60歳で「退職金2000万円・月収15万円」で再雇用の予定です。知人に「退職金はNISAに回すべき」と言われましたが、この年齢なら“貯金で十分”ではないですか? NISAが向いている人とは

配信日: 2026.04.01
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60歳で「退職金2000万円・月収15万円」で再雇用の予定です。知人に「退職金はNISAに回すべき」と言われましたが、この年齢なら“貯金で十分”ではないですか? NISAが向いている人とは
定年のタイミングで、まとまった退職金を受け取る人は多くいます。中には退職金をNISAで運用する人もいますが、「退職金をNISAで運用したほうがよいのか」「そもそもこの年齢から投資する意味はあるのか」と、気になっている人もいるでしょう。
 
本記事では、退職金2000万円と再雇用収入月15万円で生活できるのか、そして60歳前後からNISAを活用する意味について解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

退職金2000万円と再雇用の収入で生活できる?

まずは、定年後の収支を簡単に試算してみましょう。仮に、毎月の生活費が20万円、60歳から65歳までは再雇用で月15万円稼いだとすると、毎月5万円の不足が生じます。
 
この場合、年間では60万円を退職金などの資産から取り崩さなければなりません。5年間続くと、60万円×5年で合計300万円です。その結果、65歳時点では退職金2000万円のうち約1700万円が残る計算です。
 
次に、65歳以降は再雇用による収入はなくなる一方で、公的年金を月15万円受け取れると仮定してみましょう。生活費が引き続き月20万円の場合、毎月5万円不足するため、年間では同じく約60万円の不足です。
 
この不足分を退職金から補う場合、65歳時点で残っている1700万円を年間60万円ずつ取り崩すと、単純計算では約28年分に相当します。つまり、90歳を超えるまで生活費の不足を補える計算になります。
 
もちろん実際には、物価上昇や医療費、生活スタイルの変化などもあるため単純な計算通りにはいかないかもしれません。とはいえ、退職金は老後生活を支える重要な資金になるといえるでしょう。
 

「NISAが最強」と言われる理由

近年、資産運用の制度としてよく話題になるのがNISAです。NISAの大きな特徴は、投資で得た利益が非課税になる点です。通常、株式や投資信託で利益が出た場合は約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用した場合はこれがかかりません。
 
さらに現在の新NISAでは、生涯投資枠が1800万円まで用意されています。つみたて投資枠と成長投資枠を併用することで、長期的な資産形成が可能です。同じ利回りで運用しても、NISAを活用することで税金がかからない分だけ資産の増え方が大きくなる可能性があります。
 

60歳からNISAを使う意味はある?

一般的に投資は長期運用が有利なため、「NISAは若い人向けの制度」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、60歳前後からでも活用する意味は十分あります。
 
例えば、退職金の一部を投資信託などで運用しながら、必要な分を取り崩していくという方法です。仮に年3%程度の運用ができれば、資産の減少スピードを抑えられる可能性があります。
 
ただし、若い世代のように数十年かけて大きく増やす運用とは考え方が異なります。60歳以降の運用では、「資産を大きく増やす」よりも「資産を長持ちさせる」ことを重視する考え方が重要になります。
 
例えば、個別株に集中投資するのではなく、分散された投資信託を中心にするなど、リスクを抑えた運用方法を検討することが大切です。
 

60歳からのNISAが向いている人・向いていない人

60歳からのNISAは、全ての人に向いているわけではありません。例えば、生活費のほとんどを資産の取り崩しに頼る必要がある場合、投資による価格変動が生活に大きく影響する可能性があります。このような場合は、預貯金など安全性の高い資産を中心に持つほうが安心できるでしょう。
 
一方、退職金の中に当面使う予定のない余裕資金がある場合は、NISAを活用した資産運用を検討する余地があります。資産を全て現金で持つよりも、一部を運用することで資産の寿命を延ばせる可能性があるためです。
 
なお、投資の場合はリスクを伴いますので、商品によっては元本を割ってしまう可能性がある点には十分注意しましょう。
 

まとめ

退職金2000万円と再雇用収入、さらに年金を組み合わせれば、生活費の水準によっては長期間生活できる可能性があります。ただし、老後は想定以上に長い期間になることもあるため、資産をどのように管理するかが重要になります。
 
NISAは運用益が非課税になるなどメリットの大きい制度であり、60歳からでも活用する意味はあります。ただし、若い世代のように資産を大きく増やす運用ではなく、資産を長持ちさせる視点で活用することが大切です。
 
退職金を全て投資するのではなく、生活資金と運用資金を分けながら、自分に合った資産管理を考えることが重要といえるでしょう。
 

出典

金融庁 NISAを知る
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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