転職先は「固定残業代8万円」ですが、いわゆるブラック企業でしょうか? 辞退すべきか迷ってます…

配信日: 2023.07.13

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転職先は「固定残業代8万円」ですが、いわゆるブラック企業でしょうか? 辞退すべきか迷ってます…
所定の労働時間を超えて仕事をしたときは、時間に応じた残業代が支給されます。ただ、勤務先によっては「固定残業代」として給与に含めているケースもあります。固定残業代の場合、支給額は会社によってさまざまです。そのため、実際の残業時間に見合った額であるかどうか疑問を持つ人もいるでしょう。
 
今回は、固定残業代が8万円だったケースを例に、ブラックなのかどうかを解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも「固定残業代」とは何か?

固定残業代とは、残業時間に関係なく月々に支給される残業代があらかじめ決められている制度のことです。残業時間に関係ないといっても、通常は上限が決められています。
 
例えば「月○時間までの残業に対して8万円」といった具合です。そのため、残業が少なければ労働者にとってお得な制度といっていいでしょう。なお、実際の残業時間で計算した額が固定残業代より多いときは、雇用者はその差額を追加で支払う必要があります。
 
また、固定残業代の導入については、就業規則などに明記しておかなければなりません。求人票にもその事実をきちんと記載することが求められています。
 
その際「固定残業代を除いた基本給の額」「固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法」「固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨」の明記も必要です。
 

固定残業代8万円はブラックなのか?

固定残業代の金額のみで、ブラックかどうか判断するのは難しいです。それでは、残業代が月8万円で固定されている場合、何時間残業するとブラックといえるのでしょうか。固定残業代が妥当な額かどうか考えるには、まず時給を知る必要が出てきます。
 
例えば、月20時間残業した場合は「8万円÷20時間」で時給は4000円です。40時間残業した場合は時給2000円、60時間残業した場合の時給は1333円ほどになります。時給が算出できたら、働いている地域の最低賃金と比較してみましょう。
 
東京都の場合でいえば、2023年7月時点での最低賃金は1072円です。つまり、月60時間残業した場合でも固定残業代が8万円ならブラックとはいえないでしょう。
 
ただし、残業時間の上限は法律で決められており、原則として月45時間(年360時間)までです。45時間で計算しても、8万円なら時給は1700円を超えます。残業しても、45時間以下なら条件は良いといっていいでしょう。ただし、損はしなくても残業はできるだけ少ないのが1番です。
 

特別な事情がある場合は注意!

残業の上限は月45時間ですが、特別な事情で労使協定(36協定)が締結されていれば年720時間まで残業時間を増やすことが認められています。ただし、月45時間を超えて残業させていいのは年6ヶ月までです。
 
そのうえ、実際の残業時間より固定残業代が少ないときは、不足分を支払うのが雇用者の義務となっています。労使協定によって残業時間が増える時期があるときは、残業代の不足がないか確認してみましょう。
 

「固定残業代」になっているときは時給に換算して確認を

そもそも残業がほとんどない職場なら、固定残業代はお得な制度です。しかし、残業が常態化しているときは、残業分の時給がいくらになるか計算してみる必要があります。そして、働いている地域の最低賃金と比較してみることです。明らかな不足があるときやそもそも残業時間が多いなどの問題があるときは、管轄の労働基準監督署に相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。

厚生労働省 しっかりマスター労働基準法

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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