58歳“投資未経験”で、NISAに「月3万円積み立てる」という夫。定年まで7年なら“預金のほうが安心”ですよね?「預金で年利0.3%」「NISAで年利3%・5%」の結果を比較

配信日: 2026.04.24
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58歳“投資未経験”で、NISAに「月3万円積み立てる」という夫。定年まで7年なら“預金のほうが安心”ですよね?「預金で年利0.3%」「NISAで年利3%・5%」の結果を比較
「投資は若いうちに始めるもの」と考え、これまで預金中心で過ごしてきた人も多いのではないでしょうか。
 
そんななか、58歳の夫が「老後のために今からNISAで積み立てたい」と言い出し、不安を感じているというケースもあるかもしれません。58歳で投資未経験、しかも65歳の定年まで約7年という条件では、若い世代とは考え方も変わります。
 
本記事では、月3万円の積み立てを前提に、期待できる効果と注意点を整理しながら、無理のない判断の考え方をお伝えします。
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58歳・投資未経験でNISAは遅い?

58歳から投資を始める場合、「いくら増えるか」よりも「どこまでならリスクを取れるか」を先に考えておく必要があります。
 
定年まで7年という期間は、投資期間としてはそれほど長くありません。相場が順調に伸びるとは限らず、始めたタイミングによっては、評価額が下がったまま取り崩すおそれもあります。
 
一方で、NISAには運用益が非課税になるメリットがあります。同じ運用でも税金がかからない分、手元に残るお金は増えやすくなります。ただし、この年代では資産を大きく増やす手段というより、預金だけに偏らないための選択肢の1つととらえるほうが現実的です。
 
「遅いか遅くないか」で考えるより、「どの範囲ならやってもよいか」で検討するのがよいでしょう。
 

月3万円を7年間積み立てるとどうなる?

月3万円を7年間積み立てた場合、どのような結果が期待できるのかシミュレーションしてみましょう。積立元本は以下のとおりです。
 
3万円 × 12ヶ月 × 7年 = 252万円
 
複利運用した場合の、年利ごとの結果は次のとおりです。


年利0.3%(預金):約254万円(+2万円)
年利3%:約280万円(+28万円)
年利5%:約300万円(+48万円)

シミュレーション結果から分かるのは、7年という期間では資産が倍増するような効果は期待しにくく、「数十万円の上乗せ」が現実的なラインだという点です。「思ったより増えない」と感じるかもしれませんが、7年間という短期間投資の実際の水準と言えます。
 
ただし、これはあくまで平均的なリターンを想定したものであり、実際の市場は変動します。
 
想定よりも上昇する場合も考えられますが、当然下落リスクもあり、特に運用終盤で相場が下落した場合、評価額が元本を下回ることも十分あり得ます。取り崩す時期と下落が重なると、利益どころか損失が出る可能性もあるため、過度な期待は持たないほうが安心です。
 

年金月22万円世帯の家計は安心?

老後資金のための投資を考えるうえでは、老後の収支バランスを把握することが欠かせません。
 
総務省の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の平均的な支出は月約26万円とされています。仮に年金収入が月22万円の場合、単純計算では毎月4万円程度の赤字になるおそれがあります。
 
もちろん実際の生活費は個人差がありますが、医療費や介護費の増加、自宅の修繕費、家電の買い替えなど、年齢とともに想定外の支出が増えていく点には注意が必要です。
 
また物価上昇の影響も無視できません。つまり、「年金だけで完全に生活できる」と考えるよりも、ある程度の取り崩しや補填を前提にした資金計画が現実的です。
 
この状況で投資に回す資金は、「生活費とは明確に切り分けた余裕資金」であることが重要です。生活費まで投資に回すと、相場下落時に取り崩しを余儀なくされ、損失が確定するリスクが高まると考えられます。
 

預金とNISAはどちらが正解? 後悔しないバランスの取り方

老後の備えとして、預金か投資かを考えるとき、二択で考えるのではなく、「役割を分けて併用する」ことが重要です。
 
預金の良さは、何と言っても元本が減らない安心感です。急な出費にも対応しやすく、老後の生活基盤としては欠かせません。ただし、現在の低金利環境では大きく増やすことは難しく、物価上昇によって実質的な価値が目減りするおそれがあります。
 
一方で、NISAを使った投資は価格の変動がありますが、インフレへの備えという意味では一定の役割を持ちます。
 
そのため、58歳というタイミングでは、生活費の数年分は預金で確保し、それとは別に無理のない範囲で積立投資を行う、という形がバランスの取りやすい方法です。「迷ったら半分だけやる」くらいのスタンスでも問題ありません。無理に最適解を目指すより、続けられる形を優先することが大切でしょう。
 

58歳からのNISAはバランスが重要

58歳からのNISAは、決して無意味ではありませんが、「大きく増やすための手段」として考えると期待とのズレが生じやすくなります。
 
7年間の積み立てで得られるリターンは限られており、タイミングによっては元本割れの可能性もあります。年金月22万円の平均的な世帯では、まず生活費の見通しを立てることが優先です。
 
そのうえで、預金と投資を無理のない範囲で組み合わせることが、結果的に安心につながる選択と言えるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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