楽天株を「1株1500円」で“60万円分”購入したら、含み損が「30万円」に! 今は“700円台”ですが、持ち続ければいつかは戻りますか?「もったいない欲」に惑わされず手放すポイントとは
結論からいえば、株価がいつか戻るかどうかは誰にも断言できず、感情ではなく前もって決めた基準で向き合う姿勢が何より大切です。今回の記事は、高値づかみの意味から、損切りの心構えやタイミング、もったいない欲と呼ばれるサンクコスト効果まで、順を追って解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
高値づかみとは?
高値づかみとは、株価が大きく値上がりした局面で買ってしまい、その後の反落で含み損を抱える状態をいいます。
株価が上がり続けると、まだ上がるという期待から買いが買いを呼び、つい高い水準で手を出してしまいがちです。上値を追う買い手がいなくなると相場は下落へ転じ、天井近くで買った人ほど大きな損失を背負いやすくなります。
楽天株を1株1500円で60万円分買い、30万円の含み損を抱えた事例も、まさに典型的な高値づかみといえるでしょう。株価が移動平均線から大きく上へ離れた水準は、高値づかみが起きやすい目安として広く知られています。
投資で損したときの「損切り」の心構えとタイミング
投資で損が出たときにまず大切なのは、負けを認めたくないという感情を切り離し、前もって決めたルールどおり淡々と損切りする姿勢です。
売るまで損は確定しないと考えて持ち続けると、下落が止まらない場合には損失だけが大きくふくらんでしまいます。損を取り戻したい一心で無理な取引を重ねると、ほかの場面でも冷静な判断ができなくなり、かえって傷口を広げてしまいがちです。
損切りのタイミングをぶれずに見極めるには、自分なりの判断基準をあらかじめ用意しておくと安心です。代表的な決め方には、次のような3つの考え方があります。
・損失率や損失額で決める:値動きの小さい株なら購入価格から5%程度、値動きの大きい銘柄なら10~15%ほど下げた水準を撤退の目安にします。
・テクニカル分析で決める:25日移動平均線を一定の割合で割り込んだら売る、といった基準を設けます。
・買った根拠が崩れたら決める:業績や事業環境が想定と変わり、保有する理由が薄れた時点で見直します。
ルールを決めても、いざとなると感情に負けて実行できない人は少なくありません。設定した株価で自動的に売れる「逆指値注文」を使っておくと、相場に張り付かずに判断のブレを抑えられます。いつか戻ると願って塩漬けにしてしまうと、ほかの有望な銘柄へ資金を回す機会まで失ってしまいます。
もったいない欲(サンクコスト効果)は冷静な判断を鈍らせる
すでに使ったお金は戻らないと割り切り、今の株価を起点に判断する姿勢が、損失の拡大を食い止めてくれます。
サンクコスト効果とは、もったいないという気持ちから、回収できない出費に引きずられて合理的に動けなくなる心理をいいます。30万円も損したのだから戻るまで待ちたいという思いは、まさにサンクコスト効果が判断を鈍らせている状態です。
防ぐ手だては、過去の投資額を一度忘れ、「今の評価額である30万円を元手に、今からこの銘柄を新たに買いたいか?」と問い直すゼロベース思考です。期限や金額で撤退ラインをあらかじめ決めておくと、もったいない欲に流されず、冷静に手放せるようになります。
まとめ
高値づかみは、株価が高い局面で買ってしまい、その後の下落で含み損を抱える失敗をいいます。損を取り戻したい一心で持ち続けると、塩漬けが進み、損失も精神的な負担も大きくふくらみがちです。
楽天株のような含み損も、感情ではなく決めた基準で向き合えば、次の一手を落ち着いて選べるようになります。不安を感じたときこそ一度立ち止まり、自分の投資の目的や期間をふまえて、無理なく続けられるかを見直しましょう。
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

