介護士の月収はいくら?給与の違いや給与を上がる方法を解説
配信日: 2021.01.01
しかし介護ニーズは今後ますます伸びていくといわれており、介護士は将来性抜群の仕事です。そのため給与事情をきちんと把握しておきたいですよね。
そこで今回は実際にいくら稼げているのか気にしている人に向けて、介護士の月収はいくらなのか、給与の違いや給与を上がる方法を解説します。給与の疑問を解消するために、介護士の仕事に興味がある人や、給料アップを目指している現役介護士の人も、ぜひ当記事を役立ててください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
介護福祉士の平均月収額は約31万円
まずは厚生労働省発表の資料をもとに、介護士の月収(平成30年度)をみてみましょう。平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果を参照しています。
●介護福祉士の平均給与額 月収31万3920円
国家資格の介護福祉士は、およそ31万円の月収(額面)です。年収に換算すると376万7040円となります。
働く施設の種類によって月収に差が生まれる
介護士は多岐にわたる施設で働いています。働く施設の種類によって月収に差が出るので、ここでは介護職員の平均月収をご紹介します。
●介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム・特養) 平均月収33万2260円
●介護老人保健施設(老健) 平均月収31万7350円
●訪問介護事業所 平均月収29万1930円
●通所介護事業所(デイサービス・デイケア) 平均月収26万2900円
●認知症対応型共同生活介(グループホーム) 平均月収27万6320円
施設ごとに性格が異なり、仕事内容に差が生じるため月収に違いが生まれます。さらに細かくみていけば、施設や事業所の規模、運営母体の違い(地方公共団体、社会福祉法人、医療法人など)でも月収は異なることを知っておきましょう。
資格や働き方によって月収に差が生まれる
介護士の仕事は資格の有無で月収にはっきりと差が出ます。
●介護福祉士の平均給与額 月収31万3920円
●実務者研修修了者の平均給与額 月収28万8060円
●介護職員初任者研修修了者の平均給与額 月収28万5610円
さらに、常勤・非常勤、月給・時給といった働き方によっても差が生まれ、常勤が優遇されています。
働く都道府県で月収に差が生まれる
地域差で介護士の月収に差が生まれることも知っておきましょう。もっとも稼げる地域は、東京となります。
介護士の給料はこれから上がる?
介護士の処遇改善は、介護ニーズが高まるなか安定して介護人材を確保するために急いで解決すべき課題です。介護士が自信を持って働けるように政府主導で進められています。そのため介護士の給料は右肩上がりの傾向にあり、これからさらに上がることでしょう。
「介護職員等特定処遇改善加算」による賃上げ
政府は介護士の処遇改善のために「処遇改善加算」を導入し、さらに「介護職員等特定処遇改善加算(特定処遇改善加算)」による賃上げを進めています。処遇改善加算は「キャリアパス要件」「職場環境等要件」を満たす事業所で働く介護士の賃金を改善するものです。
特定処遇改善加算とは、簡単にいえば、経験や技能といったキャリアのある介護士を対象に、さらに処遇改善を実施していくもの。これらの改善が若い世代への希望にもなり、多くの潜在介護福祉士が介護の現場に戻って来てほしいとの願いも込められています。
勤続年収10年を目指して月収アップ
勤続10年以上の介護福祉士の給与は8万円アップするのか?と話題になっているのが特定処遇改善加算です。職場で最低1人以上、キャリアを重ねた介護福祉士の賃金を、月8万円以上アップさせるか、年収440万円以上にするというもの。残念ながら一律給与アップする、というものではありませんが、勤続年数10年以上の経験・技能のある介護福祉士の処遇の改善へ一石を投じる施策です。
キャリアを積んでいる介護福祉士を厚遇しようという、政府の施策の方向性の表れだと考えていいでしょう。
介護士の月収を上げる近道!資格取得を目指す
介護士の仕事は、厚生労働省発表の資料から、資格取得により月収に差が生まれることがわかりました。ここでは資格取得方法を解説します。
無資格から介護福祉士の資格を取得するには?
介護士の仕事は、キャリアパスが急ピッチで整備されています。介護人材の養成体系は次のとおりです。
1.無資格
2.初任者研修修了者
3.実務者研修
4.介護福祉士
5.認定介護福祉士
資格を順次取得していけば確実に賃上げを期待できるので、月収を上げるために資格取得は必須です。
給料引き上げ以外の処遇改善も政府は取り組んでいます。「介護福祉士の資格取得を目指す職員に対する実務者研修の受講支援」という改善案があり、数多くの事業所や施設で導入されています。
介護福祉士資格取得についての補助とは、410時間におよぶ研修時間と12万円の研修費用がネックとなり、受験資格のハードルの高さが問題視されてきた状況を打破するためのものです。「実務者研修の受講支援」とは、この研修を受講する負担を軽減するためのもので、資格取得へのハードルが下がりつつあります。
そのため勤務先の法人によっては、福利厚生の一環で資格取得を支援しており、その場合は資格取得にかかる金銭的負担が発生しません。勤務先の内部規定をしっかり調べて、おトクに資格取得を目指しましょう。
資格取得のほかにも見逃せない!月収を上げる4つの方法
ここでは資格取得以外に、介護士が月収をアップできる4つの方法を解説します。
月収アップにつながる手当をもらう
介護士の給与には残業手当や夜勤手当など各種手当が含まれています。介護福祉士の資格があれば、資格手当を用意している法人もあるのでぜひチェックしてください。そこで充実した手当を支給している施設へ転職すれば、月収アップにつながるのです。と特に勤手当は金額に大きな開きがある場合があるため、忘れずにチェックしましょう。
ケアマネージャーや生活相談員へキャリアアップ
経験を積んだ国家資格の介護福祉士が次のステップとして、ケアマネージャー(介護支援専門員)あるいは生活相談員へキャリアアップすることで月収が増えます。ケアマネージャーも生活相談員も、介護福祉士がキャリアアップの手段としてよく選択する働き方です。ケアマネージャーは任用資格ですが、生活相談員は職種の名称です。
ケアマネージャーの仕事は、高齢者の介護や支援のサービス設計図(ケアプラン)を作成する一方、生活相談員の仕事は高齢者やその家族の相談にのり、高齢者が安心して生活できるようサービス計画を立案します。
生活相談員は自治体によって規定がさまざまなため、介護福祉士の資格を有している者が対象になるかどうかチェックしてみましょう。
役職が上がれば手当も増える
介護士の職場では、「主任」「ユニット長」「サービス提供責任者」といった役職があり、役職が上がれば手当も増え月収が上がります。もちろん管理職としての資質や経験が必要です。現場職員を指導したりマネジメントしたりする能力を求められます。
現在のキャリアをベースに転職することで役職を上げるのもひとつの方法です。ひとつの法人で経験年数を重ねていきたい人にとっても、すぐに目指せるひとつの目標となります。
給与や手当の多い施設へ転職する
介護士の仕事は、勤務する施設や事業所の種類、運営母体、地域、さらに働き方を変えると月収を増やせます。月収や福利厚生など自分の希望条件を明確にして求人を探せば、希望に近い仕事が見つかるでしょう。
手当やキャリアアップ、勤務先や働き方を変えると月収を増やせる!
今回は、介護士の月収について詳しく迫ってみました。介護士の仕事は地域、勤務する施設・事業所、運営母体によって月収に差が生じます。今よりも月収をアップさせるには、条件のいい職場へ転職するのもひとつの方法です。キャリアパスが明確に示されているので、資格取得をすれば確実に月収を増やせます。
介護ニーズの高まりのなか、介護の仕事現場は安定して介護士を確保するのが難しい状況が続いています。政府は本腰をあげて、介護士の処遇改善のためにさまざまな施策を進めているところです。介護士の処遇は改善傾向にあるため、将来性のある介護士の仕事にぜひチャレンジしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:星野宏
・キャリアサポートオフィス process代表 キャリアコンサルタント
・キャリアコンサルティング技能士1級
・公認心理師