NISAで「100万円・年利5%」で運用予定ですが、夫婦で「銀行かネット証券か」で対立中です。信託報酬“0.5%差”で20年後の資産はいくら差がつくのでしょうか? 影響を試算
「信託報酬はそんなに変わらないのでは?」と思うかもしれませんが、実はわずかな差でも長期的には大きな違いになることがあります。本記事では、信託報酬の基本的な考え方と、0.5%の差が20年後の資産にどのくらい影響するのかを具体的な数字で解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
信託報酬とは?
信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる運用管理費用のことです。購入時に一度だけ支払う手数料とは異なり、保有している限り継続的に差し引かれるのが特徴です。
そのため、わずかな差であっても、保有期間が長期にわたると、運用成果に大きな影響を与える可能性があります。
0.5%の差はどのくらい影響する?
信託報酬は日々の基準価額に反映されるため、厳密には利回りとは違ったものです。ただ、今回はイメージをつかむため、信託報酬0.5%の差をそのまま利回りの差として試算していきましょう。
20年間でどれくらい差が出る?
それでは、例として100万円を20年間、年利5%と4.5%でそれぞれ運用した場合の運用結果を見てみましょう。
・年利5%で運用→約265万円
・年利4.5%で運用→約241万円
このように、差額は約24万円となります。さらに、投資額を200万円に増やした場合は次の通りです。
・年利5%→約531万円
・年利4.5%→約482万円
この場合、差額は約49万円となり、投資額が増えるほど差も大きくなることが分かります。
なぜこんなに差が広がるのか?
このように差が広がる理由は「複利」の効果にあります。運用益が元本に含まれてさらに利益を生むことで、時間が経つほど差が拡大していきます。信託報酬が低いほうは、その分だけ多くの資金を運用に回すことができるため、長期になるほど有利になりやすいのです。
さらに、信託報酬は毎日少しずつ差し引かれる仕組みのため、運用期間が長くなるほど「差し引かれなかった分」がそのまま複利で増えていきます。つまり、コストの差が単なる「0.5%」ではなく、時間とともに雪だるま式に拡大していく点が大きなポイントです。
銀行でNISAを始めるメリット
銀行はネット証券よりも信託報酬が高く設定されていることがあります。しかし、銀行でNISAを始めるメリットもあります。例えば、対面で相談できる安心感です。投資初心者にとっては、商品選びや手続きについて直接相談できる点は大きな魅力でしょう。
また、普段利用している銀行でまとめて管理できるため、資産の把握がしやすいというメリットもあります。
加えて、投資に慣れていない人にとっては、無理のない範囲で運用を始めやすい点もメリットです。担当者と相談しながら進めることで、過度なリスクを取ることを避けやすく、心理的なハードルを下げながら長期投資を継続しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
銀行でNISAを始めるデメリット
一方で、銀行のNISAには注意点もあります。まず、取り扱っている投資信託の種類が限られていることが多く、信託報酬が比較的高い商品が中心になるケースもあります。また、NISA口座は1人1口座しか持てないため、一度銀行で開設すると、別の金融機関で同時に利用はできません。
さらに、銀行では基本的には個別株の取引ができないため、投資の選択肢が狭くなる点もデメリットと言えるでしょう。金融機関を変更する場合は手続きやタイミングに制限があるため、気軽に乗り換えにくい点も見逃せません。
特に、より低コストの商品に後から気付いた場合でも、すぐに切り替えられないケースがあるため、最初の金融機関選びが重要になります。
まとめ
信託報酬は一見わずかな差に思えても、長期運用では大きな差につながります。今回の試算では、0.5%の違いで20年後に数十万円の差が生じる結果となりました。
銀行でのNISAには安心感というメリットがある一方で、商品ラインアップやコスト面ではネット証券に劣る場合もあります。重要なのは、コストと利便性のバランスをふまえ、自分に合った金融機関を選ぶことです。長期投資では小さな差が大きな結果につながるため、慎重に判断することが大切です。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
