「130万の壁」を超えて社会保険に加入するメリットはありますか? 超えると「損」でしょうか?
配信日: 2023.02.27 更新日: 2024.10.10
本記事では、社会保険に加入するメリットを解説すると共に、社会保険に加入するデメリットについて紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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社会保険に加入する要件
パートやアルバイトなどの短時間労働者が社会保険に加入する要件は、「週の労働時間が20時間以上であること」、「雇用期間が2ヶ月以上あると見込まれること」、「月の賃金が8万8000円以上であること」、「学生でないこと」、の4つです。
令和4年10月からは、短時間労働者を除いた従業員が100人を超えている会社に勤めている場合、これら4つの要件を満たすと社会保険に加入しなければいけなくなりました。そのため、社会保険に加入する機会が増えているといえます。
社会保険に加入するメリット
社会保険に加入するメリットとしては、年金の受給額を増やせる、障害年金や遺族年金が増額する、医療保険が充実する、保険料が会社と折半される、の4つを挙げることができます。
年金の受給額を増やせる
まずは、年金の受給額が増えることです。厚生年金保険に加入することになるので、国民年金(老齢基礎年金)と併せて老齢厚生年金を受け取ることができるようになります。例えば、月の賃金が8万8000円の場合は、将来受け取る年金額が月額で450円増加します。20年間保険料を支払った場合は月額9000円の増加です。
障害年金や遺族年金が増額する
障害厚生年金の対象となるので、障害状態になった際に障害基礎年金と併せて受け取ることができます。また、亡くなった場合は遺族基礎年金だけでなく、遺族厚生年金も受け取れるので、遺族年金を多く受け取ることが可能です。
医療保険が充実する
医療保険の負担割合などは変わりませんが、傷病手当や出産手当といった給付を受けられるようになります。休業中に賃金が支払われるようになるのは大きなメリットです。
保険料が会社と折半される
国民健康保険や国民年金保険料のみに加入している場合は保険料を自身で全額負担しますが、社会保険に加入すると保険料が会社と折半されます。例えば、月の賃金が8万8000円の場合、厚生年金保険料は1万6104円です。しかし、会社と折半になるので実質的な保険料は8052円になります。
社会保険に加入するデメリット
社会保険に加入するデメリットとしては、保険料を支払わなければいけなくなることが挙げられます。保険料は会社と折半です。扶養に入っていた場合は保険料の支払い負担がないので、その分負担が大きくなります。
月の賃金が8万8000円の場合は、厚生年金保険料は8052円です。また、健康保険料は4316円、40歳以上の場合は5038円となります。それぞれ合計すると、40歳未満の場合は1万2386円、40歳以上の場合は1万3090円が自己負担です。年間では、40歳未満の場合が14万8632円、40歳以上の場合は15万7080円が自己負担となってしまいます。
メリットも考えて社会保険の加入を検討しましょう
本記事では、社会保険に加入するメリットを解説すると共に、社会保険に加入するデメリットについて紹介してきました。収入の部分を見ると、保険料の負担が大きいためデメリットもあります。しかし、年金の増額や医療保険の充実など、社会保険に加入するメリットも大きいです。メリットのことも考えて社会保険に加入することも検討してください。
出典
政府広報オンライン パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入により手厚い保障が受けられます。
厚生労働省 令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部