証券会社の担当者に「毎月3万円を投資信託に積み立てれば、老後が楽になります」と勧められました。住宅ローンと教育費で今でも苦しいのですが、無理してでも始めるべきでしょうか?

配信日: 2026.01.07
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証券会社の担当者に「毎月3万円を投資信託に積み立てれば、老後が楽になります」と勧められました。住宅ローンと教育費で今でも苦しいのですが、無理してでも始めるべきでしょうか?
「老後のために今から投資を」。証券会社の担当者からそう勧められ、不安を感じた方は少なくないでしょう。特に、住宅ローンや教育費という“逃げ場のない支出”を抱えている家庭にとって、毎月3万円という金額は決して軽くありません。将来の安心と、今の生活の安定。そのどちらを優先すべきなのでしょうか。
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「老後が楽になる」という言葉を数字で考える

日本証券業協会が行った「証券投資に関する全国調査」(2024年)によると、株式・投資信託・公社債のいずれかを保有している人の割合(有価証券保有率)は24.1%で、前年調査時の19.6%から4.5ポイント増えています。
 
また、同調査では、証券投資を「必要だと思う」と回答した人は42.6%で、前年調査時の30.9%から11.7ポイントも増加していることから、投資への関心が高まっていることがわかります。
 
投資を始める前に考えたいのは、「老後が楽になる」という言葉の正体です。毎月3万円を30年間積み立てれば、元本は約1080万円になります。仮に年利3%で運用できた場合、最終的な資産は約1750万円前後になる計算です。数字だけを見ると、老後資金としては確かに魅力的です。
 
しかし、これはあくまで“30年間、問題なく積み立てを続けられた場合”の話です。
 

家計に余裕がない状態で投資をするリスク

問題は、その3万円を本当に無理なく出せるかどうかです。家計がすでに苦しい状態で投資を始めると、急な医療費や修繕費、教育関連の出費に対応できなくなる可能性があります。また、生活費を削りながらの投資は、精神的なストレスにもなりがちです。
 
投資信託は長期運用が前提ですが、途中で解約せざるを得なくなれば、相場次第では元本割れするリスクもあります。
 
さらに見落とされがちなのが、「お金の余裕」と「心の余裕」は密接につながっているという点です。
 
家計に余裕がない状態で投資をしていると、相場が少し下がっただけで不安になり、本来は続けるべき局面でも売却してしまうケースが少なくありません。これは投資判断として最も避けたい行動です。
 
余裕資金であれば冷静に構えられる場面でも、生活費がかかっていると感情に左右されやすくなり、結果として投資の成果を損なう可能性が高まります。
 

老後資金より先に考えるべきお金の流れ

老後資金の準備は大切ですが、「今すぐ投資を始めること」と同義ではありません。まず確認すべきなのは、今後10〜15年の家計の見通しです。教育費が最もかかる時期、住宅ローンの負担が軽くなるタイミング、収入の変化などを整理しないまま長期投資を始めるのは危険です。
 
老後の前に、家計が破綻してしまっては意味がありません。
 

投資は少額からでも意味がある

投資額は必ずしも月3万円である必要はありません。月5000円や1万円でも、投資の仕組みを理解し、値動きに慣れるという点では十分です。最初は無理のない金額で始め、教育費が落ち着いた後や収入が増えたタイミングで増額するという方法も、現実的で賢い選択です。
 

証券会社の提案は「自分基準」で考える

証券会社は商品を販売する立場でもあります。あなたの家計全体を守る責任は、最終的にはあなた自身にしかありません。「勧められたから」ではなく、「続けられるかどうか」を基準に判断することが重要です。
 

無理をしないことが、結果的に老後を守る

老後の不安は確かに現実的ですが、今の生活が不安定になれば本末転倒です。まずは家計の安定を最優先にし、余裕の範囲で将来に備えることが大切です。その積み重ねが、結果的に「楽な老後」につながるのではないでしょうか。
 

出典

日本証券業協会 「証券投資に関する全国調査」(2024年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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