更新日: 2019.05.17 家計の見直し

年末年始にうっかり散財!?散財しない為に心がけたいこと

執筆者 : 山本美紀

年末年始にうっかり散財!?散財しない為に心がけたいこと
いよいよ年末年始。クリスマスと相まって街並みやお店、広告などが華やかになり、自然と購買意欲も高まるこの時期。家計の管理の面からみると、危険な時期でもあります。
 
「ボーナスが出たし、パーっと使いたい」気持ちはわかりますが、1年間せっかく頑張ってやりくりした家計のためにも、ここで一度、冷静にご自身のお買い物と向き合ってはいかがでしょうか。意外な自分のお買い物のクセが見つかるかもしれません。
 
山本美紀

Text:山本美紀(やまもと みき)

CFP(R)認定者

家計整理アドバイザー 認定講師
第一子出産直前にお金についての知識の必要性に気づき、ファイナンシャルプランナーの勉勉を始め、CFP(R)取得。
 
現在は、同じ母として、子育て真っ最中の方々が抱える<将来の生活費>や<教育費>に対する不安に対し、ライフプラン作成を中心に、それぞれの事情に合わせたきめ細やかなアドバイスをしたり、≪家計整理アドバイザー≫として、日々の家計整理に悩みを持つママ向けに【お金の整え方】のセミナーを開催し、好評を得ている。
 
ママ達のお金の不安に共に向き合い、解消することで、家族や自身の夢に向かって【イキイキ】活動するママを増やしたいと願い、活動中。
http://miki-lifedesign.com/

合理的な判断を邪魔するものは?

誰でも自分が頑張って得たお金を、有効に、合理的に、失敗なく使いたいと考えるものです。
 
それはごく当然のことですが、実際にはその反対の行動をしてしまうことが多々あります。皆さんも少なからずお買い物の失敗があるはずです。その、本来向かいたい方向とは逆の方向に向かわせてしまう厄介なものは何でしょうか?
 
それは、「感情」と「バイアス(思考の偏り)」です。この2つと上手に向き合っていくことが、大事な資産を有効に使っていく鍵となります。
 

買い物は「感情」が決めている!?

たとえば、「今日は嫌なことがあってむしゃくしゃしているから、お買い物してストレス発散しよう!」、逆に「仕事が上手くいって気分が良いから、普段だったら買わないけれど、ご褒美に思い切って買っちゃおう!!」なんて経験はありませんか?
 
そうなんです。人は買い物における意思決定において、「感情で決定し、理論で正当化」するといわれるほど感情に左右されます。
 
怒りやストレスが強い状態、興奮状態など、強い感情であればあるほど自制心を失ってしまうということは、実際の研究結果として複数報告されています。
 
ですから、大きな買い物をするときほど「今私は平常心か、そうでないのか」、自分の感情の状態を一度確認することが大切です。
 

「バイアス(思考の偏り)」を知る

2017年に行動経済学の権威であるリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞し、「行動経済学」が話題になりました。そのため、「バイアス」という言葉をご存知の方も多いかもしれません。
 
「バイアス」とは、偏り・歪みなどと訳されます。人は判断・選択をする際に、どうしても無意識の心理によって情報の入手や解釈に偏りや歪みが生じ、ときに誤った判断をしてしまうのです。
 
たとえば、定価でお店に並んでいたときには見向きもしなかった商品が、「半額セール」の対象になったとたん、急に魅力的な商品に見えてくる。また、商品についてそれほど理解していないけれど、行列ができているから「きっと良いものに違いない」「流行にはのっていたい」とついつい衝動買いする。
 
これらも私たちの無意識の心理が働いた結果の、買い物行動の一例です。
 
もちろん、結果的に満足できるお買い物になることもあると思います。ここで大事なのは、「自分が本当に欲しいものなのか」「他者からの情報に引きずられていないか」ということを自問自答する、ワンクッションです。
 

「マイルール」と「予算決め」でお買い物を楽しみましょう!

「感情」や「バイアス」に少し意識を向けることで、「こういったときに衝動買いしやすいのかな」「こういうときに失敗するのかな」など、ご自身のお買い物傾向が見えてきます。
 
見えてきたら、その失敗を防ぐのに有効な「マイルール」を設定しましょう。「大きな仕事をして疲れている日は不用意にお店に行かない」「ネットショッピングは一度お気に入りリストに入れて、日をおいてもう一度考えてみる」など、決め事をつくることで衝動買いを防ぎます。
 
また、「年末用」「年始用」「新春セール用」など、日常の家計管理とは項目を分けて予算を決めましょう。その中でお買い物を楽しめば、あとで日常生活に戻ったときに慌てることもなくなります。
 
ただ漠然と12月~1月はお金がかかるというのではなく、しっかりイベント化して、予算を立てるのがおススメです。
 

まとめ

今回は、年末年始を迎えるにあたり、必要以上に散財しないためのポイントをお伝えさせていただきました。
 
とはいえ、年末年始は1年で一番、華やかで楽しいシーズンです。1年頑張ったうえに、ここでさらに無理な我慢や節約をしても精神衛生上よくありません。
 
年末年始をしっかり楽しむためにも、ぜひご自身の「感情」や「心」の状態を知り、マイルール、予算の準備をしたうえで楽しんでくださいね。
 
Text:山本美紀(やまもと みき)
CFP(R)認定者

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