【試算】45歳で「年収500万円」です。今からNISAで“老後2000万円”を作れるでしょうか?「月5万・7万円」積み立てのケースでシミュレーション
特に、今回の事例のような45歳で年収500万円前後の世帯では、教育費や住宅ローンの負担などと並行して資産形成を進めるのは簡単ではありません。
本記事では、老後に2000万円が必要と言われる背景を確認したうえで、45歳から60歳までの15年間でNISAを活用してどの程度資産が作れるのか試算し、さらに不足が考えられる場合の代替アプローチまで解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
なぜ老後に「2000万円」が必要と言われるのか?
「老後2000万円問題」は、2019年に金融庁が公表した報告書が発端とされています。
高齢夫婦2人の無職世帯の平均的な家計では、毎月の支出が平均26万円、収入(主に年金)が約21万円となり、月5万円ほど不足するという結果が示されました。
この不足分が20~30年続くと約1300万~2000万円の赤字になるため、「老後資金2000万円」が一人歩きしたのです。ただし、実際の老後の備えとしての必要額は、以下などによって大きく変わります。
・生活費の水準
・持ち家か賃貸か
・公的年金の受給額
・働き続ける期間
つまり、2000万円はあくまで平均モデルの一例であり、必ずしも全員が必要というわけではありませんし、逆に2000万円あれば十分とも限りません。
45歳から60歳までで、2000万円は作れるのか?
老後の備えとして2000万円が必要かどうかは家庭によって一概には言えませんが、やはりできるだけの備えをしたいという人は少なくないかと思います。
ここからは、例として45歳からNISAを活用して15年間運用した場合、どれくらい資産が作れる可能性があるのか試算します。
なお、計算結果はあくまでも期待値であり、実際の市場の動きによって変動する点は認識しておきましょう。
【パターン1:毎月5万円×年利5%】
この場合、15年間積み立てると約1330万円となります。
2000万円には届きませんが、老後資産の核としては十分大きな金額と言えるでしょう。
【パターン2:毎月5万円×年利10%】
この場合、15年後には約2009万円にもなります。
ちょうど2000万円を超えますが、現実的に年利10%を継続することの再現性は高くないでしょう。
【パターン3:毎月7万円×年利5%】
積立額をパターン1から2万円増やし、7万円にした場合、結果として約1861万円になります。
2000万円にわずかに届きませんが、非常に近い水準となり、退職金や現金貯金と組み合わせれば現実的に「2000万円」を達成しやすくなるでしょう。
このように、3つのパターンを見てきましたが、毎月5万円の積立では「利回り次第で2000万円に到達可能だが、現実的には不足しやすい」と言えます。
一方で、積立額を月7万円へ増額する、あるいはボーナス時に追加購入することで、現実的に2000万円にかなり近づけます。
また、60歳時点の資産形成額は「そこから先に運用を続ける」ことで増やしやすくなる点も押さえておきましょう。
45歳からNISAで老後資金を作る際の注意点
45歳から老後資金づくりを始める場合、まず意識したいのは過度に高い利回りを前提にしないことです。年10%といった成績は再現性が低く、年5%前後を想定し積立額で調整するほうが安全です。
また、そもそもNISAに限らず、投資はリスクがあるという点を認識し、生活防衛費の確保を忘れずにしたうえで投資をするようにしましょう。
2000万円に満たない場合の代替アプローチ
2000万円を目標にしても、「どうしても積立額を増やせない」「教育費の負担が終わるのが50代後半になる」といった家庭も少なくありません。その場合でも、安定した老後を送るために取れるアプローチはいくつもあります。
まず、老後も短時間だけ働くという方法があります。月5万円の収入でも年間では60万円、10~20年間で600~1200万円となり、資産の不足を大きく補う力になるでしょう。
また、現役時代から生活費を見直し、通信費や保険、住宅ローンなど固定費を削減できれば、積立額を増やしやすくなります。
さらに、退職金や現金預金など、NISA以外の資産も老後資金として考えることで、全体として必要額を満たすことも可能です。NISAだけで2000万円を達成できなくても、複数の手段を組み合わせれば老後の安心は十分に確保できます。
まとめ
45歳から老後の準備を始めても、毎月の積立と適切な運用によって老後資金は十分に準備できます。特に、NISAを使うことで長期的な非課税メリットを享受できるうえ、60歳以降も運用を続ける選択肢が広がります。
「老後2000万円」はあくまで1つの目安です。積立額・働き方・支出の見直しなど、複数の対応策を組み合わせることで、45歳からでも無理なく老後の安心をつくることができるでしょう。
出典
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
