【試算】55歳で「早期退職」して、ゆっくり過ごしたいです。30歳から「月5万円×25年」をNISAで積み立てれば可能ですか?「年利3%~10%」で運用結果をシミュレーション
本記事では、例として30歳から毎月5万円を25年間、NISAで積み立てた場合を前提に、55歳での早期退職がどの程度現実味を帯びるのかを試算します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
早期退職とはどのような状態?
一般的に「早期退職」とは、定年(60歳や65歳)より前に、フルタイムの仕事を辞める、または大幅に働き方をゆるめることを指します。完全に無収入になるケースもあれば、資産収入や短時間労働を組み合わせるケースもあります。
本記事ではシンプルに、「55歳で会社員としての働き方を終え、年金が始まるまでの生活費を資産で補う」という前提で考えていきます。
積み立ての前提条件を整理
まずは、試算の前提を整理します。
・積立開始年齢:30歳
・積立終了年齢:55歳
・積立期間:25年間
・毎月の積立額:5万円
・元本合計:5万円×12ヶ月×25年=1500万円
・積立方法:NISA(運用益が非課税)
NISAを使うことで、通常であれば約20%かかる運用益への税金がかからない点は、長期積立において大きなメリットと言えるでしょう。
月5万円を25年積み立てると、資産はいくらになる?
それでは、想定利回りごとに資産額を見てみましょう。
なお、あくまでも「毎年同じ利回りで運用できた場合」の試算であり、実際の運用結果を保証するものではありません。
・年利3%の場合:約2223万円
・年利5%の場合:約2941万円
・年利7%の場合:約3937万円
・年利10%の場合:約6216万円
元本1500万円に対し、利回りの違いによって最終的な資産額に大きな差が出ました。特に長期では、複利の影響が大きいことが分かります。
55歳で早期退職するには、いくら必要?
仮に、単身者で55歳から65歳までの10年間を、年間生活費300万円(月25万円)で過ごすとすると、必要額は以下のとおりとなります。
・300万円×10年=3000万円
さきほどの試算額と比べると、以下のようなイメージになります。
・年利3%(約2223万円):単独では不足
・年利5%(約2941万円):生活費を抑えれば現実味
・年利7%(約3937万円):選択肢が広がる
・年利10%(約6216万円):かなり余裕が出る
つまり、年利7%程度というやや高めの前提で運用できれば、「55歳で完全に働かなくなる」かどうかは別として、働き方を大きくゆるめる選択肢は見えてくる水準と言えるでしょう。
もちろん、生活費がどれくらいかによって、早期退職の可能性は変わります。年間生活費が400万円だとすると、10年間での必要額が4000万円となるため、年利7%でも資金が不足することになります。
55歳早期退職を現実に近づける工夫
早期退職を現実的にするには、資産額だけでなく次のような工夫も重要です。
・生活費を下げる(住居費の見直しなど)
・55歳以降も短時間労働や副収入を組み合わせる
・退職金を老後資金に活用する
こうした工夫を取り入れることで、早期退職に必要な資産額も下げられるかもしれません。
55歳早期退職のリスクにも注意
仮に今回の試算通りに55歳時点である程度の資産額を形成できたとしても、55歳で早期退職するには考えておくべきリスクがあります。
まず、55歳で早期退職をすると、厚生年金の加入期間が短くなり、将来受け取れる年金額が減る可能性があります。
また、物価上昇などの外的要因によって生活費が想定以上に増えたり、医療費・介護費などが年齢とともに増えたりするかもしれません。さらに、運用環境の悪化によって資産が目減りする可能性もあります。
早期退職を検討する際は、資産額だけでなく、こうしたリスクをふまえた余裕のある計画が重要です。
まとめ
30歳から毎月5万円を25年間、NISAで積み立てた場合、運用次第では55歳で働き方を大きく変えられる選択肢が見えてきます。ただし、これは「誰でも確実に早期退職できる」と断言できるものではありません。
重要なのは、早期退職をゴールにするのではなく、将来の選択肢を増やすための準備として積立を続けることです。55歳という節目に、どんな働き方を選ぶのかの自由度を高める手段の1つとして、長期積立は有効と言えるでしょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
