父が“タンス預金300万円”を「NISAでオルカンに一括投資する」と言っていました。安全のために“分割か積み立て”のほうが良いですよね?「10年後の資産額」を比較

配信日: 2026.05.22
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父が“タンス預金300万円”を「NISAでオルカンに一括投資する」と言っていました。安全のために“分割か積み立て”のほうが良いですよね?「10年後の資産額」を比較
父親が「タンス預金の300万円をNISAでオルカンに一括投資する」と聞くと、「タンス預金を一括投資すると税金面で問題はない? 分割や積立のほうが安全では?」と感じる人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、タンス預金と税金の関係を整理しつつ、一括投資と積立投資の違い、そして実際にどれくらい増えるのかを具体的な数字で見ていきます。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

タンス預金だから税金がかかる?

まず前提として、「タンス預金だから税金がかかる」ということはありません。税金はお金の保管場所ではなく、「誰から誰へどのように移転したか」で判断されます。
 
そのため、自分の資産を現金で持っていたものを投資に回すだけであれば、課税されることはありません。
 
ただし、相続や贈与が絡む場合はタンス預金とは別の考えにより、税金の問題が出てくるため、その点は切り分けて考える必要があります。
 

NISAで300万円をそのまま一括投資できない

タンス預金かどうかにかかわらず、実はNISAを活用して300万円をそのまま一括で投資することはできません。NISAは制度上、一括で投資できる「成長投資枠」には年間240万円までの制限があるためです。
 
そのため、オルカンに投資する場合でも、240万円まではNISAの成長投資枠を使用し、それを超える分はつみたて投資枠で積立投資する、課税口座での投資にする、翌年に回すといった対応をする必要があります。
 
なお、NISAで毎月定額を積み立てる「つみたて投資枠」は年間で最大120万円まで利用が可能です(両方合わせて、最大年間360万円、生涯で1800万円が上限)。
 

積立投資した場合、10年でいくらになる?

ここからは、タンス預金300万円をあえて一括投資せずに、時間分散して積立投資した場合をイメージしてみましょう。
 

【前提】

・投資額:毎月2万5000円
・期間:10年(元本300万円)
・年利:5%

 
この条件で試算すると、10年後の資産額は約387万円となります。つまり、元本300万円に対して約87万円の増加となり、時間をかけて徐々に資産を増やしていく形になります。
 

一括投資した場合はどうなる?

次に、一括投資のケースです。NISAの上限を踏まえ、ここでは240万円を一括で投資した場合をみていきましょう。
 

【前提】

・投資額:240万円
・期間:10年
・年利:5%

 
この場合、10年後の資産額は約391万円となります。元本は積立よりも少ないにもかかわらず、最終的な金額は積立と同程度以上になりました。
 

なぜ一括投資のほうが有利になる?

一括投資のほうが有利になった理由としては、運用期間の長さによる複利効果の最大化にあります。一括投資では、最初からまとまった資金が市場に投じられるため、全ての資金が10年間フルで運用され、複利の効果を最大限に受けることができます。
 
一方、積立投資は資金を少しずつ投じるため、後半に投資した資金ほど運用期間が短くなります。その結果、同じ利回りでも最終的な資産額に差が出やすくなります。
 

一括と積立、どちらを選ぶべき?

今回のシミュレーションでは一括投資のほうが得に見えますが、一括投資のほうが必ず良いとは限りません。一括投資は、投資した直後に相場が下落した場合、その影響を大きく受けるリスクがあります。
 
特に、タンス預金のように長く現金で持っていた資金を一度に投資する場合、心理的な負担も大きくなりがちです。
 
一方、積立投資は価格が高いときも低いときも一定額を投資するため、購入単価を平均化する効果(ドルコスト平均法)が期待できます。タイミングのリスクを抑えたい人には向いている方法といえるでしょう。また現実的には、一部を一括、残りを積立といった分散も有効です。
 

まとめ

タンス預金だからといって税金がかかることはありませんが、タンス預金300万円を投資に回す場合、NISAの成長投資枠だけでは全額を一括で非課税投資することはできません。とはいえ、10年運用の試算では、元本が少なくても一括投資のほうが有利になる結果となりました。
 
ただし、これはあくまで一定の利回りを前提としたシミュレーションであり、実際の運用では価格変動のリスクがあります。重要なのは、「どちらが得か」だけでなく、「自分が続けられるか」「リスクに耐えられるか」です。資金の性質や心理面も踏まえながら、無理のない方法を選ぶことが大切といえるでしょう。
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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