NISAで「S&P500」「オルカン」だけ買ってます。「この2つだけで十分」と聞きますが、結局“ほぼ米国株”ですよね? リスクも踏まえると「REIT」なども買うべきでしょうか? 注意点を解説
一般的にはこの2本だけでも十分な選択肢ですが、目的次第ではほかの商品を組み合わせることでさらに資産形成の幅が広がります。本記事では、S&P500とオルカンの基本から、それ以外に検討すべき商品の具体例、選び方までを分かりやすく解説します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
目次
そもそも「S&P500」「オルカン」とは何か 人気の理由をおさらい
S&P500とは、アメリカを代表する大企業約500社の株価をもとにした指数に連動する投資信託です。AppleやMicrosoftなど、世界的に有名な企業にまとめて投資できるのが特徴です。
一方のオルカン(eMAXIS Slim全世界株式)は、日本を含む世界中の株式に幅広く分散投資できるファンドです。これ1本で先進国から新興国まで約50ヶ国の企業をカバーできます。
この2つがNISAで圧倒的に支持されている理由は、大きく3つあります。まず、信託報酬が非常に低く長期保有のコスト負担が小さいこと。次に、1本で数百~数千銘柄に分散投資できる手軽さ。
そして、過去数十年にわたり右肩上がりの成長実績がある点です。「難しいことは分からないけど、まずはこれを買っておけば安心」と言われるのには、こうした明確な理由があります。
この2つだけで大丈夫? 知っておきたいリスクと偏り
結論から言えば、S&P500とオルカンの2本だけでも長期の資産形成において十分合理的な選択です。低コストで幅広い銘柄に分散できるこの2本は、投資の基本原則にしっかり沿っています。
ただし、知っておきたいポイントもあります。まず、S&P500は当然ながら米国株100%であり、オルカンも構成比率の約6割が米国株です。2本を併せ持っていても、実質的には米国経済への依存度がかなり高い状態になります。
つまり、米国の景気が大きく落ち込んだ場合、どちらのファンドも同時に下落する可能性があるということです。
もう1つ押さえておきたいのは、この2本はどちらも「株式100%」の商品であるという点です。株式は長期的なリターンが期待できる反面、短期的には大きく値下がりすることもあります。
暴落時に不安で売ってしまいそうな人や、数年以内に使う予定のあるお金で投資する人は、株式以外の資産も組み合わせることで値動きをおだやかにする工夫が有効です。
S&P500とオルカン以外に検討したい商品の例と選び方
では、具体的にどのような商品を検討すればよいのでしょうか。代表的な選択肢を3つ紹介します。
1つ目は「債券型ファンド」です。国内外の債券に投資する商品で、株式に比べて値動きがおだやかな傾向があります。資産全体の安定性を高めたい人に向いています。
2つ目は「REIT(不動産投資信託)型ファンド」です。不動産から得られる賃料収入を原資としたファンドで、株式や債券とは異なる値動きをする傾向があり、分散効果が期待できます。
3つ目は「新興国株式ファンド」です。オルカンにも新興国は含まれていますが、比率は小さいため、新興国の成長をより積極的に取り込みたい場合は追加で検討する価値があります。ただし、値動きが大きい点には注意が必要です。
これらの商品を選ぶ際に意識したいポイントは3つあります。
「何のために、いつまでに増やしたいか」という投資の目的と期間を明確にすること。次に、自分がどの程度の値下がりに耐えられるかというリスク許容度を把握すること。そして、信託報酬などのコストを必ず比較することです。
NISAは長期投資が前提となるため、わずかなコスト差が将来の運用成果に大きく影響します。
まずは2本でOK! でもほかの選択肢も知っておくと安心
S&P500とオルカンは、低コスト・分散性・実績の三拍子がそろった優れた商品です。この2本を軸にすることは、非常に合理的な判断といえます。そのうえで、自分の投資目的やリスク許容度に応じて、債券型やREIT型などを組み合わせれば、より自分に合ったポートフォリオを作ることができます。
まずは今の自分に必要な資産配分を考えるところから、次の一歩を踏み出してみてください。
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP