「退職金」を不動産投資に回す人もいるようです。預貯金のまま持つのと比べて、どのような違いがあるのでしょうか?

配信日: 2026.05.13
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「退職金」を不動産投資に回す人もいるようです。預貯金のまま持つのと比べて、どのような違いがあるのでしょうか?
退職金を受け取ったあと、そのまま預金にしておくべきか、それとも資産運用したほうがよいのかと悩む人は少なくありません。最近は、不動産投資へ退職金を活用するケースも耳にします。しかし、不動産投資には家賃収入が期待できる一方で、空室や修繕費などのリスクもあります。
 
本記事では、退職金を預貯金で持つ場合と不動産投資に回す場合の違いについて、メリット・デメリットを含めて解説します。
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退職金を預貯金で持つ場合の特徴とは?

退職金を預貯金として持っておく最大のメリットは、元本割れのリスクが低いことです。銀行預金であれば、大きく価値が減る可能性は比較的小さく、必要なときにすぐ引き出せます。そのため、老後は大きなリスクを取りたくないと考える人にとっては安心感があります。
 
特に退職後は、現役時代のように毎月安定した給与収入が入るわけではありません。病気や介護、住宅修繕など、予想外の支出が発生する可能性もあります。そのため、すぐ使える現金を確保しておくことは重要です。
 
一方で、預金金利は上昇しているものの、資産を大きく増やせる水準とはいえません。普通預金では、利息がほとんど増えないケースも多く、お金を置いているだけという状態になりやすいです。
 
さらに、物価上昇の影響も無視できません。以前より食費や光熱費が上がっているように、将来的に生活費が増える可能性があります。預金額自体は変わらなくても、実質的な価値が下がることもあるのです。
 
そのため、資産を減らしたくないという安心感を重視するか、少しでも資産を増やしたいと考えるかによって、選択は変わってきます。
 

不動産投資に回すとどのようなメリットがある?

不動産投資とは、マンションやアパートなどを購入し、家賃収入を得る資産運用方法です。
 
退職金を不動産投資に回す人がいる理由の1つは、毎月の家賃収入が期待できるためです。年金だけでは将来が不安だと感じる人にとって、定期的な収入源を作れる点は魅力といえるでしょう。
 
毎月数万円の家賃収入があれば、生活費の補助になります。預貯金の場合は、お金を使うと残高が減っていきますが、不動産投資では資産を保有しながら収入を得られる可能性があります。
 
また、インフレ対策として注目されることもあります。物価が上がる局面では、家賃も上昇する可能性があるためです。そのため、現金だけで持つより資産価値を保ちやすいと考える人もいます。
 
さらに、ローンを利用せず退職金で購入する場合、毎月の返済負担がない点も特徴です。現役世代より資金計画を立てやすいケースもあります。ただし、不動産投資は購入すれば必ず利益が出るというものではありません。立地や物件選びによって収益性は大きく変わります。
 
人口が減っている地域では入居者が集まりにくい場合があります。反対に、駅近や需要が高いエリアでは、比較的安定した家賃収入を期待できることもあります。そのため、不動産投資ではどの物件を選ぶかが重要になります。
 

不動産投資にはリスクや注意点もある

不動産投資にはメリットだけでなく、注意点もあります。代表的なのが空室リスクです。入居者がいなければ家賃収入は得られません。しかし、固定資産税や管理費などの支出は発生し続けます。
 
また、建物は年月とともに老朽化します。外壁や設備の修繕が必要になると、数十万円から数百万円単位の費用がかかる場合もあります。さらに、自然災害のリスクもあります。地震や水害によって建物が損傷すると、大きな修繕費が必要になる可能性があります。そのため、保険加入も重要です。
 
加えて、不動産はすぐ現金化しにくい特徴があります。預金のように必要なときすぐ引き出せるわけではありません。売却したくても、買い手が見つからないケースもあります。
 
退職後は、大きな損失を取り戻す時間が限られています。そのため、退職金をすべて不動産投資へ回すのは慎重に考える必要があります。特に、「絶対にもうかる」「老後も安心」と強くすすめられた場合は注意が必要です。不動産会社の説明だけで判断せず、複数の専門家や金融機関へ相談することをおすすめします。
 

大切なのは「すべてを投資に回さない」こと

退職金の使い方で重要なのは、「安心資金」と「運用資金」を分けて考えることです。老後は、病気や介護など予想外の支出が発生する可能性があります。そのため、生活費の数年分は預貯金として残しておく人も多くいます。
 
そのうえで、余裕資金の一部を不動産投資などへ回すという考え方もあります。すべてを預金にすると資産が増えにくい一方で、すべてを投資に回すとリスクが高くなるためです。
 
まずは、現在の生活費や将来必要になるお金を整理し、無理のない範囲で資産運用を検討しましょう。焦って大きな投資をするよりも、自分に合った方法をじっくり選ぶことが、退職後の安心につながります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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