更新日: 2023.07.27 働き方

月の残業時間は45時間が上限って本当?「未払い分」の残業代は請求できる?

月の残業時間は45時間が上限って本当?「未払い分」の残業代は請求できる?
長時間労働が問題となったことから、政府による働き方改革の一環として「時間外労働の上限規制」が労働基準法に規定されました。
 
オープンワーク株式会社の調査によると、2023年1~3月の平均残業時間は「23.90時間/月」との結果が出ました。2022年10月から、ほぼ横ばいのようです。
 
今回は、時間外労働についてまとめました。「時間外労働を超えての残業は可能なのか」「残業代はどのように請求できるのか」について説明します。
FINANCIAL FIELD編集部

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時間外労働の上限は「月45時間・年360時間」

労働基準法での時間外労働の上限は「月45時間・年360時間」と定められています。臨時的な特別な事情がない場合は、原則、この時間を超えての残業はできません。
 
ただし、臨時的な特別な事情があった場合は、以下の条件を守ることで、残業が認められるケースがあります。
 

●時間外労働が年720時間以内
●時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
●時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1⽉当たり80時間以内
●時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度

※厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」より一部引用

 
なお、労働基準法で定められている労働時間は「1日8時間、1週間40時間」です。この労働時間を超えた分を、会社の就業規則で定められた所定労働時間とは関係なく、「(法定)時間外労働」と規定しています。
 

未払いの残業代を請求する方法

時間外労働にて、超過した分の残業代(時間外手当)は請求できます。
 
「今まで残業代を請求していなかった!」という人もいるかもしれません。未払いの残業代を請求する流れは、以下の通りです。
 

1. 時間外にあたる労働時間が分かるもの(証拠)を集める
2. 会社に、未払い分の残業代を支払ってほしいことを伝える
3. 会社と残業代支払いについて交渉する
4. 労働審判や訴訟で対応する

 
残業代を請求するには、労働時間が分かるもの(タイムカードの記録や労働時間が明記された給与明細など)を用意します。その際、会社の就業規則を確認して、時間外にあたる労働時間を計算しておきましょう。
 
次は、会社に残業代を支払ってほしい意思を伝え、交渉します。このとき、会社が適切に対応してくれればよいのですが、交渉に応じてもらえない場合は、労働審判や訴訟での対処が必要です。
 
法的な対応は、個人で進めることが難しいため、弁護士に相談しましょう。ただし、「未払い賃金を請求できるのは3年まで」(現時点)と、法律で決められていますので、注意が必要です。
 

多すぎる時間外労働は法律違反! 残業代は正しく申請しよう

時間外労働は、労働基準法によって「月45時間・年360時間」の上限が定められています。臨時的な特別な事情があった場合は、決められた条件を満たすことで、上限を超えての残業が可能となります。
 
しかし、基本的には、法定労働時間は「1日8時間、1週間40時間」であり、それを超える労働時間に対しては、残業代(時間外手当)の支払い義務が発生します。
 
そのため、法定労働時間を超えて仕事をした場合は、正しく残業代を請求しましょう。もしも「今までの残業代を請求していなかった!」という人は、3年以内ならば、あとからでも未払い分の残業代を請求できます。
 
しかし、会社側が交渉に応じない場合は、弁護士に相談して、法的措置も検討する必要があるでしょう。
 

出典

オープンワーク株式会社 働きがい研究所 「日本の残業時間 定点観測」

厚生労働省
「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」

「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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