更新日: 2021.11.01 年収
「なかなか貯金ができない」年収に関係なく、上手に貯蓄できるコツ
日々仕事に趣味に忙しく、お金に関して考える時間もなく過ごしてきて、「そろそろ将来のために貯めよう」という方も多いのですが、重要なのは「貯まる仕組みを採用すること」ではないでしょうか? その考え方や方法を見ていきましょう。
執筆者:末次祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会)、企業年金管理士(確定拠出年金)。
大学卒業後、旅行会社、外資系生命保険会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナー(FP)として独立。
「老後資金の不安をゼロにする」特に中小零細企業の退職金を大企業、公務員並みの2000万円以上にするというミッションのもと、マネーセミナーや個別相談、中小企業に確定拠出年金の導入支援を行っている。金融商品は出口が大事。「一生のお付き合い」がモットー。
FP事務所 くるみ企画
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支出を管理する会計係を決めよう
自営業や会社員、公務員など一般的な家庭において収入は基本、月収です。
共稼ぎの家庭であっても、夫婦共に正社員で働いている、奥様がパートでご主人の扶養に入っている、奥様が専業主婦など、色々なパターンがありますが、お金の管理は一般的には奥様がやっている家庭が多いかと思います。
一方、自営業は夫婦での管理や、ご主人がすべて管理している家庭もあります。
会社でも経理課という部署でお金の管理をするのと同じで、家庭でもまずは生活費口座などを使って家計を管理する人を決めることが、“家計管理”という意味では大事になってきます。もちろん、家計管理の代表は一人でも夫婦二人でもかまいません。
ではなぜ管理する人が必要になるのでしょうか?生活する上で、光熱費、住宅ローンまたは家賃の住居費、生命保険の保険料など、多くの支出があります。何にどれだけお金を使ったかは時間が経てば忘れますし、詳細まで覚えていないものです。
銀行口座からの引き落としが多くある方は、支出項目に対し、鉛筆で具体的に何の支出かを記載しておけば、管理する上で楽になります。
家計簿で管理すれば詳細まで把握できますが、時間的な関係などで家計簿をつけることが難しい場合もありますので、前述のような方法で大まかな収支のバランスを把握できればいいと思います。家計簿は必須ではありません。
肝心な部分は、「支出を把握すること」です。通帳記帳やクレジットカード明細の確認、買い物のレシートや領収書を確認するだけでも何にいくら使ったかの詳細は分かるので、日頃から整理をしておいてください。
“消費”が“浪費”にならないようにする
毎月、お子様の教育資金や緊急時の予備資金、また老後資金のために一定の金額を貯めている方も多くいらっしゃると思います。教育資金として学資保険などの保険商品を使っている場合は、強制的に貯まっていくので、満期まで比較的継続できるでしょう。
しかし、老後資金などのための長期的な貯金となると、いろいろな事情で目標まで継続することが難しく、なかなか貯められないという方もいらっしゃいます。
この「なかなか貯められない方」に多い傾向としては、自身の考えに合った貯蓄手段(商品)が選択できていないということです。生活費や娯楽費を使ったあとの“余った分”を貯蓄にまわす、という思考になりがちで、それだとなかなか貯まっていきません。
この現象は、年収が多いかどうかはあまり関係ありません。貯まる仕組みが出来ている家庭ほど貯まっている傾向があります。
生活費などの必要なものにはもちろん使いますが、この“消費”が“浪費”になる方も多いのです。浪費を極力抑える術を知っていれば、毎月決めた金額は貯まっていくでしょう。
貯めるための仕組みとは?
では、年収に関係なく、上手に貯蓄できるコツは何でしょうか?
それは、
・収入―支出=貯蓄 ではなく
・収入―貯蓄=支出 というやり方です。
貯蓄に回る金額はないものとして考え、未来の貯金箱に先に入れてしまうことで、余った分でやりくりをします。「先取り貯金」です。
さらに、ここが重要な部分になりますが、この余った分の支出が『今の生活の水準である』ということを家族で共有(自分に言い聞かせる)することです。お金があればあるだけ使ってしまう、という方は少なくないと思いますので。
例えば、会社に社内積立金制度などがあれば、給与天引きされますので最初からないものとして考えられます。強制的に貯められる仕組みをうまく利用するのも一つの得策です。
ただし注意が必要なのは、目的のない貯金は意味がないということです。目的がないと途中で引き出したり、浪費したりすることもあるので、最初から何のための貯金なのか名前を付けて貯めることで、より目標達成に近づくと思います。
最終的には自分にあった方法が10年以上実行できれば、「貯金力アップ」が期待できると思います。
執筆者:末次祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表