた場合、年間で7万円台後半程度の割引効果が見込めます。ただしこれは、繁忙期の高額路線にうまく使えた場合の上限値に近い数字であり、実際の運賃・利用状況により変動します。
優待目当ての株購入で考えるべき判断のポイント
ここで冷静に整理しておきたいのが、株式投資としての判断です。一定額の資金を投じることで、年間で数万円規模の割引効果が期待できる一方、株価が下落すれば評価額が目減りする可能性があります。
株価が1割程度下落した場合、評価損が数万円規模になることも考えられ、優待による節約効果を相殺するケースもあり得ます。
また、株主優待は他の割引運賃と併用できません。時期によっては、優待を使わなくても安い運賃が出ていることもあり、必ず優待のほうが得とはかぎらない点にも注意が必要です。
さらに、年3枚という枚数は意外と使い切りにくく、旅行の予定や座席状況によっては無駄になる可能性もあります。
株主優待を家計の一部として活用しよう
ANA株とJAL株を100株ずつ保有すると、夏休みの家族旅行で航空券代を部分的に抑えられる可能性があります。ただし、優待でカバーできるのは旅行全体の一部にすぎず、一定額の資金を株式に回すことによる影響や価格変動リスクを考慮する必要があります。
株主優待は「旅行費を確実に節約する手段」というより、「利用条件次第で家計の負担をやわらげる選択肢」として位置付けられます。旅行頻度や利用路線、家計全体の資金計画を踏まえたうえで、無理のない範囲で活用することが、後悔の少ない判断につながるでしょう。
出典
日本航空株式会社(JAL) 株主割引ご利用案内
日本航空株式会社(JAL) 株主優待のご案内
全日本空輸株式会社(ANA) 株主優待割引
全日本空輸株式会社(ANA) 株主優待のご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
