更新日: 2023.11.02 キャリア

【倒産率第1位!?】 脱サラ希望者が知るべき「カフェ」「ラーメン屋」など飲食店開業の現実

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【倒産率第1位!?】 脱サラ希望者が知るべき「カフェ」「ラーメン屋」など飲食店開業の現実
会社員のなかには、脱サラしてカフェやラーメン屋を開業したいと考える人はいるでしょう。しかし、経営がうまくいって収入もやりがいも手に入れて満足する人がいる一方で、なかなか軌道に乗らずに廃業してしまう人も多いということをご存じでしょうか。
 
本記事では、統計データをもとに飲食店開業の現実について解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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飲食店の開業率や廃業率は?

飲食店業界は、「開業する人が多いが、廃業する人も多い」業界として知られています。中小企業庁が公表した「小規模企業白書(2022年版)」によれば、2020年の全業界の平均開業率は5.1%、廃業率は3.3%でした。
 

※開業率:新規オープンした事業所÷すでに存在していた事業所×100
※廃業率:廃業した事業所÷すでに存在していた事業所×100

 
業種別に見てみると、「宿泊業、飲食サービス業」の開業率は17.0%と、全業種中トップでした。しかも、2位は7.6%(生活関連サービス業、娯楽業)なので、1業種だけ抜群に高い数値となっています。
 
ただ、比較的始めやすく競合の多い「宿泊業、飲食サービス業」は、廃業率も5.6%と高く、こちらも全業種のなかで最も高いという結果でした。ちなみに、2位は開業率同様「生活関連サービス業、娯楽業」で4.5%となっています。廃業率が低い業界としては、「医療・福祉」と「運輸業、郵便業」が2.3%、「教育、学習支援事業」が2.6%と続きます。
 

廃業したらどうなる?

逆説的ですが、開業を考えるなら、「廃業したらどうなるか」を知っておくことが大切です。
 
飲食店を開業する際は、その資金を銀行などから借りる人が多いです。しかし、お店が経営不振などで続けられなくなり廃業に至ったからといって、この借金がなくなるわけではありません。
 
したがって、「お店がなくなり借金だけ残る」という状況になっても、どうにかして返済していく必要があります。返済できず、自己破産する人もいます。家族を養っている人は特に、この点をシビアに考えておくべきでしょう。
 
ただ、「廃業=すべて終わり」ではなく、出直してもう一度開業する人もいますし、自分には向いていなかったとすっきり吹っ切れて会社員に戻る人もいます。廃業したからといって、その後の経営者の可能性がすべて閉ざされるわけではありません。
 

開業のリスクを抑える方法

安定した収入を捨てて、競争の激しい飲食店業界で開業するには、相応のリスクがあります。もしリスクを抑えて開業したいなら、以下のような選択肢も検討してみましょう。
 

・フランチャイズに加盟する
・スモールスタートを心掛ける
・フリーランスとして活動していく

など

 
いきなり目立つところで大きな店を借りて、たくさんの従業員を雇って開業すると、莫大なコストがかかります。知識や経験がないまま飛び込むのは危険です。
 
フランチャイズに加盟してノウハウや成功パターンを教わるのも一つの方法ですし、開業当初は店を持たずに間借りしたり、週末だけ営業したりしながら徐々に大きくしていくのもおすすめです。
 
近年は店を持たないままSNSなどで集客し、フリーランスとして収入を得ている人もいます。実際に開業する前にできるだけ多くの失敗事例や成功事例を集めて、自分なりに分析して経営戦略を練ってみましょう。
 

まとめ

「カフェやラーメン屋を開きたい」「自分の店を持ちたい」と憧れる人は多いですが、現実は甘くありません。夢や理想を追いかけて勢いで開業してしまう前に、飲食店開業の現実をよく知っておきましょう。
 

出典

中小企業庁 小規模企業白書 2022年版 第1-1-36図 業種別の開廃業率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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