家計簿は「習慣化」すると節約上手になる? 作成や続けるためのコツを解説
配信日: 2023.08.13 更新日: 2024.10.10
そこで、今回は家計簿をつけることでどのような効果がもたらされるか、お話しします。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
家計簿を書くことは面倒
家計簿を書くには時間が必要です。そのため、忙しい人にとっては、なかなか大変な作業となります。日々家計簿をつけていれば、さほど大変な作業には感じないという意見もありますが、習慣になるまで時間がかかります。
ファイナンシャル・プランナーの中でも意見が分かれますが、筆者が仲間内で話をしても、家計簿をつけている方とつけていない方は「4:6」の割合で、意外と後者の方が多いです。
家計簿をつけるかつけないかは自由ですが、お金を貯めるのに苦労している方は、家計簿をつけることをおすすめします。また、家計簿をつけているのにお金が貯められない方は、家計簿のつけ方を間違っている可能性があります。
お金を貯めるために家計簿を書く
家計簿をつけることは、単にレシートを集計することではありません。つける目的を明確にし、それに見合った集計をする必要があります。
今回は「お金を貯める」ことが目的なので、レシートを円単位で集計する必要はありません。また、細かに食費や日用品代、水道光熱費、通信費、保険料、車関連費などと項目を分ける必要もありません。
では、どのように集計をすれば良いのでしょうか。
家計簿を自分で作る
家計簿は、自分の目的に合わせて作るのが一番です。作るのは、パソコンでもアプリでも紙でも何でも構いません。おすすめは、パソコンの表計算ソフトで、以下の手順で作成する方法です(図表1)。
(1)表計算ソフトを立ち上げる
(2)縦列に毎日の日付を書く
(3)横行に項目を書く(集計は内容ごとではなく、店名ごとなどで問題ありません)
家計簿に残す内容は、現金払いの場合レシートだけで大丈夫です。携帯代や水道光熱費、保険料、クレジットカードといったものは、月末に家計簿の端に通帳から引き落とされた金額を控えるだけで良いです。クレジットカード決済分は、利用明細を残せばその月に引き落とされた金額、店名が分かるので問題ありません。
問題は、「○○Pay」といったキャッシュレス方式で支払ったものです。人によりお金のチャージ方法が異なるため、キャッシュレスで支払っている方は、家計簿に記入する必要があります。これも使った店、あるいは項目ごとに集計してください。間違っても「○○Pay」と一くくりにする方法はやめてください。どこの店で使ったのか、何に使ったのかが大切です。
【図表1】
筆者作成
作成が終わったら確認すること
1ヶ月分の作成が終わったらそれで終わり、ではありません。あと10分、時間を使ってください。
(1)携帯代や水道光熱費などの引き落とし額が、前月や前々月とどのように変化しているのか確認しましょう。差が大きいようであれば、契約内容を見直す必要があります。
(2)どこの店、あるいは何の項目が多いのかを確認します。その来店頻度を減らすことが、浪費を減らすことにつながるからです。カフェなどの利用が多い方は、回数を減らすことでみるみる節約効果が期待できます。
(3)クレジットカードの利用明細を前月と比較し、どれぐらい金額が異なるのか、異なる原因は何なのか。臨時出費の確認などを分析してみてください。
(4)分析が終わったら、ある程度の無駄も見えてきます。残念ながら、人間である以上、無駄なお金をまったく遣っていない月はないに等しいでしょう。ただ、このようなポイントを念頭に置き、次にその店に買い物に行くとき注意してみましょう。
まとめ
「家計簿をつけよう」と思っても、いきなりすべてをやろうと考えないでください。それでは長続きしません。今月はまず、クレジットカードの利用明細を分析するだけで問題ありません。少しずつ家計簿を進化させていき、自分なりに「究極の家計簿」を来年2024年からスタートできるよう、今から準備しましょう。
お金との付き合いは一生涯続きますが、少しでも早く「習慣」にすることで、1つずつ無駄を減らすことができ、「お金を貯める習慣」に結びつけられます。何事も小さなことから始めてください。
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士