投資信託が「1000万円超」で喜んでたら、妻に「口座を分けないと危ない」と言われました。1000万円超は“補償されない”とのことですが、本当ですか?「銀行預金・証券口座」の違いとは

配信日: 2026.01.30
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投資信託が「1000万円超」で喜んでたら、妻に「口座を分けないと危ない」と言われました。1000万円超は“補償されない”とのことですが、本当ですか?「銀行預金・証券口座」の違いとは
直近の円安や株価好調の影響で、コツコツ積み立ててきた運用資産の評価額が1000万円を超えたという人もいるでしょう。資産が増えるのはうれしい一方で、「証券会社が破綻しても大丈夫なのか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
 
銀行預金の場合は「銀行が破綻しても合算して元本1000万円までとその利息等を保護する仕組み」(預金保険制度/ペイオフ)があるため、1000万円を超えたら預金を分けたほうが良いと言われます。では、証券会社に預けたお金や株式・投資信託はどうなのでしょうか?
 
本記事では、銀行と証券会社の「預け方」の根本的な違いと、証券会社を分けるべきかどうかの判断基準について解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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そもそも銀行預金と証券口座は仕組みが違う

そもそも銀行預金は「預金」という言葉を使っているものの、実質は預金者が銀行にお金を貸して利息をもらうものです。銀行は私たちが預けた(貸した)お金をほかの人や会社に貸し付けることによって利益を得ます。
 
そのため、仮に銀行が経営難で破綻すると、預金が返ってこないリスクがあるのです。
 
それを防ぐためにあるのが「預金保険制度(ペイオフ)」で、銀行が破綻した場合は元本1000万円までとその利息は保護される、預金者保護の仕組みが整っています。裏を返せば、1000万円までしか補償されないとも言えるため、預金額が1000万円以上になる場合は金融機関を分けたほうがいいと言われるのです。
 
一方で、証券会社に預けるお金や株、投資信託は、銀行預金とは仕組みが違います。証券会社は顧客から預かった資産と、会社自身の資産を明確に分けて管理することが義務付けられており、顧客の資産を勝手に使えません。これを分別管理といい、証券会社は本当の意味で顧客の資産を「預かって」いるのです。
 
したがって、万一証券会社が破綻したとしても、顧客の資産は原則無傷でそのまま戻ってきます。1000万円を超えていても全額保護されるため、資産を守るために口座を分ける必要性は高くありません。
 

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「1000万円まで」の保護制度も意味合いが違う

確かに証券会社にも「1000万円まで補償」という制度が存在しますが、それは、「円滑に資産が返還されない場合は、日本投資者保護基金によって1000万円までの補償が受けられる」というものです。
 
例えば、証券会社の不正などにより顧客の資産が分別管理されていなかった場合などが考えられます。とは言え、同じ「1000万円の補償」ではありますが、ペイオフと日本投資者保護基金は大きく性質が異なるものです。
 
ペイオフは銀行が適法に活動しても起こり得る破綻に対する補償ですが、日本投資者保護基金による補償は本来分別管理されているはずの資産が管理されていなかったなどの「あってはならない事象」に対して行われます。
 
また、証券会社に預けた資産は、法令によりその管理の状況について毎年定期的に監査法人等から監査を受けているため、資産が戻ってこないリスクは銀行預金より低いと言えるでしょう。
 

それでも証券会社を分けるメリット・デメリットは?

それでも「万一、分別管理がされてなかったら……」と考えて証券会社を分けたいと考える人もいるでしょう。もちろんそれは間違いではありません。と言うのも、複数の証券会社に分けることには次のようなメリットがあります。


・特定の証券会社でシステム障害が起き、売りたいタイミングでログインできないリスクを回避できる
・不正アクセスなどによる資産の盗難があった際のダメージを減らせる
・証券会社によって扱っている金融商品が違うため、投資の幅が広がる

また、分別管理により資産は守られますが、証券会社が破綻した場合、資産が返還されるまでに時間がかかるかもしれません。その間、売買や出金ができなくなるリスクを避けるという観点でも有効です。
 
一方で、NISA口座は1人1口座しか持てないという点はデメリットになります。例えば、1200万円を1000万円以下になるように、1000万円のNISA口座と200万円の口座に分けると、200万円は課税口座で運用しなければなりません。
 
課税口座では利益に対して約20%の税金がかかるため、NISAの非課税メリットを捨てることになってしまいます。
 
仮に、200万円を年率5%で20年間運用できたときの運用益は約330万円です。課税口座で運用することで約66万円の税金を支払うことになります。この税負担は決して小さいものとは言えないでしょう。
 

まとめ

証券会社には分別管理という厳格なルールがあるため、基本的には銀行預金のように「1000万円」を意識して証券会社を分ける必要はありません。
 
システム障害や不正アクセスなどのリスクヘッジとして分けるのは有効な手段ですが、それによってNISAの非課税メリットを犠牲にするというデメリットもあるため、慎重な判断が必要です。銀行の預金と証券会社の分別管理の違いを理解した上で、分けるべきか1社に預けたままにするか判断すると良いでしょう。
 

出典

金融庁 預金保険制度
日本投資者保護基金 投資者保護基金制度とは
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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