【世代別年収】工場・製造業勤務のお給料は高いのか? 徹徹底解説! 年収アップの方法も |ファイナンシャルフィールド

【世代別年収】工場・製造業勤務のお給料は高いのか? 徹徹底解説! 年収アップの方法も

終更新日: 2024.09.06 公開日: 2024.01.11

FINANCIAL FIELD編集部

執筆者: FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「工場や製造業に勤務する人の年収は高いのだろうか」と気になりませんか。製造業には賃金統計調査などには出てこない残業代や手当といった金額の大きな隠れた給与があり、データ上とは大きな違いがあります。今回は、工場や製造業勤務の気になる年収の実態について解説していきます。

工場・製造業勤務の年収

工場・製造業勤務の年収について、厚生労働省の統計を基に詳細を解説します。

工場・製造業勤務者の年代別平均年収

厚生労働省実施の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、工場・製造業勤務者の年代別平均年収は図表1のとおりとなります。

【図表1】
※平均年収は発表されている月額平均賃金を12ヶ月乗じたものです。

年代 平均年収
19歳以下 220万9200円
20歳以上 244万800円
25歳以上 280万5600円
30歳以上 313万3200円
35歳以上 354万3600円
40歳以上 387万3600円
45歳以上 408万9600円
50歳以上 432万3600円
55歳以上 443万8800円
60歳以上 330万4800円
65歳以上 276万円
70歳以上 259万2000円

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を基に作成

製造業の平均年収に関しては、一般的に年齢による昇給がおこなわれており、60歳を超えると役職を外れることが多いため、60歳になると年収が下がり、再雇用の賃金体系へと移行することも一般的です。

工場・製造業勤務者の平均年収

厚生労働省がおこなった「令和4年賃金構造基本統計調査」では、工場・製造業勤務者の全年代における平均年収は、361万8000円となっています。

業界別平均年収

厚生労働省実施の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、業界別の平均年収は、図表2のとおりです。

【図表2】
※平均年収は発表されている月額平均賃金を12ヶ月乗じたものです。
業種 平均年収
電気・ガス・熱供給・水道業 482万4000円
学術研究,専門・技術サービス業 462万6000円
情報通信業 454万5600円
教育,学習支援業 453万2400円
金融業,保険業 448万8000円
鉱業,採石業,砂利採取業 416万8800円
不動産業,物品賃貸業 407万4000円
建設業 402万4800円
卸売業,小売業 377万5200円
製造業 361万8000円
複合サービス事業 358万5600円
医療,福祉 356万400円
運輸業,郵便業 342万4800円
生活関連サービス業,娯楽業 325万9200円
サービス業(他に分類されないもの) 322万800円
宿泊業,飲食サービス業 308万8800円

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を基に作成

製造業の平均年収は、全業種の中で10番目に位置しており、真ん中よりも少し低い水準です。ただし、これだけで製造業の平均年収が低いと結論づけることはできません。

賃金構造基本統計調査の賃金には、残業代、深夜勤務手当、交替勤務手当などの製造業特有の手当が賃金に含まれていないため、残業代や諸手当を含めた金額を考慮すると、平均年収はさらに高くなります。
おすすめ関連記事

工場・製造業勤務者の年収が高い傾向にある理由

工場・製造業勤務者の年収が高い傾向にある理由としては、残業代の支給や夜勤手当、市場規模の大きさなどが挙げられます。ここでは、それぞれの要素について詳しく説明いたします。

残業時間が長い傾向にある

工場・製造業勤務者の年収が高くなる理由の一つは、残業時間の長さです。厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、製造業の平均残業時間は14.4時間であり、全産業平均の10.1時間よりも長いというデータがあります。

残業時間が平均よりも長いということは、それだけ多くの残業代を受け取ることができるため、高い収入を得ることができます。

夜勤など深夜勤務がある

24時間稼働の工場では、交替勤務がおこなわれ、深夜に働くことがあります。そのため、夜勤者には深夜勤務手当が支給されます。労働基準法第37条によれば、午後10時から午前5時までの間に勤務があった場合、2割5分以上の割増率で賃金を支払う義務があります。

昼夜2交替のシフト勤務をおこなう場合、月に何度か夜勤がありますが、その都度割り増しがつきます。たとえ残業が少ない月でも、深夜勤務の割増賃金が支給されるため、基本給以上の給料を受け取ることができます。

さまざまな手当を用意する企業が存在する

工場で働く人々の努力に報いるため、企業はさまざまな手当を提供しています。これが工場・製造業勤務者の年収が上昇する理由の一つです。例えば、自動車産業では、期間工という契約社員には、契約更新ごとに支給される満期慰労金のようなボーナスが存在します。

また、定められた出勤日に全て出勤すると皆勤手当という手当が出ることや、資格取得をすると報奨金や毎月の資格手当が支給されることもあります。

製造業は基本給だけを見ると給与が低いと感じる方もいらっしゃいますが、実際にモノづくりの現場で働く従業員にはしっかりと手当を支給し、彼らを大切にしているといえます。

市場規模が大きい

製造業の市場規模は非常に大きく、経済産業省の調査によると、日本全体のGDPの約2割を占めるとされ、依然として日本経済を支える重要な基幹産業と位置づけられています。

経済的な基盤がしっかりと整っているため、工場・製造業で働くと安定した給与を受け取ることができます。需要があるため、企業は生産を継続することができます。
おすすめ関連記事

工場・製造業勤務者の年収アップの方法

工場・製造業勤務者の年収アップ方法には、資格取得や昇進、長期勤続や転職など、さまざまな方法があります。ここでは、具体的に年収アップを実現するための方法について解説します。

業務関連資格の取得

工場・製造業勤務者の年収アップ方法として、業務関連資格の取得があります。業務関連資格を取得することで、特定のスキルや知識を身につけ、専門性を高めることができます。

例えば、工場の運搬作業に従事する方はフォークリフトの運転資格を取得することや、危険物取扱者の資格を取得することにより、毎月の資格手当を得ることが可能です。

ポイントはその資格者を法律で必ず設置する必要性がある資格や、その資格がなければできない業務が存在する資格を取得することです。任せてもらえる仕事が増えることで資格手当が支給されるだけではなく、資格者必置業務リストなどに名前が記載されます。

名前が掲載されることによって工場長や工場の管理職などから覚えてもらいやすくなり、昇進しやすくなる可能性もあります。

昇進

工場での勤務を継続し、着実に仕事をこなすことで、昇進を目指すことができます。役職に就くと役職手当が支給され、給与アップが期待できます。地道に仕事を積み重ねることで実績を築き、経験を積むことができます。これにより、上司や管理者からの信頼を得やすくなり、昇進の機会が増えます。

また、仕事の進行や同僚との協力に積極的にリーダーシップを発揮することは、昇進のチャンスを高めます。管理職やリーダーとしての役割を果たすことで、組織内での地位が向上し、それに伴い給与もアップすることが期待されます。

長期勤続して定期昇給を重ねる

長期勤続し、定期的な昇給を積み重ねることで、定年までに給与を増やす方法があります。特に業績の安定した企業で働いている場合には、効果的な手段となります。出世をすると、そのプレッシャーに耐えられないと感じている方でも、定期昇給が実施される企業で勤続すれば、役職につかずとも給与は上昇することができます。

ただし、製造業においては、勤続年数に応じて一般職から係長、課長、部長という順番で昇進し、部下を持つことによって昇給することが経営陣の一般的な希望です。昇進の打診があるにも関わらず頑なに昇進を断ると、会社内で居心地の悪い雰囲気になることも考えられます。

部下を持つことでプレッシャーを感じる方は、企業がエキスパート職制度を導入しているかどうかを確認する方法があります。製造業では、現場のモノづくりに専念したい職人肌の人材にも、部下を持たずに役職を持てる制度が用意されていることがあります。

エキスパート職制度があれば、部下を持つプレッシャーを感じることなく、現場でも尊重され、役職手当がつくことで昇給にもつながります。

企業によりエキスパート職制度の呼称は変化しますが、部下なしの管理職制度を設けている製造業があれば、求人情報などに掲載されていることがあるため、確認してみましょう。

積極的に残業や休日出勤をおこなう

積極的に残業や休日出勤をおこなうことで、給与を増やす方法があります。残業代は割り増しが適用されるため、基本給だけの状態よりも多くの給与を得ることが可能です。

一方で、残業や休日出勤によって得る残業代は、一時的な増収につながりますが、長期的には健康リスクや働き過ぎの影響を考慮する必要があります。労働時間が長すぎると、疲労やストレスが蓄積し、生産性や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、長時間労働によって健康状態が悪化し、メンタルヘルスに悪影響が及ぶ可能性が懸念されます。どうしても残業代で稼がなくてはならない、という状況以外では安易に選択しない方が良いでしょう。

部署異動

部署異動を申し出て、昇進につながる部署や、残業時間が多い部署へ移動する方法があります。役職者を多く輩出する部署は、それだけ企業の上層部から注目度の高い部門であることが多いです。
また、ずっと定時上がりで残業代が支給されず、生活が苦しい場合には、残業の多い部署へ人事異動させてもらう方法があります。

異なる部署で活躍することにより、柔軟性を示し、必要に応じて新しい業務やチームに適応できる能力をアピールしましょう。これが昇進や新たな挑戦を与えてくれる可能性を高めます。

大手製造業(大企業)への転職

転職によって企業規模を拡大させることで、年収を向上させる方法があります。厚生労働省が発表した令和4年の「賃金構造基本統計調査」でも、企業規模が大きくなるほど賃金が上昇していることが示されています。

中小企業で働いている場合でも、企業規模をアップさせる転職を検討することで、賃金を上げるチャンスがあります。ただし、注意点として、軽率に現在の職場を辞めることは避けるようにしましょう。

大企業に転職できたとしても、給与だけで決めることができない要素が多々あります。企業文化や仕事のやりがいなど、考慮すべき要素がたくさんあります。そのため、今いる職場を辞めても後悔しないかどうか、よく考えて転職を検討しましょう。
おすすめ関連記事

工場・製造業勤務のメリット

工場・製造業勤務をするメリットは、以下のとおりです。

●安定企業が多い傾向にある
●未経験者を積極的に採用する企業もある
●福利厚生がしっかりした企業が存在する


それぞれについて解説します。

安定企業が多い傾向にある

日本の製造業は安定企業が多いとされています。例えば、経済産業省による2023年5月発表の「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」によると、日本の製造業の平均賃金水準は全産業の中でも高く、雇用規模が大きいとされています。

安定した企業が多く、長期間同じ会社で安定した給与を受け取り、安定した生活を望む方には、製造業はおすすめできるでしょう。

ただし、安定した企業ほどグローバル化している傾向にあり、海外現地駐在員として海外勤務をする可能性もあります。例えば、海外で新たな工場を立ち上げる際には、国内の生産ラインを移管することがあり、そこで製造に従事していた従業員が現地指導員に選ばれることもあります。

未経験者を積極的に採用する企業もある

製造業は未経験者にとっても挑戦しやすい業種であり、製造業に興味を持つ人々にとっては大きなメリットです。多くの製造業では、未経験者向けの専門的な研修制度が整備されています。機械操作や製造プロセスに関するトレーニングが提供され、従業員がスキルを身につけやすい環境が整っています。

未経験者向けの研修の充実は、安定した高品質な製品を製造する必要があるということの裏返しです。製造業において、未経験者を雇用しても、品質を犠牲にすることはできません。

一方で、製品の需要に迅速に対応するためには定期的な人材採用が必要となります。そのため、自然と未経験者を採用し、育成する風土が根付いています。

福利厚生がしっかりした企業が存在する

製造業で働くメリットは、福利厚生が充実している企業が存在することです。一般社団法人 日本経済団体連合会による製造業と非製造業の福利厚生費の調査「福利厚生費調査結果報告」によると、法定福利費と法定外福利費の平均金額は、製造業が全産業平均や第三次産業の平均を上回っています。

製造業の福利厚生は、かなり手厚いものとなっており、働きやすい環境が整っているといえます。
おすすめ関連記事

工場・製造業勤務者の主な仕事内容

工場・製造業勤務者の仕事内容は、製造や生産技術、工務、生産管理、さらには工場勤務まで、幅広い範囲にわたります。ここでは、工場勤務者の仕事内容について詳しく解説します。

製造

製造の仕事内容は、主にライン作業となります。ライン作業には、組み立て作業や製品の加工、梱包(こんぽう)などが含まれます。組み立て作業では、製品の部品を取り出し、指定された順序や手順に従って丁寧に組み立てる作業をおこないます。

製品の加工は、原材料や部品に対して機械を使用して形状や特定の特性を付加する重要な作業です。この作業には多様な手法が存在し、加工の種類は製品や業界によって異なります。

梱包の仕事は、製品を丁寧に梱包し、輸送や保管に備える大切な作業です。梱包材料を使って製品をしっかりと保護し、指示通りに梱包箱に詰め込みます。

一般的に工場で働くといわれると、多くの人々が製造ラインでの作業を想像する傾向があります。実際に、工場の従業員の大部分はこのようなライン作業をおこなっています。

製造の仕事に従事する従業員は、工場で働く主力として、製造をサポートするために他の事務職が存在しています。製造の仕事は工場の主役であり、モノづくりの現場で最も尊重される存在です。

生産技術

生産技術の仕事は、製造工程を最適化し、生産性を向上させるために、技術的な知識とスキルを駆使する重要な役割です。

また、新しい製造設備や技術を導入する際には、最適な設備を選定し、計画・実行する役割も担当します。さらに、現行の設備や技術のアップグレードも担当することがあります。製造ラインの入れ替え作業等、大掛かりな仕事を担当する部署でもあり、製造ラインが完全に休止する日曜日や祝日、大型連休などの、休日に出勤することが多い部署です。

製造現場とのコミュニケーションも頻繁におこなわれ、時には製造現場から「作業がしにくい」「機械の設置位置が悪い」といったクレームが入ることもありますので、特にコミュニケーション能力が求められる職種です。

ストレスが多い仕事だといわれてしまうことが多い生産技術の仕事ですが、やりがいは非常に大きく、生産技術者は最新の技術や革新的な技術を導入することで、製造工程や能力を劇的に向上させることができます。

例えば、工場の自動化やIoT(Internet of Things)の活用などにより、生産ラインの効率を飛躍的に向上させることができます。これにより、企業が競争において優位に立つことが可能になります。

工場全体に大きな影響を与える仕事であり、やりがいは抜群の仕事であるといえます。

品質管理

品質管理の仕事は、製品やサービスの品質を確保し、向上させるためにさまざまな活動をおこなう重要な役割です。品質方針や目標を設定し、品質計画を立てることもあります。また、品質基準や検査手順の決定も含まれます。

製品が所定の品質基準に適合しているかどうかを確認するために、視覚検査や計測機器を使用して検査をおこないます。不良品や異常を特定し、品質問題を解決するための対策を適切に講じます。製造現場に対して品質の観点から指導をおこなうこともあり、コミュニケーション能力が問われます。

工務

工務の仕事は、工場の生産過程を理解し、製品が出荷されるまでの手続きを計画することです。

この部署では、工場全体の製品の流れや取引先について把握しておくことが必要であり、一般的には製造ラインで経験を積んだ後に配属されることがあります。

例えば、工務は原材料や部品などの必要な資材を調達し、適切な在庫レベルを維持する役割を果たします。これにより、生産ラインが中断することなくスムーズに運営されるようにします。

また、工務は生産ライン上での効率や品質を向上させるための方法を検討し、必要な場合は製造プロセスの改善を提案・実施します。これにより、リードタイムの短縮や不良品率の低減などが期待されます。

工務と調達の両方が存在する企業の場合、資材発注は調達が実施し、工務が伝票処理などの事務処理をおこなうこともあります。

生産管理

生産管理は、製造プロセス全体を計画し、確実に納期まで納品できるように設計する重要な役割を果たします。その目標は、生産の向上、効率の最適化、コストの削減そして製品の品質確保です。需要予測や受注状況に基づいて、生産計画を策定します。これには製品の数量、スケジュール、人員の配置などが含まれます。

工場事務(原価管理)

工場事務の仕事には、原価管理をはじめとするさまざまな業務があります。原価管理では、原材料の調達コストや製造にかかるコスト、人件費、輸送コストなど、製造プロセス全体の費用を把握し、予算との比較をおこないます。

これにより、製品ごとの原価計算や利益の確保に貢献します。また、他にも請求書の処理や工場施設内での事務所周りの修繕など、さまざまな業務をおこなっています。

工場長の判断によってどの程度の仕事を工場事務に任せるかが異なるため、処理する業務内容も工場ごとに異なります。
おすすめ関連記事

工場・製造業勤務に向いている人の特徴

工場・製造業勤務に向いている人の特徴には、黙々と仕事をこなせる人であることや、体力に自信がある人であることなど、さまざまな特徴があります。工場勤務に向いている人の特徴について詳しく解説します。

黙々と仕事をこなせる人

工場・製造業勤務の仕事に適している人は、黙々と仕事をこなすことができる人です。特に工場の製造ラインの仕事は、単純な作業や繰り返し作業がメインになります。このような作業には、集中力や忍耐力が求められ、黙々とコツコツと作業を進めることが重要です。

また、複雑な機械を操作したり、製品の品質を保つための検査作業をおこなったりするなど、一部の工場勤務では高い集中力が必要とされる作業があります。黙々と作業に没頭することが重要です。

さらにいえば、黙々と作業をするだけでなく、自分なりに工夫をして作業効率を向上させ、短時間でより多くの製品を製造することが求められます。黙々と作業をできる人、コツコツ地道に仕事をできる人が工場・製造業に向いているといえます。

体力に自信がある人

工場・製造業勤務の仕事は、体力に自信のある方に向いています。工場の製造現場では、立ちっぱなしや歩行が伴う作業があるからです。そのため、足腰の筋力や持久力が求められます。また、工場勤務では、機械の操作や荷物の運搬、梱包作業など、体力が必要な作業が多くあります。

材料や製品の運搬、機械のメンテナンス、設備の操作など、重い物を取り扱う作業が発生することがあります。そのため、筋力と持久力が必要です。工場の生産体制によっては、シフト制や長時間労働が必要な場合もあります。

ただし、全ての工場の仕事に体力が必要となるわけではありません。工場には工務や生産技術、品質管理など、工場を支えるバックオフィスの仕事も存在するためです。

適正によってどの部署に配属されるかは入社段階まで分かりませんが、必ずしも体力が必要な製造に配属されるわけではないという点にも注意が必要です。その場合、体力は重要ではありませんが、コミュニケーション能力が重要となることがあります。

昼夜交替勤務に耐えられる人

工場・製造業で働く方は、昼夜交替勤務に耐えられる方が適しています。なぜなら、24時間稼働の工場が存在するからです。昼夜交替勤務では、昼勤務と夜勤の交替パターンでうまく生活リズムを立てる必要性があります。

昼夜交替勤務を避けて昼勤務のみの工場を選ぶ方法もありますが、夜勤手当がつかないため、給与が昼夜二交替勤務よりも下がる可能性があります。また、もし事務職に配属された場合でも、業界によっては製造現場が人手不足に陥り、さらに人材の採用ができない状況になった際には、事務職が現場応援として積極的に参加することがあります。

工場に入社する際には、どのような職種であっても、現場での昼夜勤務の可能性がある点に注意してください。夜勤を絶対にしたくない、という方は、24時間操業していない工場を選ぶことで夜勤を避けることが可能となります。
おすすめ関連記事

工場・製造業勤務の年収まとめ

今回は、工場勤務の方の年収について解説しました。工場勤務は平均賃金という観点から見ると、業界平均の中でも中位に位置するように思われますが、福利厚生や手当などにより、実際に支給される給与は高くなる傾向があります。また、仕事に関しても未経験者が挑戦しやすくなっており、未経験からでも高い収入を得られる可能性があります。

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報
e-Govポータル 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)  
経済産業省 2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告) 第1部 ものづくり基盤技術の現状と課題 第1章 業況
経済産業省 製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性
一般社団法人 日本経済団体連合会 第64回 福利厚生費調査結果報告  

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

条件別で転職サイトを探す

「工場求人」についての新着記事

「工場求人」についての人気記事

サイト一覧