介護福祉士が転職を考える理由は?スキルを行かせる職種も紹介 |ファイナンシャルフィールド

介護福祉士が転職を考える理由は?スキルを行かせる職種も紹介

終更新日: 2021.02.05 公開日: 2021.01.31

堺 孝善

執筆者: 堺 孝善

人事組織コンサルタント、国家資格キャリアコンサルタント、早稲田大学大学院経営管理研究科(MBA)
福岡県福岡市生まれ。 大学卒業後、大手人材サービス会社で2500名以上のキャリア支援に携わる。

早稲田大学大学院でMBAを取得後、外資系コンサルティング会社に勤務。

業務コンサルティング部門の管理職として、金融や通信業界を中心に業務改善、収益改善のプロジェクトを担当。テクノロジーを活用したプロセス設計や、カウンセリングをもとにしたキャリア支援や組織の活性化が専門。

「人が活き活きと活躍できる社会を創る」をライフワークに執筆・講演などを行う。

現在、Podcastで40歳のキャリアについて考える番組「40歳のディスタンス」を配信中。
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/id1495042062
高齢化社会で需要の高まっている介護の仕事。その最前線で働く介護福祉士ですが、さまざまな理由で転職を希望する方も多いようです。こちらの記事では、介護福祉士が転職を希望する理由や転職におすすめの職種や業種、転職を成功させるポイントについてまとめていきます。

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介護福祉士が転職を考える理由は?

まずは、介護福祉士として働く方が転職を検討する理由はどのようなものかをまとめていきます。人間関係や給与など、介護業界ならではの理由も多く該当しているようです。



同僚や上司との人間関係の不満

介護福祉士は、1人でコツコツとやる仕事ではなくスタッフが連携して皆でコミュニケーションしながら進める必要がある仕事です。その分、人間関係のトラブルが起こりやすい職種です。介護労働安定センターの調査によれば、転職理由として男女合わせて最も高いものに、職場での人間関係が悪いことを挙げる方が多くなっています。

女性なら後述する結婚や出産による退職や、男性なら将来のキャリアが見込めないなど、それぞれの性別による退職理由もありますが、人間関係のトラブルは性別に関係なく陥りやすい問題だということがわかりますね。

参考:令和元年度 介護労働実態調査の結果と特徴|公益財団法人 介護労働安定センター



結婚や妊娠など

女性の働く比率が高い介護業界なので、結婚や妊娠、出産を機に退職するという方が多いです。また夫の職場に合わせて引っ越しがある場合などは転職になる方も多くなっています。力仕事が必要になる職種ですので、妊娠中は仕事をするのが難しいということで早めに休職するケースも多いです。

シフト制の仕事となるので、子育てをしながら両立するのが難しく、他の業種・職種へ転職するという方も多いのが現状となっています。



低給による将来の不安

他業種との比較で、給料が低いのが介護業界の課題となっています。令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、看護職員の平均給与額が約38.3万円であるのに対し、介護職員の平均給与額は約32.5万円となっていてます。

だんだんと水準は上がり始めていますが比較すると低水準だといえるでしょう。そこから将来に不安を感じる方が転職を決意することも多いです。特に男性は、介護職を続けながら家庭を持てるのか不安に思い転職することも。

もともと、さまざまな働き口の1つとして介護の仕事を見ていて、他に正社員として働くところがなく選んだという方は特に、他に給料の良い職場を見つけたら転職する傾向が高いです。



介護福祉士の転職におすすめの他職種は?

ここからは、介護福祉士が転職して働くのにおすすめの他職種をご紹介します。同じ介護業界の他職種から、別の業界の全く違う仕事までまとめてみました。



体力面がつらかった方向けの事務職

介護福祉士という職業は、力仕事が必要で体力勝負なところがあるため、体力面がつらかったという方は事務職がおすすめです。事務職はさまざまな業種で募集されている職種ですが、介護業界には携わっていたいという方なら、介護施設の事務職に応募してみるといいでしょう。

それまで介護福祉士として働いていた経験もあるので、それまでの経験や知識を生かして働くことができます。また、事務職ならシフト制でなく暦通りの勤務となることがほとんどですので、子育てとの両立もしやすく女性の働きやすい職種といえるでしょう。



コミュニケーション能力が生かせる営業職

介護福祉士の仕事は、たくさんの利用者の方とコミュニケーションを取ったり、他の職員とも連携を取りながら進めていくので、そのコミュニケーション能力を生かして営業職を選ぶのもおすすめ。特に、介護用品を販売するメーカーや卸業の営業なら、これまでの介護職の経験も生かせるため人気があります。

営業は人とのコミュニケーションを取りながら仕事をしていきたい、という方におすすめの職種です。他の業種に比べると、採用率は低い傾向にありますがチャレンジしたい方は応募してみるといいでしょう。



チャレンジしやすいサービス業

コミュニケーション能力の高さを生かせて、さらに比較的募集が多くチャレンジしやすいのがサービス業です。介護業界とは違う仕事がしたいけれど、人とのつながりを感じられる仕事がしたいという方や、比較的スムーズに採用される職種に転職したいという方は、サービス業をチェックしてみるのがおすすめ。

ただし、介護業界と同じくシフト制での仕事になることや、比較的体力勝負な仕事が多いことは念頭に置いておきましょう。



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また介護施設に転職するなら?

今の介護施設では働きたくないけれど、まだ介護業界には携わりたいという方や、介護福祉士として仕事をしていきたいという方は、どのような点をチェックして募集を探すのがいいかを知っておきましょう。

なんとなく選んでしまうと転職を繰り返すことになり、自分のキャリア形成につながらないことにもなるため、最低限ポイントは押さえておくのが大切です。



人手が足りているかどうかチェック

介護福祉士は、基本的にシフト制で働くことになるので、人手がしっかりと足りている施設でないと1人あたりの負担が大きくなるため注意が必要。通常の夜勤明けは休みを入れる必要があったり、充実した人数で利用者の対応をするものですが、人手が足りない施設だと夜勤明けで出勤させられたり少ない人数で過重労働を強いられることもあります。

また、そのように人手が少ない施設はいざ退職する時に辞めないようにモラハラを受けたりする恐れも。充実した人数で余裕を持って介護ができるかはとても大切なポイントです。



雇用条件と実情の乖離を確認

応募する段階ではとても条件がいいように書いていても、いざ働いてみると書いていた条件と違う!ということもないとはいえないので、残業時間や離職率、平均年齢など入念にチェックしてから応募するのがいいでしょう。

そのためには、個人で転職活動をしていたらチェックしきれないことも多いので、実情を教えてもらえるプロのアドバイザーなどを通して教えてもらうのがおすすめ。



転職後、長続きする職場の選び方

転職したのに、また働きづらくて転職したい、とならないようにしっかりと長続きする職場を選びたいものです。ここからは、転職を成功させるための職場の選び方を紹介。やはり、自分がやりがいを持って働けるかどうかということは、とても大切です。



積極的に働きたいと思える業種・職種を選ぶ

結論からいうと、自分がどのような働き方がしたいのか、ブレないように職場を選ぶのが大切です。どのような業種や職種で活躍したいのかということを明確にし、重視したいポイントを見つけて優先順位をつけましょう。

楽しく働けているけれどシフトが厳しかったり、定時で帰れるけれど、そこまでメンバー同士が仲良くなかったり、何かしらのデメリットはあるでしょう。それでも自分が望むポイントだけはかなえられている職場なら、続けていくことができるものなので、自分が重視するポイントを考え、その中でもさらに優先順位をつけるようにしてみてください。

この業種で働けるなら、少々つらくても頑張れる、というような自分の軸が見つかれば、転職後もうまくいくでしょう。また、一口に人間関係が良好といっても、人それぞれ何がいいのかは変わります。

プライベート以外でも遊びに行くような関係がいいと思うのか、それぞれがドライに粛々と仕事をこなす関係がいいと思うのかは人それぞれ。自分が働きやすいのはどのような職場かを、しっかりと考えてから転職を進めるのが大切です。



複数の企業を比較して決める

自分の働きたい職場像や働き方の理想が思い描けたら、次は複数の企業を比較してみましょう。1社見ていいなと思っても、他の企業と比べてどうか、という点はチェックできません。

比較検討することで、このポイントはこちらの方がいいけれど、ここはこちらの方が優れているなど、見比べてジャッジすることができます。相対的に企業をチェックすることが、いい企業を見分けるポイントです。



情報収集して介護福祉士の転職をうまく進めよう

こちらの記事では、介護福祉士が転職を考える理由や、転職をうまく進めていくためのポイントについてまとめてきました。自分が働く上で優先したいことをしっかりと考え、どの企業ならそれがかなえられるかを比較検討しながら、転職を進めていきましょう。



出典
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働の現状について」
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」


※2021/2/5 内容を一部修正させていただきました。

監修:堺 孝善
・人事組織コンサルタント
・国家資格キャリアコンサルタント
・公早稲田大学大学院経営管理研究科(MBA)


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