NISAで65歳までに「3000万円」貯めたい! オルカンなら「毎月5万円ちょっと」でも、十分貯められるって本当ですか? 40歳から「年率3~7%」積み立てた場合で試算
「さすがに40歳から65歳までに3000万円という目標は難しいかもしれない」とは思いつつ、できるならなんとかしたいと思う人もいるでしょう。2024年から新NISA制度が始まっていますが、そういった制度を使っても25年間で3000万円は難しいのでしょうか。
本記事では40歳から65歳までの25年間で3000万円を作るためのシミュレーションと、その利回りの妥当性を検証します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
NISAを使えば月5万2000円・年率5%で3000万円を達成できる
まずは、金融庁のつみたてシミュレーターを使って、1年間の運用益を3%~7%まで1%刻みで変えてみながら、毎月いくら積み立てればいいかをシミュレーションします。結果は次の通りです。
・年率3%:6万7645円
・年率4%:5万8957円
・年率5%:5万1218円
・年率6%:4万4360円
・年率7%:3万8313円
例えば、年率5%のシミュレーションより少し多めの5万2000円を25年間毎月つみたて運用した場合、元本1560万円に対して運用益は約1486万円の合計約3046万円の資産を築けます。
家族構成などにもよりますが、5万円ちょっとで済むならなんとかなりそうと思う人もいるかもしれません。ただし、運用益1486万円には通常20%の税金がかかります。
税金として約297万円を支払う必要があるため、結果的に手元に残るのは約2750万円程度となってしまうのです。これでは3000万円には届きません。
こうならないために使いたいのが、NISA制度です。NISA制度の正式名称は「少額投資非課税制度」で、NISA口座で買い付けた株式や投資信託の運用益は非課税となります。
長期で運用すればするほど運用益は大きくなるため、積極的にNISA制度を使うべきなのです。
年率5%は妥当な数字なのか
今回の話の鍵となるのは、前提とした年率5%という利回りが現実的かどうかという点です。これを検証するために、オルカンと公的年金の運用指標を比較します。
オルカンと呼ばれる投資信託は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)という指数に連動するように作られています。MSCI ACWIは、アップル、マイクロソフト、Amazonやテスラなど2500社以上の株式に連動するようにつくられた指標です。
つまり、オルカンを買うことは、世界2500社以上に分散投資しているのに等しいと言えます。
※本来オルカンは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の略称および商標ですが、本記事ではそれを含めた全世界の株式指数に連動する投資信託全般(たわらノーロード 全世界株式など)を指すものとします。
また、私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、外国株式運用のベンチマークとして、MSCI ACWIから日本を除いた指数(MSCI ACWI除く日本)を採用しています。
オルカンは日本を含み、GPIFの外国株式は日本を含まないという違いはありますが、全世界株式における日本の構成比率は4.7%程度と決して高くありません。構成比率の9割以上が共通しているため、オルカンとGPIFの外国株式は、ほぼ同じ値動きをすると考えて良いでしょう。
GPIFが次期中期計画(2025年度から2029年度)の策定に向けて公表した検証データによると、この外国株式の名目期待リターンは最も慎重なシナリオでも4.6%、経済成長が続くシナリオでは8.1%と予測されています。
ほぼ同じ値動きをするオルカンにおいても、同様の期待リターンが見込めるため、今回設定した5%という数字は、決して無理のある高望みではなく、長期投資において十分に期待できる妥当なラインと言えるのです。
非課税枠を使い切る月6万円ならより現実的
月5万2000円で目標達成が可能とはいえ、5%の利回りが確保できるか不安という人もいるかもしれません。その場合は、毎月の積立額を少し増やして月6万円に設定するのも1つの手です。
積立額を月6万円に増額した場合、25年間で3000万円に到達するために必要な利回りは3.88%まで下がります。先ほどのGPIFが慎重に見積もった4.6%を下回る数字ですから、より達成の確実性は高まるわけです。
なお、月6万円を25年間積み立てると、積立元本の合計は1800万円になります。これは新NISAの生涯投資枠(非課税保有限度額)と同額です。
非課税枠を余すことなく使い切りつつ、より堅実な利回りで3000万円を目指せるため、資金に余裕があれば月6万円の設定を検討してみると良いでしょう。
まとめ
40歳からの25年間で3000万円を作るには、年率5%の運用なら月5万2000円、年率約3.9%の運用なら月6万円の積立で達成可能です。公的年金の運用データを見ても、全世界株式への長期投資であれば、これらは十分に狙える利回り水準と言えます。
もちろん、オルカンを使った資産運用に絶対はありませんが、新NISAの非課税メリットを生かしながら、早めに積立を始めることで、目標達成の可能性を高めることができるでしょう。
出典
年金積立金管理運用独立行政法人 第5期中期目標期間における基本ポートフォリオについて~詳細~
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
