38歳で貯蓄「120万円」は少ないですか? 手取りが月21万円なのですが、どうすれば貯蓄できるでしょうか?
配信日: 2023.07.30 更新日: 2024.10.10
今回は「38歳という年齢で手取りが月21万円、貯蓄120万円の人」をモデルケースとし、貯蓄の平均額などと比較してみます。また、貯蓄のコツについても解説しますので、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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30代と40代の貯蓄額の平均と中央値
まずは、金融広報中央委員会の実施している「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」を参考に、30代と40代のそれぞれの貯蓄額をみてみましょう。
・30代の貯蓄額
同調査によれば、世帯主が30代である世帯の平均貯蓄額は、515万円となっています。多くの資産を保有している世帯が平均を引き上げている可能性があるため、より実態に近い数値となりやすい中央値も見てみましょう。
同じく、世帯主が30代である世帯の貯蓄額の中央値は150万円です。平均より大幅に少ないことが分かります。30代の単身世帯に限定した場合、平均貯蓄額は494万円となっています。中央値は75万円です。いずれも総世帯のデータと比較すると少なくなっています。
ちなみに、30代で貯蓄額が100~200万円未満の世帯は、30代世帯全体の9.8%、単身世帯では8.6%という調査結果でした。いずれにしても、貯蓄のない世帯と貯蓄額100万円未満の世帯に次いで多い割合です。38歳で貯蓄120万円は、2人以上の世帯であれば中央値よりもやや少ない程度でしょう。一人暮らしであれば中央値よりも多く、決して少ないとはいえません。
・40代の貯蓄額
参考として、40代もみてみましょう。40代を世帯主とする世帯の平均貯蓄額は785万円です。中央値は200万円となっており、30代と比べるといずれも多くなっています。40代の単身世帯の平均貯蓄額は657万円で、中央値は53万円です。
平均は多くなっているにもかかわらず、中央値は減っています。30代の単身世帯では貯蓄のない人が32.4%だったにもかかわらず、40代では35.8%へと増加しており、このことが強く影響したといえるでしょう。
年収と貯蓄額の関係性
同調査では、年収ごとの貯蓄額データも公表しています。月の手取りが21万円の場合、年収は310~330万円程度と推測できます。年収300~500万円未満の世帯の平均貯蓄額は974万円です。中央値は300万円でした。
単身世帯で年収300~500万円未満の世帯の平均貯蓄額は796万円で、中央値は200万円です。世帯主の年代は関係なく、また、400万円を超える年収の世帯も含まれるため参考程度とする必要があります。しかし、年収が300万円以上あると推測される30代としては、貯蓄120万円は、若干少ないといえるかもしれません。
貯蓄を増やす方法
貯蓄は多いに越したことはありません。ここでは、貯蓄を増やすためのコツや方法を紹介します。
・節約を徹底する
手取りが少ないのであれば、まずは節約を徹底する必要があります。無駄な食費を削り、遊興費も見直しながら、買い物のときに付与されるポイントなども有効活用し節約に努めましょう。
・資産運用を行う
貯蓄が預貯金のみであれば、資産が急激に増えることはありません。貯蓄の多い人は資産運用をしている傾向があります。毎月少しずつでもよいので、株式や投資信託、債券などに投資をしてみましょう。お金に働いてもらい資産を増やすといった思考と行動が重要です。
・副収入を得る
収入源を増やす努力も必要です。自宅やスキマ時間を利用してできる副業も少なくありません。収入が増えれば、さらに資産運用へとお金を回せます。どれだけ副収入を得られるかも、貯蓄額を大きく左右するポイントとなるでしょう。
30代の貯蓄の中央値はさほど多くはないが貯蓄を増やす努力と行動は不可欠
30~40代の貯蓄額は、平均で500~800万円です。一方、中央値は50~200万円程度となっています。38歳で貯蓄120万円は多くはありませんが、中央値と比較すれば決して少なくもありません。
ただ、それで安心するのではなく、将来のためには貯蓄を増やすための行動が求められます。節約や資産運用を積極的に行いましょう。収入源を増やせれば、そのお金は資産運用へと回せ、さらに資産形成がしやすくなります。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー